アルテタがアーセナルの監督に相応しいと示すために答えを見つけなければならない3つの問い 後編
前編はこちら:
出場機会の減少していた選手たちを再びチームに組み込めるか?
エンケティアやメイトランド=ナイルズ、コラシナツといった選手たちの放出に失敗したことで、アーセナルの金銭面での負荷は大きくなったが、これは監督にとっての負担でもある。
メイトランド=ナイルズは既にインスタグラムで自身のフラストレーションを投稿し始めてしまっている。
もちろん彼がこのようなことをするべきではなかったのに疑いの余地はないが、こういった行為はロンドンコルニーの空気を悪くしてしまう。
アルテタは現役時代には高評価だったかなり強硬ともいえるアプローチでマネージメントに臨んでいるが、結果としてこのアプローチで結果を出せていない。
冬の時点でアルテタは満足していない選手の放出が進んだことで空気感が変わったとコメントしていたが、今の時点でアーセナルはまだまだ肥大したスカッドを抱えている。今季に関しては欧州コンペティションもなく、さらに選手の出場機会は減るだろう。
(もちろんこれは、マンチェスター・シティ戦アウェイのような試合でコラシナツを左CBに起用して大敗するのを良しとしないのであれば、という前提の上でではある)
エンケティアとナイルズは二人とも若く、出場機会を求めているが、彼らが今季落胆することになるであろうことは目に見えている。
問題は、こういった状況はアルテタがどれくらい効果的にマネージメントできるかだ。
アルテタ流の"チームに100%尽くせない選手は切り捨てる"タイプのアプローチは、去就や契約状況があやふやではない選手がチームにいないという状況でのみ機能するものだ。
既にアーセナルは何人かそういった選手を抱えているし、ここにエルネニーやラカゼット、レノといった契約切れあるいは退団が濃厚な選手もいる。
アルテタによって干された選手たちはかなり悪感情を抱いていたようで、結果としてアーセナルは彼らに残給与を支払うような形で契約を解除して放出しなくてはならなくなった。
アーセナルユース育ちのベジェリンのような選手がアーセナル退団を懇願するような状況というのは何かが上手くいっていないということを示している。
この点で、アルテタは少しアプローチを見直す必要があるだろう。アルテタはプレイ機会の少ない選手を切り捨て続け、彼らがチームの一員でないように感じているままに放っておくわけにはいかない。そのようなことをすれば、単に自身の仕事を難しくしてしまうだけだ。
アルテタは攻撃陣を活性化できるか?
昨季アーセナルがプレミアリーグで55ゴールしか決められなかったにもかかわらず、この夏アーセナルが守備陣の大型補強に踏み切ったというのは多く指摘されていることではある。
しかし、これに関してはアーセナルは既にチームに実力が証明されているゴールスコアラーを抱えているのだ。
ペナルティエリア内でのゴールの嗅覚に関してはオーバメヤンはトップレベルだし、ラカゼットもペペもかなり良い水準の得点力を持っている。ここにマルティネッリはスミスロウ、サカといった選手たちもファイナルサードでより貢献できるだろう。
私が思うに、昨季のアーセナルのより大きな問題は人員ではなくいかにしてボールを危険なエリアに運ぶかだった。
恐らくアルテタも似た考えを抱いていたに違いない。幸運なことに私はこの結論にたどり着いてそれで終わりで大丈夫なのだが、アルテタは毎日練習場でその解決に取り組まなくてはならない。
ここを改善しないことにはアーセナルが満足なシーズンを送るのは全く望めないだろう。この夏で必要な選手はある程度揃っているように思われ、後は機能させるだけだ。
チャンス創出数を増やすことがチームの最重要課題で、オーバメヤンの40m後ろでチームがボールを回しているような状況が続けば、今季も良い順位は見込めない。
更に彼はキャプテンでもあり、オーバメヤンが得点できない状況でアーセナルがリーグ上位に返り咲くという姿はイメージできない。
アルテタが望む攻撃のためのプラットフォームは既に揃っているといって良く、彼らがボールを前に届け、そして前線の選手たちが結果を出さなくてはならない。もしこの前と後ろの連携をうまく構築することが出来なければアルテタはアーセナル監督の座を退かなくてはならないだろう。
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