アーセナルの得点力不足、オーバメヤンとラカゼットに関して

分析Tim Stillman,海外記事

この表を少し見てみてほしい。

選手2020-21 プレミアリーグ出場試合数ゴール
オーバメヤン195
ラカゼット208
ペペ164
ウィリアン170
エンケティア141
サカ205
合計10623

見てわかる通り、アーセナルの得点数は十分ではない。

これが今季のアーセナルの最も大きな課題で、昨季の試合数が同じ時点と比較して、xGは0.6しか差がないが、実得点は5少ない。

ミケル・アルテタは試合を試合している時間帯を得点に帰る方法を見つけ出さなくてはならない。

守備に関してはアルテタのもと既にかなり向上しており、アーセナルの自滅傾向は治っていないが、それ以外の点ではアーセナルを攻略するのはより難しくなかった。

期待が持てるのは、この守備向上の傾向が、4バック移行後も継続しているという点だ。DFの枚数を減らしても、ボール保持力を上げることで守備力を維持することが出来ている。

ざっくりというと、スミス・ロウとパーティのおかげで、アーセナルはボールをディフェンシブサードより前の場所でキープできるようになっている。彼らのおかげでボールを前に進めるのはずいぶん楽になった。

以前のジャカとセバージョスのコンビは、低すぎる位置で構えてしまうことが多く、FWたちとつなげることが出来なかった。

この状況は既に改善されており、アーセナルはより前にボールを進めるようになっている。次の課題はアーセナルのペナルティエリアでのプレイの改善だ。

オーバメヤン、ペペ、マルティネッリと人員は変わっても、アーセナルは左サイドだけでFWが待ち構えている形が多すぎる。

イアン・ライトがアーセナルのボックス内の選手の少なさを指摘したが、私が思うにこれはアーセナルのフロント4のバランスがビルドアップに偏りすぎているからだ。

4-2-3-1では、基本的に3人のFWと1人のトップ下を起用することになるが、当然トップ下が第一のクリエイターで、ウイングのうち一人が第二のクリエイター、そして残りの二人はフィニッシャーという役割が望ましい。

もちろんこれは固定ではなく、役割を分担し合うのは当然だが、例えばヴィラパークでは、スミス=ロウ、サカ、ラカゼット3人ともがチャンス創出に偏り、定期的にボックス内に走りこんでいたのはペペ一人だけだった。

ラカゼットはどうしてもボックス外に走ってチームメイトと連携したがってしまうのだ。もちろんこれが悪いわけではなく、ウエストブロム戦のサカのゴールをラカゼットとスミスロウ、サカの連携で生み出したように、非常に効果的な時もある。

しかし、ラカゼットがサカやスミスロウと連携したがるせいで、ペナルティエリアががら空きになってしまうこともしばしばだ。

スミスロウやウーデゴールといった単独でチャンスを創出できる本格派のトップ下がいれば、ラカゼットのようなプレイの必要性は一段下がるという見方も出来るかもしれない。

そうなってくると、オーバメヤンを中央で起用する方がよりロジカルなオプションかもしれない。スミスロウ/ウーデゴールにクリエイターの役を任せ、オーバメヤンとペペ/マルティネッリに左からのペナルティエリアへの侵入を任せるのだ。

だが、これでさえも、すべてを解決してくれるというわけではない。オーバメヤンはFWとして得点以外の貢献を行えず、試合に入れないことが時折あるからだ。これは彼を左サイドで起用しても同じことが言える。

彼が全くポストプレイや味方とのパス交換ができないというわけではないが、それは彼の強みではない。

多くの人がスピードを彼の強みにあげるだろうか、私はそうは思わない。彼は基本的にキャリアを通して広大なスペースが自身の前にあるような状況でプレイする機会は少なかった。

むしろ、彼の強みはペナルティエリア内でスペースを見つける能力だ。

アーセナルとアルテタは契約満了時には34歳となる選手に巨額の契約をオファーする決断を下したわけであり、むこう3季に渡ってオーバメヤンをどう使うのかを見つけ出すのがアルテタの至上命題だ。恐らくそのためには継続してオーバメヤンをワントップして起用する必要があるのではないだろうか。

もちろん、オーバメヤンとの契約延長に疑問を呈す人がいるのも当然だが、もうすでにこれは締結されてしまった契約であり、アルテタは自身の決断の正しさを証明する必要がある。彼に34歳になるまでずっと左サイドで上下動を繰り返しサイドバックのカバーに回らせるのはチームにとっても彼にとっても最良の選択ではないだろう。

レスター・シティはヴァーディがカバーするスペースを最小限にすることで、このベテランストライカーの能力を最大限引き出している。

彼はかつてのように相手陣をスピードで切り裂くことはできないが、その強みである走り込みをペナルティエリア内限定で生かしている。

ブレンダン・ロジャーズはクリエイティブでフィジカルに彼を支える構造をヴァーディの周りに作り出した。バーンズ、マディソン、そして力強く上がってくる2人のサイドバック(カスターニュ、ジャスティン、ペレイラのうちから2人だ)がヴァーディの脚力の代わりを果たすのだ。

34歳のルイス・スアレスがアトレティコマドリードに7年ぶりのタイトルをもたらそうとしているが、彼の代わりに走り回っているのはレマー、フェリクス、カラスコといった選手たちで、スアレスは彼らが作るチャンスを決めることだけに集中すればよい。

似たように、マンチェスター・ユナイテッドもカバーニの周りにフェルナンデス、マーシャル、ラッシュフォードとグリーンウッドを配置する戦略をとっている。

ミケル・アルテタも似た戦術を試さなくてはならないはずだ。それが、オーバメヤンに3年契約を与えるという事の意味なのだから。

その点では、ラカゼットは残り契約一年となっているが、アーセナルにはもう1人年老いていくストライカーを抱える余裕はないだろう。ラカゼットとの契約延長交渉が行われている気配がないのも、アーセナルが同じ考えでいることを裏付けている。

なのであれば、やはりもう新しいプロセスを始めるべきだ。オーバメヤンを中央に移すことで、より将来性のあるマルティネッリやペペのための枠を一つ空けることも出来る。

ペペがアーセナルの夏の売却リストに含まれていない、という前提での話だが、ペペはアーセナル攻撃の鍵となる選手に成長できる可能性がある。今チームにはよりペナルティエリア内で存在感を出せる選手が必要だし、クラブが投資を決めたオーバメヤンを最大限生かす形を作る必要がある。

オーバメヤンを中央に移せばアーセナルの得点力不足は解決されるなどというつもりはない。オーバメヤンも今季は不調で、このアプローチに慣れさせるだけでも数試合は必要だろう。

だが、他のチームは似た得点力と年齢のストライカーをチームに組み込んで機能させることに成功している。アーセナルも同じことを行わなくてはならない。

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Posted by gern3137