アーセナル 20/21 シーズンプレビュー by StatsBomb 後編 +トーマス・パーティの獲得に物申す
前編・中編はこちらから!今回は結論+トーマス・パーティの獲得に物申す!編です。
結論
もしあなたが楽観主義者なら、FA杯の優勝とビッグゲームでアーセナルが結果を残しているのはポジティブなサインだと考えるだろう。また、選手の違いはあるため慎重になる必要はあるが、ペップがシティで築いたような守備のシステムをアルテタも築けると思うかもしれない。
だが、もしあなたが悲観主義者なら、エメリ時代に引き続きアルテタアーセナルも平凡なスタッツしか残せておらず、数字で見る限り2016年以降アーセナルは下降を続けるばかりで何も改善の兆しは見えていない、と指摘するだろう。
また、アーセナルの上層部を巡るごたごたも、クラブが不調を脱する準備が整ったとは言えない証だと捉えるかもしれない。
私自身の意見を言わせてもらえるのであれば、どちらかというと楽観的な気持ちではいる。アーセナルの試合結果を見るに、エメリ時代よりも良いプロセスが進行中だと感じさせるし、プレイするところを実際に目で見ていて、今のチームは戦術を遂行する能力があると思うからだ。
今季トップ4に挑戦できるところ前行けるかどうかは若干運しだいのようなところもある(特にチェルシーの補強を見た後では)が、戦術的な決断をよりうまくやれば、トップ6入りの可能性は大いにあるだろう。
後書きに代えて: トーマス・パーティの獲得について
私がこのセクションを一番最後に持ってきたのは、この説明は分量が多くなりそうで、プレビュー自体とは分けて書きたかったからだ。
私は6月から一貫してアーセナルはたとえフリーだったとしてもトーマス・パーティを獲得すべきではないといい続けてきた。
彼はもう27歳で、高額の契約を彼にオファーするのは大きなリスクとなりうる。
チーム作りという観点から言えば、巨額の給与を支払って再売却が難しそうな年齢の選手を獲得するのは良い考えではない。
もちろんたまにはうまくいくこともある。オーバメヤンがその珍しい例のうちの一人だが、それでも、例えばオーバメヤンの移籍金が70m£だったらこれは良い獲得だといえただろうか?
とにかく、オーバメヤンはレアなケースで、ほとんどの場合こういった獲得は上手くいかないことが多く、もしこういった獲得が失敗すると、クラブは衰えていく高給の選手を抱え、彼らを放出するのは不可能になる。
(この例は、数えきれないほどあるが、いつも私が思い浮かべるのは数年前までのマンチェスター・シティだ。フェルナンジーニョこそ良い獲得となったものの、ナバス、ネグレド、ボニー、ノリートといった選手たちはまったくで、彼らがより若いサイドバックをチームにおいておけなかったせいでペップの1シーズン目にシティはタイトルを獲得できなかった。)
そして、年齢、給与、チームの編成の方針を脇に置いたとしても、データで見るに、パーティ獲得に興奮する理由は全く見当たらない。
もちろんスタッツが全てではないが、もしクラブが大枚を叩くのであれば、スカウティングとデータ両面から見て素晴らしい獲得が望ましい。
パーティのスタッツは50mを支払い高額の給与で5年給与を結ぶ選手に相応しいとは言えない。
“でも彼はバルセロナ相手に素晴らしかったぞ!"
ではなぜラリーガで彼は昨シーズン他チーム相手に同じような活躍を見せられなかったのだ?
“アトレティコは戦術的に他とは違い、彼のスタッツは他のクラブでも同じようなものになるとは限らない"
それは確かにその通りかもしれないが、パーティは2015年以来ずっとアトレティコでしかプレイしておらず、我々はアトレティコでの成績から彼を判断するしかない。
もしパーティがアトレティコでの姿とは違った姿を見せるかもしれないというのであれば、それは獲得が間違ったものになる可能性を増すだけだ。
“彼は素晴らしい守備力を持っている!"
しかしスタッツにはその守備力は現れていない。
“彼は守備的MFではない!ボックストゥボックス型の選手で、ボールの扱いが素晴らしいんだ!"
そうかもしれない。 だが彼は多くの得点を決めたりアシストをするわけではない。それならば、我々は何のために大金を支払うのだ?
選手獲得というのはリスクを正確に評価し、それを最低限に抑えることが必要不可欠だ。出来るだけポジティブなサプライズの可能性は残しつつ、大失敗に終わる可能性をゼロに近づける必要がある。
リバプールは選手獲得におけるミスを最近ほとんど犯していない。だからこそ彼らは4年前には8位だったにも拘らず今の位置にいるのだ。
若手の獲得であれば、彼らがアーセナルでうまくハマらなかったとしても、もう一度売却すれば、損失は少しに抑えられる。ルーカス・トレイラのように。
だが、より年齢のいった選手の高給での獲得が上手くいかなければ袋小路だ。彼らの給与の多くをクラブ側で負担して無理やり移籍させるか、契約が切れるまで待つことしかできない。
私のアーセナルの移籍戦略への意見はここ数年ずっと変わっていない。アーセナルは4位とCL出場権を目指してチーム作りを行うべきではない。
数年かかってもいいから、リーグ優勝を狙えるチーム作りを目指すべきだ。そして、そのためには27歳や28歳ばかりを獲得するのはいいアイディアではない。
21-24歳位の年齢の選手の獲得にリスクをかけ、チームを強化しながら、スカウティングチームの分析が正しいことを願いながら、彼らがワールドクラスの選手に成長させるのがその方法だ。
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トーマス・パーティの選手紹介記事はこちら
ディスカッション
コメント一覧
この種の検討は同じタイプのプレイヤーと比較してとか、所属選手のうち同じタイプのプレイヤーと比較でないとあまり説得力がない気がします‥
パーティーがジャカやトレイラとあまり能力が変わらないからという理由ならパーティーの獲得が無意味というのはわかりますが‥
最も27歳の選手の長期契約には疑問も感じますが、オーバもやたら高い給料で契約しましたし、エジルの二の舞にならないかが心配です