アーセナルには得点源のバリエーションを増やすことが不可欠だ 後編

分析Tim Stillman,海外記事

前編はこちら:

前線をペペ、オーバメヤン、マルティネッリという組み合わせにしてしまうと、彼ら3人は決定力はあるものの、そもそもチャンスを作り出す上での技術面での安定性が不足してしまう。

恐らく理想的には、前線4人のうち2人はサカ、スミスロウ、ウーデゴール(あるいは謎の新加入選手)という組み合わせが望ましいはずだ。

だからこそ、スミスロウとサカが来季より多くの得点を挙げることが非常に重要になってくる(そして、既にこの2人はそれが出来るという兆しを見せ始めていると思う)。

アルテタはマンチェスターシティ時代にラヒーム・スターリングとリロイ・サネの成長を手助けするのに非常に重要役割を担ったらしい。

そういった意味では、彼にとってペペはとても興味深いプロジェクトのはずだ。

彼は昨季の終盤にかけて明らかに改善が見られた。だが一方で、その前のデビューシーズンにもペペは改善傾向にあったが、その後ウィリアンが獲得された。

競争が生まれた結果、ペペが更なる成長を遂げたのか、それとも、ウィリアン獲得により出場機会が減りペペの成長はスローダウンしたのかは議論の余地があるところだ。

明らかに、ウィリアンはペペの控えとして彼を刺激するためだけに連れてこられ、3年契約を結んだわけではなかったはずだ。当初のプランがどういうものだったにせよ、現状右ウイング候補としてはペペがウィリアンより明らかに序列が上の状態となっている。

もちろん、ウィリアンよりスタメン争いの序列で上に立つのは難しいことではないはずだが、私が薄々感じているのは、今もまだアルテタはどちらかというと自身がイメージするチームの構造に当てはまるタイプの選手の方がペペより好ましいと考えているのではないか、という点だ。

問題は、そのような選手が存在するとしても、恐らくアーセナルにそのような選手を獲得する予算はないという事だ。

だが、少し監督の理想からは外れる選手をどう使うか、という問いはアーセナルの監督である以上は逃れられないものだ。

オーバメヤンの得点以外の貢献の少なさをどう補いつつ、彼にチャンスを作り出す仕組みを作るべきか?というのが良い例だ。

もしオーバメヤンが得点力だけではなく、守備力がありポストプレイも高い水準でこなせる選手であれば、今頃アーセナルにはいないはずだ。

さて、ではアルテタは、総合力という意味では若干不安定な部分もあるペペをチームに組み込み、彼の得点力とアシストをキープするにはどうすべきだろうか?

個人的には、私はスミスロウをより前の8番として起用する4-3-3への移行に反対ではない。この形であれば、ウィロックをローテーション要員あるいは控えとして置いておくことも出来るはずだ。

チームの得点を増やすにあたって、途中交代の選手の得点というのは重要な考慮すべき点で、試合を支配するチームというのは交代で出場させることができる選手を備えているもので、もしかすると来季マルティネッリがペペとオーバメヤンとローテーションしながらプレイするだけでなく、この役割を担うかもしれない。

私は以前からずっと言っているし、今後も実際のところアーセン・ベンゲルは交代が上手い監督だった、という意見を貫くつもりだが、それは彼が交代というものをを過度に複雑にとらえなかったからだ。

彼は時間が迫っている中での試合展開の重要性を理解しており『とりあえずストライカーを投入して誰でもいいからサイドバックに置いておこう』という交代策は機能することも多かった。

シンプルに攻撃陣の数を増やすだけの交代でも、うまくいくことは多いし、ベンゲル時代の優れたチームの特徴として、ベンチから出場した選手の得点があった。

ここまでのところ、アルテタのアーセナルにおいて、そのような形はあまり多くなく、恐らくそれは彼が試合中にチームの構造を変化させることに乗り気でないからだろう。

アーセナルの来季の最重要課題は、攻撃で相手にプレッシャーをかけ続ける時間を増やし、より多くのチャンスを作り出すことだ。

20/21シーズン、なんと2得点しか挙げていないエンケティアがアーセナルの得点ランキング5位の選手だった。2点以上上げた選手は8人しかおらず、10点を挙げたのは3人だけで、彼らも2桁得点とはいえ10点台前半の得点数だった。

来季これは大いに改善されなくてはならない。そのための武器はアルテタにはすでに揃っており、これらを彼がどう生かすのか、というのは簡単ではないだろうが、同時に非常に興味深い点だ。

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Posted by gern3137