アーセナルの次のステップ

分析Tim Stillman,海外記事

水曜日にアーセナルはエティハドスタジアムで容赦なく引き裂かれた。

マンチェスター・シティが現在ヨーロッパ最強のチームであることは疑いの余地がなく、彼らは今季トレブルを達成することかもしれない。

彼らには莫大なリソースがある。既に何度か紹介しているが、もう一度クロップがドルトムント時代にバイエルンと戦うことの難しさについて残した『我々は弓矢で戦っているのだ。きちんとうまく狙えれば結果を残すことも出来るが、バイエルンはバズーカを持っている』というコメントを紹介しよう。

今のシティは実質的にはバイエルン・ミュンヘンと同じ立ち位置にあり、リバプールが辛うじて何度かシティとやりあうことには成功したが、長続きはしなかった。

恐らく我々は、継続してシティをプレミアリーグで脅かし続けることはほぼ不可能に近いと認める必要があるだろう。

だが、それはアーセナルもわかっており、彼らも目指さなくてはならないレベルは認識しているはずだ。

では、クラブは手にしている弓矢を今後どのように有効活用すべきなのだろうか。

夏の市場に関して言えば、まずスタメンを眺める事から始めるべきだろう。ジャカとパーティの年齢もあり、中盤の補強が最優先であるのは間違いなさそうだ。デクラン・ライスへの興味は筋が通っていると同時にエキサイティングだ。

中盤でルーズボールを拾うことで守備の助けになりつつも、それを即座に前のチームメイトに預けることが出来る。

ライスもまた、ボール奪取力に長け、ボールを前に運ぶ力も高いため、今のパーティの役割をこなすのにぴったりだ。

もしアーセナルがこの獲得を実現できれば素晴らしいものになることだろう。

また、アーセナルがラフィーニャとムドリクの獲得に動いていたことからも、アルテタが彼らのようなタイプのウイングをもう一人望んでいることがわかる。確かに、今季のチームのマルティネッリとサカへの依存度は高い。

だが同時に重要となるのは、ファーストイレブンに食い込むことが出来ない選手のレベルを高めることだろう。今季アーセナルは実質的にカラバオ杯、FA杯、ELを諦めることになった。

このような現実を見据えたアプローチは悪く無いと思うが、これを毎年続けるわけにはいかない。来季はCLが控えており、CLでは大幅にメンバーを落として起用するわけにはいかないし、今季の結果を考えれば、来季も少なくともタイトル争いにトライすることになるだろう。

そのためには、もう何人か今のチームで言う所のトロサールや冨安、ジョルジーニョのような選手が必要だ。

今季はサリバと冨安が同時に怪我をしてしまったことで、チームの戦力がそがれてしまった。

今季のアーセナルには15,16人程度ファーストチームの他の選手と遜色がない主力と言える選手がいたが、この夏にはそれを18-20人にまで増やす必要がある。

そのためには、ティアニーやスミスロウといった、良い選手だったが監督の信頼を失っている、あるいは現状のシステムにフィットしない選手の入れ替えが必要となるかもしれない。

よりアルテタが信頼できる選手の数が増えれば、アーセナルは戦術的にも次のステップへと進めるはずだ。

今のマンチェスター・シティは対戦相手に応じて選手のポジションを調整し、相手の弱点を的確につくことが出来る。

今季アーセナルはアーセナルのサッカーの形を見つけ出した。

メンバーを固定し、同じやり方を貫くのはシーズン前半は非常に機能したが、今季の後半は対戦相手が少しずつ対策に気付き始め、加えて、カギとなる選手を何人か欠いたことで、それはより明確になってしまった。

これを解消するためにはもう何人かのオプションが必要だろう。ジェズス不在時にアーセナルの攻撃が停滞しかけたのを救ったのはトロサールの器用だった。

だがもちろん『トロサールのような選手をもう何人か獲得する』というのは言うは易く行うは難し、というやつで、これにはかなりコストがかかるはずで、だからこそ売却も重要となる。

個人的にはもう何年かシティの時代は続くだろうし、それを打ち破って優勝するのは向こう3-5年程度は難しいのではないかと感じてしまうが、アーセナルのようなクラブはそのように考えるわけにはいかないだろう。

水曜日の試合で、クラブと監督にとって、マンチェスター・シティとよりコンスタントに戦い続けるために何が必要なのかは明確となった。

来季はアーセナルを取り巻く空気も少し変わるだろうという点も留意する必要がある。来季は喜ばしいサプライズというよりも、再びタイトル争いを演じることをある程度期待されるはずだ。

だがもちろん、それはアルテタも承知のはずで、アーセナルがそのためにどのような準備を行うのかは非常に楽しみだ。

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Posted by gern3137