独断と偏見によるアーセナルの移籍市場予想 去就編その2

分析

去就編その1はこちら:

ゲンドゥージ: 移籍

残り契約が一年、どうやらアルテタのプラン外、しかも興味を示すクラブもあると3つの条件が揃ってしまっているので移籍は確定的だろう。

問題は移籍金がいくらになるかだが、報道ではマルセイユが8mユーロでのオファーを出しているがアーセナルはその2倍以上を要求しているとのこと。12-15m€程度で決着するのではないか、という話もある。

かつての評価を考えると報道されているかなり安く感じられるが、とはいえ最近の実績と残り契約を考えると致し方なし、といったところだろうか。

トレイラ: 移籍

こちらもどうやらアルテタからはあまり高く評価されていないようだ。現在のアーセナルのCMF事情を考えると戦力的には控えとして残留というのもなくはないはずだが、ここまでの流れを見るにトレイラの移籍への決意は固そうだ。

家族の兼ね合いもあり、恐らく本人の希望は南米への帰還のようだが、例えば噂に出ているボカ・ジュニアーズにアーセナルが納得するような移籍金を払えるとも思えないので、契約もまだ2年残っていることだし、現実的なのはスペインあるいはセリエAなどだろうか。

どちらにせよ、そこまで資金が潤沢なクラブからオファーが届く可能性は低そうで、とはいえ本人が残りたくないとしたら、監督もそこまで高評価しているわけではない選手をイングランドに残しても、という感じで、アーセナルが妥協しての大バーゲンでの放出、という可能性が最も高そうだ。

ただし、先日移籍市場に最も精通するジャーナリスト言っても過言ではないファブリツィオ・ロマーノ氏がジャカ・ゲンドゥージは移籍が確定的と言っていたので、ここにトレイラが含まれていないという事は、この二人ほど話は進んでいないという事なのかもしれない。

ジャカ: 移籍

アーセナルにとって必要な選手であるのは間違いないが、にもかかわらず移籍が濃厚となっているのがジャカだ。ローマに15-20m€程度での移籍が近づいていると報道されている。

arseblog氏の記事にもあったとおり、これは安いといえば安いが、現在の相場、買い手がイタリアのクラブであることを考えると現実的なラインだろう。ローマが出すのが17-18m€とすれば、恐らくプレミアリーグクラブへの移籍に換算すれば25m€程度相当位の換算になるのかな、という感じで、残り契約二年で29歳、アーセナルの中盤の中心とはいえそこまで圧巻のパフォーマンスを見せられたわけではない、という事を考えると極端に安すぎるという事はないような気がする。

Transfermarkt上の市場価値も22m€となっており、そこまで大きくかけ離れてはいない。

こんなに多くのMFを総とっかえしてしまって本当に大丈夫なのか?というのは若干疑問の余地があるが、とはいえ移籍するかどうかの予想、という意味では移籍の可能性がかなり高そうだ。

エルネニー: 残留

MFの総とっかえ、という意味では来期末で契約満了となってもおかしくないのがこちらのエルネニーだが、個人的にはエルネニーは残留するのではないかと予想する。

まずそもそも放出候補のMFが多すぎて、彼らを全員放出して3人MFを獲得する、というのは現実的ではないだろう、というのと、恐らくだがエルネニーは仮に売却となったとしてもそこまで移籍金はつかないと思われるので,アーセナルにとってフリーの放出となってもそこまでデメリットは大きくないからだ。

加入してから5年半が経っており、入れ替わりの最近のアーセナルの選手としてはかなりの古株の部類に入りつつあり、アーセン・ベンゲルの時代、そして選手時代のアルテタを知る数少ない選手の一人でもある。

SNS上の投稿を見る限り、本人は出来ることであればアーセナルに残りたいと考えているようだし、先発で起用するには少々物足りないかもしれないが、第4MFあたりとしての控えの役割を本人が納得してこなしてくれるのであれば、残留させるべきだろう。

唯一移籍がある可能性があるとすれば、アルテタがアズィースあるいはコトレル、シルジャンらユースの有望選手を控えMFに登用するに足るだけの実力があると判断し、昇格させることを決めた場合だろうか。

ただどちらかという彼らは全員もう少し攻撃的な選手というイメージなので、どちらにせよエルネニーの居場所はあるような気がする。

ウィロック: ???

