パーティを始めよう

考察Tim Stillman,海外記事

トーマス・パーティのアーセナルでのデビューシーズンはかなり奇妙なものとなった。

10月の移籍市場最終日にアトレティコ・マドリードから移籍し、アーセナルの中盤を救う任務を任された。アーセナルの中盤の状態を考えると、それは非常に難しいタスクだ。

アトレティコはパーティの移籍を望んでいなかったようだが、結果的に彼らがリーグ優勝を果たしたことを考えれば、パーティの不在がそこまで痛手だったとは言えないだろう。

噂では、パーティは新たなチャレンジを求めており、シメオネの車輪の一つであるよりも、アーセナルの中盤の中心になることを望んだのだという。

彼は27歳で、キャリアのピークに差しかかかっており、カソルラ後のアーセナルを救うというミッションが与えられている。彼の獲得が決まった直後に我々はポッドキャストでチームの再建を支えるにあたって27歳の選手にこのような巨額の投資を行うのはどうなのかという話をしたが、やはりファンは高額移籍に興奮しており、これが良い考えではないという意見など聞きたくないものなので、いくらか批判を受けたりもした。

私はパーティのプレイをよく見たことがあったわけではないので、単純に私の懸念は純粋に彼の年齢に基づいていただけだ。

私が考えていたのは、この契約は失敗が許されない、ということだ。これだけの金額を支払うのであれば、絶対にアーセナルの中盤を完全に変えてくれるような選手でなく手はならないし、それはかなりのリスクだし、それらはすべて織り込み済みで、計算の上でクラブがリスクを冒しているようには見えなかった。

もちろん時間軸的に、パーティ獲得の経緯は理解できた。アーセナルはより攻撃的なMFとCMFの2人を必要としていて(この夏も状況は全く同じだ)、アワールの移籍が不可能になった時点でパーティ獲得を目指すのは当然の動きではあった。

Statsbombのナットソンはパーティ獲得に懐疑的で叩かれていたが、私が思うに彼のコメントの多くは論理的だったと思う。

若手を獲得して、チームにうまくフィットしなくても、少なくとも彼らを売却して損失を最大限に抑え、もう一度サイコロを振ることが出来る。だが、高給の選手を獲得して、その選手がフィットしなければ、それで終了だ。クラブが給与の大部分を負担するという形で移籍させるか、結果が出ず、衰えていくだけの選手を契約満了まで留めるかの二択となってしまう。

マッテオ・ゲンドゥージを例にとってみよう。アーセナルで素晴らしいスタートを切ったにもかかわらず、ゲンドゥージの直近の12か月のキャリアは大失速してしまった。

彼はアルテタによって徹底的に干され、その後のヘルタでのローンも平凡なものに終わってしまった。しかも、ゲンドゥージの残り契約は1年となってしまっている。

それにもかかわらず、フランス方面の報道が信頼できるのであれば、どうやらアーセナルが売却するのが最も簡単なのはゲンドゥージのようだ。

2019年以来彼の市場価値は大暴落しているが、それでもまだ彼はアーセナルが費やした資金を回収できる程度の価値は保てている。

恐らくトレイラに関しても、アーセナルはいくらかの移籍金を回収できるだろう。

この2人の獲得はアーセナルにとって成功だったとは言えないが、逆にそこまで損害があったわけでもない。

だが選手としてのピーク後半の選手を獲得する場合、ミスをする余裕はない。アーセナルの中盤のクオリティ不足はずっと昔から続いており、選手獲得が行われるたびに中盤の救世主になることを期待されてしまい、だからこそ我々はトレイラとゲンドゥージを当初過大評価してしまったのだろう。

アーセナルにとってはパーティはなんとしても機能してもらわなくてはならず、彼に中盤の中心になってもらう必要がある。

彼が加入した一年目は、不発だったとまでは言わないが、ファンはしっかりとした結論を出せずにいる。

もちろん勘案すべき事情はいくつかある。移籍市場最終日に新しい国、新しいリーグへと移ることになり、10月の時点で既にリーグ開幕から時間が経っていた。

サッカーと関係なく、コロナのパンデミック下で異国に引っ越すのは大変なものだし、フィットネス面の懸念があったにもかかわらず、クラブはこれに関する対応を誤った。

さらに言えば、そもそも彼が放り込まれたチームは機能しているとは言い難かった。

したがって、パーティに課せられた課題はかなり大きなものだったわけだ。それでも、我々はパーティが恐らくアーセナル最高のMFだろうというのは見て取れた(もちろん、そうあるべきなのだが)

彼はアーセナルファンが熱望していたクオリティを備えており、FBrefによると、プログレッシブパス、プログレッシブキャリー、ドリブル数、タックル数の全てで高い数字を残している。

彼のハーフターンでボールを受けられる能力、そして相手のプレスをかわしてサイドのハーフスペースにボールを送ることが出来る能力は、アーセナルの中盤に革命を起こせるはずだ。

問題は、ここまでのところ、パーティのこれらの能力をそこまで頻繁に見られておらず、アーセナルが彼に支払った額を考えると、彼には常にその能力を発揮していてもらう必要があるという点だ。

きちんとしたプレシーズンを送り準備を整えれば、来季は好調のパフォーマンスをよりコンスタントに見せられる可能性は高いだろう。ジャカの去就は不透明だが、もしかするとパーティとより補完性が高いような相方をクラブは見つけられるかもしれない。

究極的には、パーティはアーセナルにとって『成功してもらわなくては困る』獲得であり、昨季は成功だったとは言えない。

彼はアーセナルで素晴らしいパフォーマンスを見せるために雇われたのであり、時折そのポテンシャルを見せる程度では足りない。来季は更なるスポットライトが彼に当たることだろう。

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Posted by gern3137