アーセナルの若手革命がエキサイティングなものになるとは限らない 後編

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(この記事は前編の続きとなっています。)

アーセナルは金銭的に追い込まれ、若手を活用する以外に方法がないぎりぎりのところまで来てしまった。ウナイ・エメリのデビューシーズンの失敗の一つが若手の育成に失敗したことで、これがユングベリがファーストチームで補佐することになった理由ではないかと私は思う。ELのグループステージとリーグカップは若手育成の良い機会になるだろう。

そして、現実的になろう、これは、ファーストチームで出番を得るには足りない選手たちに市場を作り出す機会でもあるのだ。

ジェフ・ルネ=アデレードは昨夏アーセナルから2Mで移籍したが、その後、そこそこのレベルのチームで一年間のファーストチームでの機会を得て、今や彼の移籍金は10倍になっている。アーセナルは、ファーストチームの穴を埋めるためだけではなく、予算をねん出するためにもアカデミーの選手たちが必要なのだ。そして、そのためには彼らが他クラブの目に留まる必要がある。

現在のチームの課題は多すぎ、恐らくそのうちのいくつかは1,2年後回しにされることになるだろう。ユース出身の若手が本当にトップチームでの活躍に値する能力を備えているのかどうかは、1,2年後に(願わくば)アーセナルがより余裕があり、課題の少ない時期に決めればよい。その方が、彼らをよい値段で売却するのは簡単なはずだ。

あくまで例えばの話だが、もし現時点でアーセナルがナイルズがチームには必要ないと判断して売却するとすれば、恐らくプレミアリーグのどこかのクラブが彼をそこそこの移籍金を支払って獲得することだろう。そして、恐らく出場機会は限られていたマヴロパノスでさえも、アーセナルが支払った2M以上の値はつくはずだ。

彼らのような若手がステップアップする道を開くことがエメリにとっての優先課題であり、上述の通りカップ戦がその舞台となるだろう。昨季、何人かの選手にとってのその道がスアレスの獲得によって閉ざされてしまった。今年は、アーセナルはより慎重に考える必要がある。

若手には競争や挑戦が必要なのは確かだが、同時に、彼らがチームの一員だと信じられるような環境を作らなければならない。なぜなら、皮肉なことに、今やプレミアリーグのユースチームの選手たちをヨーロッパじゅうのクラブが狙っているからだ。アミーチやジョン=ジュールズといった選手たちは恐らくアーセナルの外での将来を考え始めていることだろう。

もちろん、これは言うは易し行うは難し、というやつだ。恐らくエメリがアーセナルをCL出場圏に引き戻す挑戦の保証が与えられているのはあと一シーズンだけで、来季の結果如何で彼の将来も決まってくる。

そのような状況で若手を成長させるのは非常に困難だ。だが、それが今のアーセナルの現実なのだ。この期間中にアーセナルは手早く失敗し、そこから学ぶすべを会得しなければならない。

恐らくこれは、ファンが想像するようなエキサイティングなプロセスとはならないだろう。アーセン・ベンゲルが2017年のヨーロッパリーググループステージで若手を試した際には、しばしば機能不全で退屈なパフォーマンスをチームは見せていた。これは監督だけが向き合う挑戦ではなく、ファンの理解と忍耐力を試すものでもあるのだ。

恐らく雑草を何本か抜き、とげの痛みをこらえ、薬を少し散布する必要があるだろう。だが、現在のクラブの位置を考えれば、それはファンが引き受けなくてはならない重荷なのだ。若手の育成はその報酬は素晴らしいが、同時に非常に困難で、フラストレーションが伴うプロセスなのだ。

もちろんこれは、アーセナルが産湯から上がったばかりの赤ん坊を並べてアカデミー卒の選手主体のチームを作らなければならない、という意味ではない。

ガナーズが必要としているのは、スキルと忍耐によって作り上げることが出来る、ユースチームからトップチームへのルートだ。クラブの長期的なニーズとウナイ・エメリの短期的な目標のバランスをいかにとるかが来季のアーセナルの課題となるだろう。だが、これが見ていて愉快な戦いになるとは限らないことは肝に銘じておくべきだ。

(Source:
https://arseblog.com/2019/06/all-the-young-dudes-2/ )

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