俺たちのキーラン・ティアニー 後編

語ってみたTim Stillman,海外記事

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セルティックからティアニーがやってきたということでさえも、少しレトロな雰囲気を伴っている。ある程度以上の年代のアーセナルファンであれば、1980年代にチャーリー・ニコラスがやってきたときのことを思い出す人もいるだろう。

もちろん、現代ではスコットランドリーグとプレミアリーグのレベルの差は広がってしまったため、そこまで多くの選手がこのステップアップを果たすことはないが。

そして、ティアニーが即座にファンの間での人気者となったのはその謙虚な性格だけが理由ではない。

彼のプレイスタイルもまた、古き良きものがあるのだ。

近年サッカーはとても複雑になり、監督の戦術面の負担も増した。より子細な分析が必要とされ、相手チームに応じて微妙な調整を毎週施すのが当然のようになった。

今では、一試合の中で複数のフォーメーションを使いこなすことが自然に行われている。もちろん、これは昔は行われなかったというわけではないのだが、過去と比べてその頻度は明らかに増えた。

それに伴って、サッカーを理解するのもどんどん難しくなりつつある。(もちろん、これはあくまで観る人が理解したいのであれば、という前提での話だ。高度な戦術を理解しながら観戦するのは当然ながら観衆に必要とされる条件では別にない。)

このような状況下で、アーセナルはファンの間で意見が分かれるような選手を最近は多く起用してきた。

この最も最近の例はマッテオ・ゲンドゥージで、話す人次第で彼は、悪くない控え、スーパースター候補、バカみたいな髪型の役立たず、へと評価が変わる。

同じように、ジャカもアーセナルの心臓といわれることもあれば、致命的な欠陥を抱えていると評されることもある。

だが、ティアニーを理解するのは非常にシンプルだ。

彼は、古き良き髪型のサイドバックで、シャツの裾をズボンに入れ、サイドで上下動を繰り返す。

良いクロスを放り込むことが出来、1対1の勝負で相手に後れを取ることもない。まさに彼の性格と同じように、ピッチ上での姿も昔ながらのサイドバックなのだ。

もちろん、これは彼が微妙なニュアンスのプレイが出来ないという意味ではない。スコットランド代表でよくやるように、3人目のCBとして中に入ることも出来るし、彼が中に入れるボールはバリエーションに富んでいる。

ふわりとしたボールが必要であればそういったボールを放り込むし、マイナスへのカットバックも出来る、インステップで低い弾道のボールがお望みならそれもお安い御用だ。

ティアニーにサカとマルティネッリが加わったアーセナルの左サイドは非常に期待が持てる。サカを左の中盤に移すアルテタの試みはここまでのところうまくいっている。

将来的にはマルティネッリが左ウイングのポジションを狙っているだろうし、左サイドバックにはすでに素晴らしい選手がいる。

もちろんまだ我々はティアニーが次のナイジェル・ウィンターバーンになれると結論付けられるほど多くのプレイを見ていないし、サカとマルティネッリがアーセナルの左サイドの中心となれるかどうかは他の多くの要因次第だ。

とはいえ、今のところはテスコのビニール袋で真冬でも半袖で左サイドを駆け上がり、駆け下がるティアニーの姿はアーセナルファンのお気に入りの座をつかみつつあるということだけは言える。

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ティアニーの選手紹介記事はこちら↓

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Posted by gern3137