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一週間前、アーセナルはユース時代も含めれば16年間をアーセナルで過ごしたアレックス・イウォビの売却を決断した。彼はガナーズで2500分以上出場し、昨シーズンもウナイ・エメリのチームの重要な一員だった。さらに、彼はチームで数少ない、長い距離ボールを運ぶことが出来、相手DFに一対一を仕掛けられる選手だった。

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アーセナルがCBのオプションとしてダビド・ルイスを獲得すると予想できた人は誰もいなかっただろう。 今回の状況は、彼が2016年にチェルシーに戻った時と非常によく似ている。チェルシーはついにクリバリを獲得できず、移籍市場が残り48時間となったところでルイスがスタンフォードブリッジに帰還したのだ。

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いつもお世話になっているTim Stillman氏のコラムで、毎年注目選手を紹介するものがあるのですが、今年はそのユース卒選手バージョンがありましたので紹介します!

ジョー・ウィロック

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若手選手がファーストチームで台頭するためにはタイミングが重要だ。ウィロックにとっては、ラムジーの退団は格好の好機だと言える。序列で彼よりも上に居たラムジーがチームを去っただけではなく、アーセナルがラムジーをフリーで失ったことで、アーセナルは彼の代役に大金を費やすことが出来ないはずだ。

そこまで派手さはなかったが、17/18シーズンのヨーロッパリーグで彼は安定して活躍した。攻撃力にも磨きがかかり、U-23の試合でも定期的に得点とアシストを重ねるようになった。これはFA杯のブラックプール戦でも発揮されていた。

特に、狭いエリアでのタッチの正確さは向上し、さらにフィジカル面でも安心してみていられるようになった。彼は比較的低い位置でプレイ出来る攻撃的なMFで、アーセナルがラムジーの代役としてまさに必要とする選手だ。セバージョスをアーセナルは獲得したものの、特に、昨年のようにエジルがアウェイで欠場するようであれば、十分に出場機会はあるだろう。

ウィロックはファーストチームに欠けているクオリティを備えており、これこそがユースチームがトップチームで活躍するのに最も重要な点だ。

シーズン序盤はヨーロッパリーグのグループステージが主戦場となりが、個人的には彼はプレミアリーグでプレイ出来るだけの能力を備えていると思う。この1,2年で決定力にも磨きがかかっているし、これは若手のMFとしては比較的レアだ。アーセナルにはより多くの中盤から走り込み、得点を決められる選手が必要だ。

リース・ネルソン

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得点源という意味では、ネルソンにも同じように期待できる。エメリのチームにはサイドからのゴールが欠けており、ネルソンはペナルティボックス内でより多くのものをもたらしてくれるだろう。

ムヒタリアンとイウォビはボールを前に運べるウイングで、ペナルティエリアまでボールを運ぶことに長けているが、最後の場面で敵DFと勝負するのはそこまで得意ではない。確かにペペは加入したが、それでもネルソンの前には長い列が出来ているとは言えない。

デニス・スアレスの獲得はアーセナルに既にいるタイプの選手という点で非常に奇妙だった。一方で、ネルソンのような選手こそまさにアーセナルが必要としているたいぷなのだ。

現状アーセナルではボックス内で仕事が出来るのはラカゼットとオーバメヤンだけで、さらに言えば、ラカゼットでさえもどちらかと言えば独力ではなくチームメイトと連携するのを好む選手だ。ネルソンは逆サイドで攻撃が展開されている際に自分のサイドのバックポスト付近でボールを待ち受けることを好むが、これも今のアーセナルではあまり見られない。

今年のアーセナルでサイドでプレイできる選手はペペ、ムヒタリアン、イウォビだけで、ウィロックと同じようにカップ戦からのスタートとなるかもしれないが、彼にも十分チャンスはあるだろう。

ネルソンはまだ粗削りのダイヤモンドで、判断力に少し難があるが 、チャンスさえ与えられれば、ネルソンはイウォビやムヒタリアンにプレッシャーをかけることが出来るに違いない。

エンケティア

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層の薄さがネルソンとウィロックにとって有利に働きそうな一方で、エンケティアは昨年非常に奇妙なシーズンを送った。ウェルベックの怪我さえなければ確実にレンタル移籍していただろうが、エメリはエンケティアを保険として手元に留める決断をした(もちろんそれは理解できることだが)。だが、ラカゼットとオーバメヤンはシーズン通して健康そのもので、エンケティアが必要とされる場面は全く訪れなかった。

恐らく、彼の自信は少し揺らいでいたことだろう。アーセナルが点を欲しているときにベンチから投入されることすらほとんどなく、エメリがオプションとしてというよりは、単なる緊急時のためにエンケティアをキープしていたことは明らかだった。

