アーセナルのキャプテンに関して 後編

分析Tim Stillman,海外記事

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そして、理想的にはリーダーシップというのはシェアされるべきものでもある。

パトリック・ヴィエラは歴史上もっとも偉大なガナーズを束ねたキャプテンとして記憶に残っているが、当時チームに居たのはベルカンプ、アンリ、コール、ローレン、ジウベウト、レーマン、ピレス、パーラーといった選手たちで、彼らがキャプテンからの細かな指示を必要としていたとは思えない。

そもそもトニー・アダムズのようなタイプのキャプテンは何十年かに一度しか現れない人材であり、リーダーシップを分かち合うことの重要性はさらに重要となっている(アダムズですら、隣にはディクソンやウィンターバーン、キーオンやシーマンがおり、彼らも特にキャプテンに士気を高めてもらう必要などはなかっただろう)。

逆に、キャプテンシーが問題となるのはむしろ選択を間違えてしまった時だ。ギャラスがその良い例だろう。選手の中にはキャプテンになることでプレッシャーを感じてしまい、振舞を変えてしまうものもいる。ギャラスは概ね悪くないDFだったし、リーダーのようにふるまわなくてよい時のパフォーマンスの方がはるかによかった。

したがって、監督は正しいキャプテンを選択するためというよりも、誤った人物に渡さないために注意深くこの問題を考える必要がある。少なくとも、アダムズの様なキャプテンが選べなかったとしても、キャプテンの座が途中で空白になってしまうような事態は避けたいものだ(アーセナルはノリッジとリーズ、マンチェスター・シティ相手に良いパフォーマンスを見せるのに忙しかったため、そこまで空白期間は話題にはならなかったが)。

私個人としては、キャプテンは、チームを反映するべきだと思う。

例えばだが、今の若いチームはベテラン選手をキャプテンに任命して率いさせるべきだという意見には賛成ではない。アーセナルのキャプテンは今のチームを代表するような選手であるべきで、チームの平均年齢よりはるかに高い選手にキャプテンマークを与えるのは機能しないのではないだろうか。

アンリやオーバメヤンはキャプテンとして、悪かったわけではないが、チームを体現していたとは言えなかった。

セスク・ファブレガスはチェルシーやバルセロナ、スペイン代表のいずれにおいてもキャプテンは務めておらず、これらのチームではリーダーとはみなされていなかった。

それにもかかわらずアーセナルで彼が良いリーダーとなれたのは、当時のチームを象徴しており、プロジェクトユースのトップに立つ存在だったからだ。

この時のアーセナルのチームにとっては自然とファブレガスがリーダーとなっており、次のキャプテンを選ぶ上でこれはアルテタもか考慮するべき要素だろう。

ブレントフォード戦後にアルテタはマルティン・ウーデゴールのキャプテン適正を評価するコメントを出していたが、確かに彼をキャプテンに任命するのは理にかなっているように思える。同じように、チームの背骨であるベン・ホワイトでも良いだろう。今季の彼には成長が見える。

一方でアーセナルはチームにとって既に非常に重要な存在であるサカあるいはスミスロウ(彼らも任命されればよいキャプテンにはなると思うが)にさらなる重荷を課したいとは思っていないだろう。

ラムズデールもきっと良いキャプテンになるはずだ。GKがキャプテンになるべきではないという意見があるのもわかるが、スペインがユーロとワールドカップの3連覇を成し遂げた2008年から2012年の期間中キャプテンを務めていたのはイケル・カシージャスだった。

最も重要なのはアーセナルがチーム全体、特にチームの中心であるGK、CB、中盤、前線というラインにリーダーシップのある選手を揃えることで、実際にチームにはラムズデール、ホワイト、ガブリエル、ウーデゴール、といった選手でそれを成し遂げている。このうちの誰がキャプテンになっても問題はないはずだ。

多くのアーセナルファンはティアニーのキャプテン就任を望んでおり、個人的には今の所彼の備えたクオリティはリーダーシップとはまた少し異なるように見えなくもないが、ティアニーもまた悪いチョイスではないだろう。

アーセナルにとっては、ライバルクラブへの移籍を煽らず、常に監督をいらだたせず、キャプテンマークを投げ捨ててファンを侮辱することがく、そして、継続的に試合に出場できる選手であればキャプテンとしては悪くない、ということになる。

アルテタは少々未来のことを考える必要があるだろうが、ここまで彼がクラブに呼んだ選手は基本的に皆落ち着きがあるハードワーカータイプという共通点がある。

そういった意味ではアーセナルは数人のスーパースターがその実力でチームを上のレベルに引き上げるスターモデルから移行したと言える。

キャプテンを務められる人材がこれほど多く集まっているという点については、アルテタとエドゥは称賛されるべきで、彼らのうちだれがキャプテンを務めても問題はないだろう。

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本日のニュースレターはアーセナルの直近の新戦力について振り返っています!

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Posted by gern3137