アーセナルの将来のFW陣について

分析Tim Stillman,海外記事

今季がミケル・アルテタにとってついに自身の望むチームを揃えられたシーズンだということは間違いない。夏に5人の選手を獲得し、彼ら全員が揃った9月以降は彼らはほとんどの試合で先発している(ウーデゴールだけは例外といっていいかもしれないが)。

タヴァレスとロコンガが先発の座を勝ち取っているのは他の選手の怪我の影響も大きいが、ベジェリン、セバージョス、トレイラ、ウィロック、ゲンドゥージ、ルイスといった選手たちが去った選手でガブリエルも絶対的なスタメンの座を勝ち取っている。

一方で、1年以内にクラブを去ることが濃厚な選手たちはほとんど出場機会を得られていない。レノ、エルネニー、コラシナツ、チェンバースといった選手たちはよりアーセナルに長期的な将来がある選手たちにポジションを譲っている。

アルテタのプランに含まれている選手が誰なのかは極めてわかりやすい。

もちろん、ウィリアンのような例外もあり、彼は本来アルテタとエドゥが獲得を決め、アルテタのプランに含まれていたはずだが、すぐにプラン外になっていた。

そして、ウィリアンに関してもう一つ例外的と言える点は、彼がアルテタが獲得を決めた唯一の前線でプレイした選手ということだ。

基本的にはアルテタは中盤と守備陣にフォーカスしており、これは守備とビルドアップ両面で後ろの基盤を固めたいということなのかもしれない。

だが同時に、アルテタが前線を補強しなかったのは、アルテタが引き継いだ時点でアーセナルが既に前線が人員過多のスカッドだったというのが大きいだろう。

サカとスミスロウの台頭もあったし、ラカゼット、オーバメヤン、ペペという獲得に170m£が費やされたトリオがチームには既に在籍していた。

この3人の獲得はアーセナルの低迷を象徴しているといってもいい(これは彼ら3人に責任がある、などといった意味ではない)。

投資から得られたリターンという意味で最も怪しいのはペペの獲得だが、かといって別にペペが悪い選手というわけではない。何度か素晴らしい輝きを見せたこともある。

50m£級のFWを6か月の間に二人獲得してくるというのはベンゲル体制終盤のプランの欠如を表しているが、これについてはもう何度も語られているので今更蒸し返すことでもないだろう。

ついに今季に入って不可能に思われたラカゼットとオーバメヤンの二人が共存の可能性を示しているフォーメーションが4-4-2であるというのは何とも皮肉なことではある。

オーバメヤン、ラカゼット、ペペのトリオはアーセナルのエキサイティングな新時代を象徴するはずだったが、結果的に、十分に機能することはなかった。

これは非常に高額な過ちとなり、アルテタが攻撃陣の再建に着手する前にクラブはまず彼らの契約満了を待っているといってもいい状況だ。

この夏ラカゼットが、翌年オーバメヤン、そしてそのさらに翌年にはペペの契約が満了となる。彼らが全員フリートランスファーでクラブを去るという結末も考えられなくはないだろう。

ペペに関しては移籍の可能性もあると思うが、ペペの給与と移籍金を支払って獲得を試みるクラブが現れるかあまり自身は持てない。アーセナルはオファーさえあれば売却しようとするだろうが。

今季すでにユースアカデミー卒の選手たちを中心にアーセナルの攻撃の変革はキックスタートしているが、次はそろそろ監督が再建に着手する頃合いだろう。

来夏のアーセナルのトップターゲットがセンターフォワードであることは間違いないし、アルテタとエドゥが誰に白羽の矢を立てるのかは興味深い。

ここまでアルテタはオーバメヤンとラカゼットの両方を行ったり来たりしつつストライカーとして起用しているため、彼が本当に好むストライカーがどのようなタイプの選手なのかを知るのは難しい。

彼らは全く異なるタイプのストライカーだ。個人的には、ラカゼットのようにより攻撃をスムーズにする役割を果たせるタイプが好みなのではないかと思っているが、もう少し得点力のあるFWを求めている可能性はある。

恐らく理想的なのはラカゼットとオーバメヤンのハイブリッド型のようなストライカーを見つけることだろうが、移籍金がそこまで高額ではなく、市場に出ており、かつアーセナルに来る気があるそのようなタイプの選手を見つけるのは難しいかもしれない。

アルテタ体制になって初めて現実的なストライカー獲得の噂が出たのはタミー・エイブラハムだった。彼はどちらかと言えばラカゼットよりで、ゴールに背を向けてもスムーズにプレイできるが、同時に長身で俊足だ。ただし得点力にはむらがある。年齢的にも24歳でクラブの方針と合致していた。

ただし、既に彼は移籍してしまったのでエイブラハム本人は候補には入らないだろう。

恐らくアーセナルはストライカーを2人は獲得しないだろうし、来夏1人を獲得し、1年間は適応させながら、その間にフォラリン・バロガンが控えストライカーを務められるレベルまで成長するのを願う、という形になるのではないだろうか。

もしそうなれば、マルティネッリは技術的にそこまでクリーンではないものの得点力のある選手、というペペの代役が務められるに違いない。

バロガンとマルティネッリはラカゼットとオーバメヤンとペペがクラブを去るのを待つ必要があるものの、同時にそれはアルテタが彼らを自分の望むタイプの選手に育成する時間があるということでもある。

恐らく来夏獲得するだろう新ストライカーに関しても、アルテタは同様の適応期間を望むだろう。

アーセナルの攻撃陣を巡る状況はアルテタにとってかなり厄介なものだったが、もしこのプラン通りにいけば、ようやくトンネルは抜ける事となる。

監督はスミスロウ、サカ、ウーデゴールを最も活かせるストライカーを選定する時間がある。

このようなきちんとしたプランニングはオーバメヤン・ラカゼット・ペペのトリオの獲得時には見られなかったものだ。

我々は既にスミスロウとサカが同じチームで素晴らしい連携を見せられることを知っているし、ウーデゴールも彼ら2人と同時起用された際に中央のストライカーの後ろで放てる輝きを断片的に見せている。

この3人の前に収まる最後のピースが誰になるのかが、アルテタのアーセナルの次のステージの行く末を決めることになるだろう。

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Posted by gern3137