彼にその数少ない機会が与えられた際には良い印象を残そうと必死になりすぎるあまり空回りしている感があった。

FA杯のブラックプール戦では素晴らしいゴールを挙げたが、他にも多くのチャンスを逃した。この時彼は、トップレベルで必要な決定力を備えているとは言いづらい状況に陥っていた。

確かにまだ彼のシュート技術は完ぺきとは言えず、ペペがストライカーとしてもプレイできるのであれば、エンケティアをレンタルに出すことも考慮してもいいかもしれない。そして、第4ストライカーにはジョン=ジュールズを起用するのだ。恐らくエンケティアは定期的にプレイする機会が必要だ。

エンケティアがラカゼットとオーバメヤンを抑えてポジションを獲得できる可能性があるとは考えづらいが、冬まではヨーロッパリーグとカップ戦で彼を試し、その後レンタルが必要かどうか考えるというのが最良の案かもしれない。もちろん、それまでにケガなどでファーストチームの状況が変わっている可能性もある。

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昨季プレミアリーグで、13チームがアーセナルより多いドリブル企図数を記録した。そして、シュート数では10チームがアーセナルを上回っていた。これは、2018年にアーセナルがサンチェスを失った影響というのもあるだろう。彼はシュートを多く打ち、ドリブル突破を積極的に仕掛ける選手だった。

この2,3年でアーセナルはチームのドリブラーを少しずつ放出していった。カソルラ、ロシツキー、チェンバレン、ウィルシャーといった選手もチームを去った。 ウォルコットはドリブラーとは言えなかったが、相手守備陣にカオスをもたらす能力は備えていた。

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(この記事は、昨日の前編の続きとなっています。)

イウォビは、プレミアリーグのトップクラスのウイングが皆備えているような、サイドからファーコーナーにボールをたたき込むようなシュートモーションを持ち合わせていない。そして、そもそも彼はカットインしてシュートを打とうという意識がほとんどない。

ウイングの選手というのは基本的に、縦への走り込みか、中に入って自身でシュートを打つ必要があるが、イウォビはそのどちらも行わない。イウォビはどちらかというと、攻撃のもっと手前の段階をスムーズにすることで輝く選手なのだ。

その最たる例が、彼のボールの受ける能力の高さだろう。彼はハーフターンでボールを受け、プレッシャーから逃れることに非常に長けている。そして、これはあーせあんるの中盤に欠けている能力でもある。イウォビがファーストチームに駆け上がった2016年にはミケル・アルテタが同じことに気づいていたようだ。

『U-21でアレックスとプレイしたが、彼が中盤でもプレイできることには驚いたよ。FWは普通MFに必要とされるような360度の視野を持っていないものだけれど、アレックスは試合を読むのがとてもうまい。ポジショニングの理解力も良いし、プレイする時の体の使い方も良い。』

イウォビは自分の体上手く使い、ポストプレイを上手く行うことが出来る。彼は正しい角度でボールを受け、その後素早くそのボールを放つコツのようなものを知っているのだ。このような能力は、サポーターにはあまり理解されないが、監督からは高い評価を受けることが多い。

エメリ体制では、この能力はハーフスペースでボールを受け、オーバーラップするサイドバックを活用するために用いられた。確かに、同じように中盤でもこの能力を活かしてイウォビは活躍できるかもしれない。

とはいえ、彼は調子の波が激しいことが多く、どのポジションでも結局一貫しては活躍できない、という結果になってしまう可能性も大いにあるが。

アーセナルはネルソンがレンタルから復帰し、まだ活躍を期待するには少し早いとはいえマルティネッリも獲得したにもかかわらず、夏の移籍市場でのウイングの獲得を目指している。もしこれに成功すれば、サイドの数は足りるし、アーセナルの予算を考えると、イウォビの中盤へのコンバートは試す価値があるかもしれない。

イウォビの将来はCMFにこそあり、これがガナーズを次のレベルに引き上げるだろう、などというつもりはないが、そもそもアーセナルは今そのような劇的な改革を期待できないレベルにあるということを理解する必要がある。

アーセナルはスーパーな選手を買うことは出来ないし、したがって既存の選手の配置を変え、より良いバランスを見つけ出すことは、チーム強化の有効策の一つだ。そういった意味では、プレシーズン中にエメリが色々と試す機会を奪うという点で、イウォビが国際試合で合流できないのは残念だ。

イウォビのアシストとゴール数はプレミアリーグトップ6のウイングとして満足のいくものではなく、多くのアーセナルファンがイウォビにフラストレーションをためるのは理解できる。だが、彼の能力が正当な評価を受けていないことが多いのも事実だ。

