来季のアルテタの3つの最優先課題

分析Tim Stillman,海外記事

すでに選手獲得など、移籍市場においてアルテタ、エドゥ、そしてリチャード・ガーリックが取り組まなくてはならない課題については多くを書いたので、今回はそれ以外、アルテタと現アーセナル所属の選手たちに焦点を当てたいと思う。

アルテタはプレシーズンに何を行うべきか?現時点でアーセナルに在籍している選手に関して、どの要素を優先すべきだろうか?

信頼できる副官の任命

数週間前に、特にエミレーツで最近のアーセナルは相手守備陣にプレッシャーをかけ続けることに苦戦しているという記事を書いたが、2020/21シーズンのアーセナルは時折良い場面を作れても、長時間にわたって試合を支配する、という時間が作れることがほとんどんかあった。

これは大部分はチームのバランスの問題だろうが、経験不足というのも一つのファクターだろう。

これは、必ずしも年齢の話ではなく、若い選手が多い、という意味ではない。チームにはガブリエルとパーティが夏に加わり、この二人は既に色々な経験を積んでいる選手だし、オーバメヤンも契約延長を行っている。

私が思うに、数字などで示せるものではないが、アーセナルはいわゆる"主力"が誰なのかわからない、という状態にある。

さらに正確に言うと、彼ら本来主力であるべき選手が今季上手くチームの中心になれなかった、という言い方も出来るだろうか。

ガブリエルはアーセナルの高額獲得選手で、マリやホールディングもいるが、本来彼が守備の中心となるべきだったはずだ(願わくばサリバもここに加わってくれることを)

ガブリエルは、アーセナルの守備陣が"自分自身の"ものだと感じる必要がある。同じように、トーマス・パーティも自身こそが中盤の中心なのだと思ってもらわなくてはならない。

チームにとって、上手くいかない時に彼らのような選手が立ち上がってくれることが重要なのだ。

恐らく来季はパーティとガブリエルはチームに慣れ、よりオーガニックな形でチームに対する責任を感じてくれるだおる。

彼らは本来非常に積極的な選手たちで、彼ら二人がよりアグレッシブにインターセプトなどにトライし、素早くチームを前に押し上げる所を見たいものだ。

今季はコロナの制約や無観客試合もあり、新加入選手にとってタフなシーズンとなった。制限は少しずつ緩くなりつつあり、ファンもスタジアムに帰ってきたことで、彼らはよりアルテタの副官のような役割を果たせるようになるだろう。

ルイスはクラブを去り、ベジェリンやラカゼットにも移籍の噂が出ている今、彼らこそがリーダーシップを発揮しなくてはならない選手だ。

オーバメヤンの力を最大限引き出す

オーバメヤンが近々アーセナルを去ることはない。

夏に彼を放出することも出来たはずだが、クラブは彼と巨額の契約延長を行うという決断を下した。それならば、彼らはこの決断をバックアップし、機能させなくてはならない。

もしオーバメヤンの活用方法についての明確なプランがないのであれば、このような大金を費やした重大な決断は下す前にもう少しよく考えるべきだった、ということになる。

とはいえ、もう決断は下され、アーセナルはベッドを整えたのだから、そこで横になるしかない。

今季のオーバメヤンの不調に関しては数多くの原因があり、そのいくつかは選手自身のせいではない。

母親と自分自身の健康問題や、アーセナルのチーム自体がチャンス創出力不足に陥ったのは大きな要因のはずだ。

もちろんオーバメヤン自身に全く責任がないというわけではなく、遅刻に関する問題は注目を集めた。

また同時にオーバメヤンはかなり気分に影響されやすい選手のようだ。外部からでも、彼の心の中で太陽が輝いているのか、それとも嵐雲が集まりつつあるのかは容易に見て取れる。

そして、今のオーバメヤンのムードはイギリスの夏のように真っ暗であるようだ。

アーセナルはこのままオーバメヤンの心をチームから離れさせるわけにはいかない(もちろんこれはオーバメヤン自身の責任でもある)。

昨夏アーセナルとオーバメヤンは相思相愛に見えた。そこから12か月がたち、今のところまだ皿の投げ合いは始まっていないものの、少し不穏な芽が出始めており、今のうちにこれを摘んでしまわなくてはならない。

アルテタにとってこれを解決するもっとも簡単な方法は、攻撃陣のバランスを整えることだろう。ウィリアンが外れ、スミスロウとウーデゴールがいた今季後半のチームの方が遥かにバランスが良かった。

万が一オーバメヤンとの契約延長の時点で明確なプランを用意していなかったとしたら、夏の間にメモ帳の裏にでも、何か書き始めなくてはならない。

マルティネッリにより多くの出場分数を与える

現時点でまだ、マルティネッリは技術面でスムーズな選手だとは言えない。今後の成長は必要だが、私はアルテタが彼の荒い部分を整えすぎないことを願っている。

何故なら、彼のこの粗削りな部分こそがマルティネッリのスタイルの鍵なのだから。

シンプルに言えば、マルティネッリはプレイの美しさとは関係なく、アーセナルのシュート数を増やすことが出来る。

現在のチームは相手守備陣にプレッシャーをかけ続けることが出来ていない、と書いたが、マルティネッリはその完ぺきな解決策なのだ。

攻撃には彼のような爆発力のある選手が必要だ。もちろんバランスは必要で、毎試合マルティネッリをスタメンさせるべきだ、という意味ではない。

例えば、オーバメヤン、マルティネッリ、ペペのような3トップはボールを持つ技術力という意味で懸念がある。

個人的には、まずペペとマルティネッリを交代で起用するような形がいいのではないかと思う。チームの戦術の型にあまりとらわれないが、ボールをゴールエリアに向かって進める力があるという意味で二人には共通するものがある。

昨季ウィリアンに費やされた出場時間はこの2人に与えられるべきだった。

もし何かの奇跡が起こり、アーセナルがウィリアンの放出に成功し、代わりに技術に優れたトップ下とウイングのハイブリッド、ブエンディアのような選手を獲得できるのであれば、よりバランスの取れた攻撃陣を構築できるだろう。

ペペとサイドでローテーションさせ、中央のポジションをオーバメヤンとローテーションさせるような形で出場機会を与えれば、アーセナルの将来を支えてくれる選手の成長に役立つはずだ。

そのためにも、ウーデゴールもしくは、ブエンディア、あるいはその他のもう一人のクリエイターをチームに呼ぶことが出来るかがカギとなる。

スミスロウやサカ、マルティネッリは年齢に関係なく既に活躍できるクオリティを備えた選手だが、彼らがまだ若いという事は、それだけ長くアーセナルでプレイできる可能性があるという事だ。将来を見据えたプロセスを今始めなくてはならない。

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Posted by gern3137