エメリが解決できなかった、アルテタが取り組まなくてはならないアーセナルの課題

分析Tim Stillman

アルテタにもエメリにも言えることであるが、アーセン・ベンゲルの長期政権の後を継ぐという仕事が困難なものであることはわかっていた。ベンゲル時代の後期はアーセナルは緩やかな衰退を遂げ、CL出場権を追い求めるあまり、高価で誤った決断を下してしまっていたからだ。

裏では改革が進みつつあったが、それは試行錯誤の繰り返しで、スムーズにはいかなかった。だが、徐々にアーセナルは行き詰ったクラブから革命を何とか制御しようとするクラブにかわった。

この混沌とした時期において、もっとも大きな課題はアンバランスなスカッドだった。厳しい見方をすれば、アンバランスなだけでなく、シンプルにクオリティが足りていないという言い方もできる。

今回は、そのチームが具体的に、どのような弱点を抱えており、アルテタが迎え撃たなければならない課題をおさらいしていこう。

サイドの攻撃力の不足

アーセナルはサンチェスを売却し、オーバメヤンとムヒタリアンを加えた。アレクシスの代役を見つけるのは不可能なので、二人で彼の役割を分担させようという考えだったのだろう。オーバメヤンによって得点を、ムヒタリアンによってアシストを補おうというプランだ。

だが、このプランは1.5人分しか成功しなかった。サンチェスのクオリティは凄まじすぎ、彼の代わりに二人が必要になったことで戦術面の問題が発生し、アーセナルはラカゼットとオーバメヤンの同時期用に頭を悩ますことになった。

結果として、アーセナルは左サイドにぴったりの役を見つけられず、オーバメヤンを起用し続けることとなっている。

オーバメヤンはウイングとして最良のクオリティを備えているとはいえず、ボールを運ぶ力は平均的だし、チャンス創出力も低い。

得点力はあるが、もし左サイドにほかに適任がいるのであればラカゼットの代わりにオーバメヤンを中央に置くのがより自然な形だろう。

そして、この戦術的なごたごたはペペの加入でさらに複雑になった。あまりに多くのリソースがフロントスリーに費やされ、にもかかわらず彼らは同時に輝けるように見えない。

マルティネッリはアーセナルに将来への希望を抱かせてくれるものの、現段階では彼はオーバメヤンとタイプが似すぎているため同じく同時起用するのは難しい。

ワールドクラスというわけでもないイウォビとムヒタリアンの不在が痛手となっているのがその証明だ。彼らは欠点もあるが、アーセナルの攻撃によりバランスよくフィットする。

個人技という点ではより秀でている選手をアーセナルは抱えているが、ポジション面ではよりアンバランスだ。

かつてのアーセナルはピレス、ユングベリ、サンチェス、ウォルコットといったサイドの選手を抱えており、今のアーセナルにはそういった選手たちが足りない

中盤の得点力の不足

 ゴールアシスト
セバージョス12
エジル13
トレイラ21
ゲンドゥージ11
ウィロック40
ジャカ01
合計98

もしアーセナルの3トップがリバプールの3人のように火を噴くのであれば、チームに地味だがハードワークをこなし、ボールをファイナルサードへ運ぶのを専門とする3人の中盤をそろえていてもうまく機能するだろう。

だが、上で述べた通り、アーセナルの3トップは得点力がそこまで高くなく、そのため中盤の得点力の不足も問題となる。アーセナルの中盤の選手たちはボールを動かすことはできるが、相手にとって危険なボールを出す能力を欠いている。

毎年ある程度の得点をもたらしていたラムジーの退団によってこの問題はさらに深刻なものとなった。実際の得点以上に、ラムジーが相手陣に混乱を引き起こす効果は大きく、彼の深い位置からの走り込みによって、アーセナルのストライカーはフリーになり何点か多く得点できていたはずだ。

移籍市場で新たなラムジーを見つけることは簡単ではないだろう。オリジナル・ラムジーをフリーで放出したのであればなおさらだ。

クラブはこの穴をセバージョスの獲得で埋めようとした。確かにセバージョスはとても良い選手だが、チームにもたらすクオリティという点では、ジャカとゲンドゥージと似すぎている。

ボールを運べる選手の不在

そしてこれは次のポイントにつながる。最近アーセナルはウィルシャー、カソルラ、ロシツキー、チェンバレン、イウォビといった選手たちを立て続けに売却した。彼らはみな長い距離ボールを運び、相手の陣形を乱すことができる選手たちだ。

サッカーの戦術は近年非常にち密になり、プレスが盛んとなっているため、良いドリブラーの価値が高まっている。構造にとらわれないドリブルといた行為は相手の戦術を破るに非常に役に立つのだ。

アーセナルが擁しているドリブラーはペペだけで、彼はタッチライン上でしばしば3人や4人を相手にすることを強いられている。

これではアーセナルの攻撃は単調となってしまい、低いブロックを構える相手に簡単に対処されてしまう。

ファイナルサードの技術の不足

アルテタのチームには良いパサーが揃っている。監督は最近パスが上手い選手を多く起用している。CBではムスタフィとマリがソクラティスより上の序列におり、彼らがルイスと組むことで後ろからの多彩なパス展開が可能になる。

また、アルテタはトレイラよりもセバージョスを起用することを好んでおり、よりパスが上手い選手を好む傾向はここにも見て取れる。

ウィンターブレイク以降のアーセナルの典型的なスタメンはルイス+ムスタフィorマリ、ジャカ+セバージョスorゲンドゥージという形で、彼は総じて皆パス力が高い。

だが問題は、彼らが皆基本的に自陣でプレイすることが多いということだ。オーバメヤン、ラカゼット、ペペは総じて皆パスがそこまで得意とは言えない。エジルのファイナルサードでの貢献も下降線をたどっている。

エジルが技術面でアーセナルで最も優れた選手であることは間違いない。数年前であればエジルがボールを持った瞬間に何か見せてくれるのではとわくわくしたものだ。

だが、最近のエジルのプレイエリアは下がり、ジャカとセバージョスのようなプレイヤーになってしまった。パスはうまいが、素晴らしいスルーパスで相手陣を脅かすことはあまりない。

これにより、やはりアーセナルの攻撃は単調になってしまった。アレクシスのもたらすカオス、あるいはエジルの鋭いパスがなければ、単にオーバメヤンにチャンスが訪れるのを待つだけの鈍いシステムになってしまう。

全体的に、アーセナルの攻撃はジョージ・グレアム時代後期のアーセナルを思い起こさせる。当時のガナーズは単にイアン・ライトが何もないところから得点してくれるのを待っているだけだった。

これらがアルテタが解決しなくてはならない課題で、恐らく夏の移籍市場でも彼自身のチームを構築するために何か動きがあることだろう。

(Source: https://arseblog.com/2020/03/reconstruction/ )

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Posted by gern3137