マイケル・コックスが指摘したように、イウォビは自身のプレイスタイルが定義しづらく、かつアーセナルファンにとって親しみのあるどんな選手とも似ていないおかげで損をしている。まさに、『イウォビはどちらかというとスペシャリストなのだが、まだ名前がない役割をこなすスペシャリストなのだ。』というわけだ。

イウォビのCMF起用は上手くいくかもしれないし、うまくいかないかもしれない。だが、正直なところ既にアーセナルは『可能性があるならなんでもやってみよう』という時期に来ているように思える。

(Source:
https://arseblog.com/2019/07/charging-through-the-midfield/ )

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以前、私はいかにしてウナイ・エメリがほんの少しでも有利に立てる部分を最大限活用していかなくてはならないか、という記事を書いた。この夏にアーセナルに大改革が起きる気配はなく、放出で財布の足しに出来そうな兆しはない。

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(この記事は前編の続きとなっています。)

2月の誰もが予想していたマンチェスターシティ戦での敗北から得られる喜びはほとんどなかったが、この試合でのゲンドゥージとトレイラのコンビは未来への可能性を感じさせるものだった。

アーセナルでは、アーセン・ベンゲルの時代から我々はMFはスペシャリストであるという考えになれてしまっている。コクランやフラミニ、シウヴァが守備的MFで、ジャカやプティは深い位置でのプレイメイカー、そして、ラムジーは攻撃的MFだ。ゲンドゥージはこのどれにも当てはまらないからこそ、ファンからの評価がそこまで高くないのだろう。

彼はオールラウンダーだ。そして、これはよりモダンなプレミアリーグのMFの形でもある。リバプールはヘンダーソン、ワイナルドゥム、ミルナー、ファビーニョ、ケイタ、そして時にはララナですらCMFとして変幻自在に使いこなす。トッテナムではオールラウンドなMFとしてコンバートされたシソコの前にエリック・ダイアーはポジションを失った。

同じように、トレイラとゲンドゥージは現代のプレミアリーグのMFに必要な素質を備えているのだ。彼らはボールを素早く動かすことも出来るし、自分自身も素早く動ける。そして、彼らはすべての仕事をオールラウンドにそつなくこなせる。

ジャカは多少ミスが多い傾向があるにせよ、良いクオリティを持った選手だが、スピード面で欠点を抱えている。パスは素晴らしいが、オフザボールのスピードが遅すぎ、ボールを受け取って前に放つのに時間がかかりすぎるのだ。

ゲンドゥージとトレイラはスペースでボールを受け取るのが遥かに早く、素早く前に運ぶことが出来る。もちろん彼ら二人を育てればアーセナルはリーグ優勝できるとは言わないが、来季は、この二人のパートナーシップを醸成するのに力を注ぐべきだと思う。

良い例が昨季のホールディングで、彼は素晴らしい評価を怪我までは受けていた。これは、彼がアーセナルの全てを変えたワールドクラスのDFだったからではんく、単に彼がほかの選手たちよりも少しだけ、監督の望むサッカーとの相性が良かったからだ。

これは、チームをよくするのに必ずしもワールドクラスの選手が必要なわけではないという証拠だ。単に、よりバランスの取れた選手がもう何人かいるだけでよいのだ。アーセナルには高額選手を購入する余裕がない以上、このような少しばかりの地道な改善を積み重ねていくほかに方法がない。

私が思うに、もしアーセナルが4-3-3を採用するのであれば、イウォビを3センターのどちらかのサイドを務めるCMFとしてコンバートするのは容易だと思う。そして、右側であればナイルズも同じような役目を務められるだろう。

これらの変化は、ほんの少しの微妙なもので、アーセナルをタイトル争いするチームに押し上げるとは思えないが、どちらにしろ今のアーセナルにそれを求めるのはいささか野心的すぎるといわざるをえない。

そもそも、アーセナルにできることはこれくらいしかないのだ。ウナイ・エメリにはチームを徹底改革し、みにくいアヒルの子を白鳥に成長させるだけの予算が与えられておらず、また売却によって予算をねん出できるとも思えない。

したがって、彼は練習場とプリシーズンで、何とかしてチームを支える再生可能エネルギーを見つけるしかないのだ。

エメリ就任時には、彼は純粋にコーチ型の監督だといわれていた。それがどこまで本当か我々は来季知ることになるだろう。アーセナルにはチームに火をつけてくれる何かが必要だが、エメリには木の棒と葉っぱしか与えられていない。火種はチームの中から見つけ出すしかないのだ。

(Source:
https://arseblog.com/2019/07/fat-of-the-land/ )

