サカのスーパーパワー

分析Tim Stillman,海外記事

突然だが皆さんはバトルロワイアルという映画を観たことがあるだろうか?

これは、生徒がとある島に連れてこられ、たった一人の生き残りをかけて戦うことになる、という映画なのだが、そこで彼らは一人一つ武器を割り当てられる。

運が良い生徒は剣や銃、バズーカ砲さえもを手に入れるが、逆にスプーンやフライ返しといった外れを引く者もいる。

これがサッカーやアーセナルと何の関係があるかって?

私は個人的に、選手の評価を下す際に、彼らの優れた能力をスーパーパワーのように見ることを好む。

例えば、全体的にはそこまで優れていないが、一つとんでもない超能力を備えているような選手もいる。

アーセナルにおけるそういった選手のもっともよい例はウォルコットだろう。技術面に難があったが、スピードと走るタイミング一本頼みで、彼は欠点をものともせず対戦相手を苦しめることが出来た。

グラニト・ジャカもそのような選手といっていいかもしれない。

アーセナルファンにとっては我慢がならない存在だが、アーセナルの監督たちは彼なしでは生きられない体になっているようだ。

ベルトコンベアのような彼の左足チームにとって必要な酸素タンクで、時折チームメイトをナイフに刺しに来るので気を付けないといけないのだが、それでも酸素タンクを持っているので優しくしてやらなくてはならない。

たとえ彼が全てを投げ出し、それに対する謝罪を拒んだような場合でも。

また、オーバメヤンのスーパーパワーはシュートよりもむしろ、定期的に決定機に顔を出す能力だ。実際のところ、オーバメヤンはそれ以外にそこまで秀でた能力を備えていないが、上の例で言うと彼のこの能力はバズーカ砲クラスの性能だ。

エルネニーはスタミナと短い距離であればボール回収を行うことが得意な点だろうか。これはフライ返しとまではいかないが、缶切りレベルではないだろうか。もちろんキッチンにあるに越したことはないが、必要不可欠というほどではない。

ここ15年あたりのアーセナルの凋落(タイトル争いをするチームからトップ4常連へ、そしてそこから中上位のチームへ)のおかげで、最近クラブはこのクラスの選手たちを多く呼び寄せてきた。

ワールドクラスの選手たちを獲得するステータスがなくなってしまったので、その下のレベルの選手たち、中身は良いがパッケージが傷ついているような製品を探さざるを得なかったわけだ。

だからこそアーセナルはこれまでこんなにも多くのファンの意見が分かれる選手を多く抱えてきたのだろう。エジル、ウォルコット、ジルー。ミケル・アルテタも選手時代はファンからの評価は分かれていた。

これらの選手たちは非常に有用な能力を備えているが、同時に欠点も抱えていた。

さて、ここで話をしたいのがブカヨ・サカについてだ。もし誰かがサカはどんな選手なんだい?と私に聞いたとしたら、私は少し答えに窮するだろう。

彼はこの15年間のアーセナルのどの選手にも似ていない。彼の最大の長所は何だろう?

もしかすると、これは逆転させるべき問であり、彼の短所はなにかあるのか?と考えるべきなのかもしれない。ただし、彼の短所を羅列したリストは切手ほどのサイズで収まるだろう。

恐らく、サカの最大の長所は長所がないことではないだろうか。彼はほぼ全ての面でかなり優れている。彼が数多くのポジションで輝けるのもそれが理由だろう。

また、私は良いサッカー選手の能力で最も過小評価されがちなのがチームメイトと連携を築く力だと考えている。

ティエリ・アンリはベルカンプ、ピレス、カヌー、ヴィルトール、ヴィエラの全員と良い連携を見せた。彼らは全員全く違ったタイプの選手であるにもかかわらず。

セスク・ファブレガスはウォルコット、フレブ、ロシツキー、アデバヨールやファン・ペルシーと良い関係性にあった。アシストを提供する選手として、あるいはボールを供給してもらう側として。

多くの選手とうまく連携するには非常に高いサッカーIQが必要だし、相手の技術面に対する共感・想像力もなくてはならない。

ファブレガスはアデバヨールが胸の高さのボールを好み、ウォルコットは地面の高さで自身の前にボールを欲しがることを知っていた。

彼はフレブにボールを渡したら自身はすぐにペナルティエリアの角に走りこまなければならないと知っていた。なぜならフレブはボールは失わないだろうが、自分でシュートやアシストを行うことはないだろうから。

このように、ボールを渡す相手に応じてどのようなプレイを選択するかをコンマ数秒間の間に判断する能力は非常に貴重なのだ。

もちろん、サカとファブレガスが似たタイプのクリエイターだといいたいわけではないが、このような創造力を備えているといういいではこの二人は似ている。

彼が左WBでプレイした時にはマルティネッリの裏への走り込みを即座に理解し、素晴らしい連携を築いたし、現在はスミス=ロウやラカゼットと美しいワンタッチサッカーを展開できている。

アーセナルにとって喜ばしいことに、サカはこのような理解力をクリエイターとしてもアタッカーとしても発揮できる。ウエストブロム戦でロウやラカゼットとパス交換を行った際、サカは走り続ければ自身に流し込むだけのゴールが訪れると知っていた。

同じように火曜日のサウサンプトン戦でも、ラカゼットがボールを出さざるを得ないような素晴らしい走り込みを見せ、明らかにどのように得点に繋がるかのビジョンを描けていた。同じように、その後の彼のラカゼットへのアシストも、少しでも遅れてしまえばチャンスを逃すと認識していたからこそ逆足でダイレクトパスを選択したのだろう。

左利きの選手としては珍しく、サカは右足を使うことを苦にしない。これが、素早い判断を下すうえで助けになっている。

私が思うに、上のような状況で、プレミアリーグの選手の多くはダイレクトで逆足でパスを出そうとはせず、左足に持ち替えようとしていただろう。そして、それにより決定気は潰えてしまうはずだ。

去年の9月に、アーセン・ベンゲルは次のサッカーの発展は神経科学と関連してくるだろうと予言した。

『なぜかって?既にフィジカル面のスピードの成長は限界まで達している。となれば、次のステップは判断スピードのアップだろう。これは神経科学と大いに関連性がある』

もしかすると、サカこそその象徴のような選手なのかもしれない。

元々彼の才能は明らかだったが、スミス=ロウが彼の負担をいくらか肩代わりしてくれるようになってから得点とアシストは急激に伸びている。

このようなペースで得点とアシストを重ねられる19歳は非常に稀であり、結論としては、恐らくサカのスーパーパワーはその頭脳にあるはずだ。

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Posted by gern3137