アーセナルの躍進を支えるスマートな補強戦略 前編

分析Tim Stillman,海外記事

チェルシーとマンチェスター・シティが無限の投資と共にプレミアリーグに現れて以来、アーセナルが彼らと渡り合うためには、マーケットで賢く立ち回る必要があるのは明らかだった。

同じような状況下にあったボルシア・ドルトムントで当時監督を務めていたユルゲン・クロップはバイエルンをバズーカに、ドルトムントを弓矢に例えていた。

我々の手元には弓矢があり、上手く狙えば、標的に当てることが出来る。だが問題は、バイエルンはバズーカ砲を持っているということだよ。彼らの方が標的を狙うのは遥かに簡単だ。

この後にクロップは、プレミアリーグでも似たような状況に遭遇することになった。しかも、イングランドではチェルシーとマンチェスター・シティの2クラブがバズーカ砲を持っており、彼らに加えてマンチェスター・ユナイテッドも榴弾砲を保持している(我々とクロップにとってはラッキーなことに、彼らは9年間、これで自らの顔面を狙い続けているが)。

リバプールの選手獲得戦略

クロップのリバプールでの成功は、世界トップレベルのコーチングだけではなく、世界トップレベルの選手獲得戦略のなせる業だ。リバプールの選手発掘力は最高レベルにある。

安価な移籍金で獲得できるタレントを見出すだけではなく、それなりの移籍金を支払って獲得した選手もリバプールでは成功を収めることが多い。

当初はサラーやマネの獲得にリバプールは移籍金を支払いすぎだという意見もあり、特に競合も現れなかった。同じように、アリソンやファンダイクも能力に疑いはないが移籍金が高すぎるという評判だったが、今となっては彼らは皆バーゲンに感じられる。

より最近では、ジョタの獲得も、悪くない選手獲得程度に見られていたが、今や多くのクラブが彼の獲得に乗り出さなかったことを後悔しているに違いない。

リバプールはアーセナルにとって、億万長者や国家の富に対して世界の舞台で戦うべきかの良い例だ。選手獲得に関して、アーセナルがそのポテンシャルを最大限発揮するには、3つ採用できる方針がある。

①過小評価されている選手を見つける

その一つ目が、既にある程度知られているが、他のクラブが移籍金を支払うのをためらうような選手の獲得に関してより決断力を持って行動することだ

リバプールがサディオ・マネを獲得する前に、多くの他のプレミアリーグクラブもサウサンプトン時代の彼を見て、獲得を検討したはずだ。

だが、34m£というサウサンプトン側の要求額を支払うことを決めたのはリバプールのみで、確かにこの時点ではかなりリスクが高いように思われた。しかし、今となってはマネの移籍金がこの3倍でも不思議はないくらいの活躍を彼は見せている。

そして、今季のアーセナルの躍進を支えているのは同種の獲得方針の成功だ。

2020年夏のパーティとガブリエルの獲得はとても良いものだったし(この夏にはウィリアンの獲得を行ったが)、昨夏は最近のアーセナル史上最も成功した移籍市場だったと言える。

ラムズデール、ホワイト、冨安、ウーデゴールの4人は即座にチームのレベルを引き上げた。

タヴァレスとロコンガの獲得も低リスクのギャンブルで、勝算はそれなりにあるように見える。

特に、ホワイトとラムズデールの獲得はアーセナルがクラブの才能発掘力に自信を持っている証明だと言っていいだろう。

二人ともイングランドでのプレイ経験が豊富で、既に名の知られた選手だったが、移籍金の高さに他のクラブはためらっていた。アーセナルがそれぞれホワイトに50m£、シェフィールドユナイテッドに30m£を支払うことを決めた際にもかなり疑念の声は上がった。

だが、今季の彼ら二人の活躍を見るに、この時獲得をためらったライバルクラブのうちで、この要求額を支払わなかったことを後悔している所もあるだろう(数年後に我々がウィリアム・サリバの獲得に関しても同じように感じていることを願おう)。

(後編に続きます)

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Posted by gern3137