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恐らく、そろそろ冷酷な現実に向き合わなくてはならないだろう。アーセナルの次のシーズンのチームは昨シーズンと大方のところは同じである見込みが高いという事実と。残された期間中にアーセナルが高給取りのエジルやムヒタリアンといった選手を売却できるとは思えないし、もしどちらかに賭けるのであれば、ムスタフィもチームに残る方に賭けよう。

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アーセナルが新たな章を始めるにあたって何人かの過去の遺産と決別しなければならないことは誰もが分かっているし、また同時にそのための予算が足りていないことも公になっている。

価値の高い選手を何人かすでにフリーで失ったのに加え、アーセナルで高給を得ている選手は皆30を越え、売却益は期待できない選手ばかりだ。フレディ・ユングベリが昇格したのを始めとして、クラブは若手でチームの穴を埋める方針を明確にしている。

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(この記事は前編の続きとなっています)

先日、ダレン・バージェスが解雇されたと発表された。彼はプロフェッショナルスポーツ界でも有数のフィットネスに関するエキスパートだと評判の人物だ。

エメリは監督就任の際に、チームに激しくプレスをかけ、走り回ることを求めているとコメントしていた。このようなチームを作り上げるのに、ダレン・バージェスより適任の人物がいただろうか?公になっていないため何故かはわからないが、彼とアーセナルの関係性もうまくはいかなかった。

リバプールは今や、世界で最も運営がうまくいっているクラブの一つとみなされている。だが、彼らが今のレベルにたどり着くまでには何度もトライアルアンドエラーを繰り返さなければならなかった。

ダミアン・コモリのことをだれか覚えているだろうか?あるいは、散々な結果に終わった”マネーボール”アプローチを用いて高額でダウニングやチャーリー・アダム、アンディ・キャロルを獲得していたことは?

トッテナムも、マウリシオ・ポチェッティーノで金脈を引き当てたが、それ以前にはティム・シャーウッドやアンドレ・ビラス=ボアスの時代を耐え忍ばねばならなかった。

スペインやイタリアで評価を挙げたテクニカルディレクター型のクラブモデルは数年遅れてイングランドでも主流になった。かつては官僚的な制度はうまくいかず、実際に機能させるのは難しいと見向きもされなかったのにもかかわらずだ。

ディレクターはいわゆる”サッカー界の人物”ではないし、監督とディレクターの関係がうまくいかない場合どうするのだ、というのはよく聞かれる批評だった。また、監督側からもこのアイディアはあまり支持されなかった。アーセン・ベンゲルとハリー・レドナップはオープンにこのシステムに否定的だったし、それは理解できることだ。監督が公の場で管理されることを望むとは思えない。

例えば、恐らくユングベリのトップチーム承認はエメリ主導で行われたものではないだろう。クラブ側の意図がこのニュースの発表生声明から透けて見える。

若手の育成はエメリの最優先課題の一つだったはずだが、恐らくフロント陣はこの点においては、監督の今季のやり方に満足がいっていないのだろう。

ただ、実際のところこれは少しエメリに厳しい見方だということも出来る。エメリはきっとアーセナルでCL出場権獲得という結果を残すためにはあと一シーズンしかなく、この目標は、若手の育成という課題と両立させるのは非常に難しい。

多くの人が、エメリがスアレス獲得を望んだことで彼には見る目がないという結論を出しているが、私はこれがそこまで説得力のある意見だとは思えない。

そもそもスアレスは確かにエメリの下でプレイしたことはあるが、彼が特にスアレスに頼っていたり、気に入っていたりというわけではない。

どちらかといえば、むしろサンジェイがバルセロナの昔の仲間に誰か一人くらい貸してくれと頼んだ、という可能性のほうが高いように思える。

つまり、何が言いたいのかというと、もし上記のことが事実だとすれば、昔ながらの、”ディレクターにサッカーの何がわかるというんだ”という批判はあながち的外れでもないかもしれない、ということだ。

アーセナルが現在進行形で体験している通り、このような複雑なモデルを上手に機能させることは非常に難しい。

そのためには、何人かの野心的で有能な人材が上手く協力して働く必要がある。各人物は能力を備えていても、彼らがともにうまく機能するかどうかは実際に試してみければわからない。もしかすると、来年の今頃には我々はエドゥとユングベリが対立しているようだ、などといったうわさを耳にしている可能性さえある。

結局のところ、アーセナルは今トライアルアンドエラーを繰り返す時期なのだ。運が良ければ、来季以降のクラブの運営体制はもう整ったかもしれない。だがあるいは、こちらの方が可能性が高いと思うが、うまく機能する体制を見つけるまでに我々は何人かのコモリやロイ・ホジソンやフランコ・場ルディーニ、ティム・シャーウッドさえ経由しなくてはならないのかもしれない。

(Source:
https://arseblog.com/2019/06/trial-and-error/ )