前回の記事から引き続いて???の登場だが、ウィロックに関しては正直予想がつかない。結果的にローンに出ることにはなったものの、アルテタ時代の前半はそれなりに評価を得ているようだったので、現時点でアルテタがウィロックについてどのような判断をしているのか推察するのは難しい。

そして、ニューカッスルでも出色の実績を残したので、問題はスタイル的にアルテタが自分のプランにフィットすると判断するかどうか、だろう。

こちらの記事にある通り、得点力とボールを持ちあがる能力をはじめとして、素晴らしい選手であることは間違いないが、かなり能力的にピーキーで、起用できるポジションが限られてくる選手でもある。

またもう一つ考慮すべきは、ナイルズと同じく若手イングランド人でプレミアリーグの実績豊富と移籍金が吊り上がる要素は揃っているという点だ。

現チームにないものをもたらしてくれる選手なので一度ファーストチームに戻してチャンスを与えるべきだ、という意見にも一理あるように感じるし、一方で恐らく今がウィロックのキャリアにおいて最も移籍金が高い時期なのではないか、という考えももっともで、悩ましい。

個人的には中盤ではなく右サイドでなら出番があるのではないか?という気がしなくもないが、サカ・ペペと右サイドは人員が揃っているのでやはり難しいかもしれない。

ウィリアン: ???

右サイドと言えばウィリアンで、普通に考えれば去年即戦力として鳴り物入りで獲得されてきた高給のベテラン選手が翌年即移籍、というのは限りなく可能性は低いのだが、どうやら報道を見る限りアーセナルウィリアン双方共に移籍が最良の選択肢ではないかと感じているようだ。

実際に、昨季の終盤はウィリアンの出場機会はかなり限られていたし、ロマーノ氏もウィリアンはアーセナルを移籍することになりそうだ、と報じている。

問題はウィリアン獲得に向けて移籍金、そしてウィリアンが現状得ているのと同水準の給与を支払うつもりがあるクラブが現れるか?という点で、仮に移籍するとしても多くの移籍金が見込める、という事はないだろう。とはいえ、現状右サイドはサカ&ペペで人員が揃っているし、この二人は左でもプレイでき、さらにオーバメヤンとマルティネッリ、何ならスミスロウもいるので、仮に移籍金が得られなかったとしても、今後2年分のウィリアンの給与を支払わなくてよいのであれば、アーセナルとしては良い取引になるのではないだろうか。

ラカゼット: 移籍

さて、この辺りは議論の余地がある、というかアーセナルは放出するべきなのか、という話とは別に、予想に関しても意見の分かれるところになってくるとは思うが、個人的にはラカゼットはこの夏移籍するのではないか、と予想する。

理由はシンプルで、残り契約が1年となっているからだ。

どうやらまだ契約延長交渉は行われていないようだし、であれば、21/22シーズンの戦力低下になるのは否めないが、この夏売却してマルティネッリやバロガンに賭ける、というのが自然な対応に感じられなくもない。もちろん、ギャンブルではあるが、かつてのアーセナルはこの手のギャンブルはお手の物だった。

何度かアルテタもラカゼットとの契約延長について聞かれていたが、お茶を濁すような回答というか、夏に判断する、の一点張りだったし、そもそも残り契約が1年になるまで契約延長交渉を始めないという時点で、選択肢に放出は入っている、という事を意味しているだろう

もちろん、若手頼みではなく代役のストライカーを獲得して、バロガンをローンへ、というのも視野に入ってくるかもしれない。一応直近であればアレクサンダー・イサクに興味を示しているという噂も出ていた(ただし彼はかなり高額になりそうなので、アーセナルがその資金をどこから捻出するつもりなのか定かではないが)

ラカゼットとの契約延長をすればそれはそれでギャンブルになりうるし、フリーで来季放出するのはあまりに痛い。

一瞬だけアーセナルはラカゼットに1年の契約延長をオファーするのではないか、という噂もあったが、結局1年後に同じ状況に陥るだけなのであれば、クラブとしても何をやっているかわからないし、そもそもラカゼット側としてもフリー移籍の方が契約ボーナスなど選手の待遇は遥かに良くなるはずで、選手側に1年の契約延長に応じる理由は全く見当たらない。

もちろんまだ具体的な移籍の話が進んでいるわけではないのでどうなるかはわからないが、今後の動向を見守りたい。もし何か動きがあるとしても移籍市場終盤にはなりそうだ。

エンケティア: 移籍

それが良いとか悪いとか、そういう意味ではないのだが、個人的にアルテタに関する少し面白いというか奇妙な点に、シーズン途中で選手の評価が激変する、というのがある。

あまり評価されていないように見えたセバージョスやペペといった選手が突然出番を与えらえられるというケースもあれば、一度はある程度評価されていたように見えたムスタフィ、セドリック、ウィリアン、ネルソン、ナイルズといった選手たちが突然ベンチにもいなくなってしまったり、という事がある。

その顕著な例がエンケティアで、一時はオーバメヤンとラカゼットを差し置いてストライカーとして起用されていた時期もあったが、最近はすっかり出場機会は減り、控えストライカーとしても序列はマルティネッリの下、となっている。

仮にラカゼットが移籍したとしてもバロガンと第3ストライカーの座を争う、という事になるのだろうが、それであれば残り契約も1年となっていることだし、移籍が自然流れだろう。プレミアリーグでの経験もそれなりにあり、点も決めているので、契約年数で足元を見られなければ15-20m程度、それなりの移籍金がついておかしくない選手のはずだ。

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Posted by gern3137