インビンシブルズを振り返る 前編

歴史Tim Stillman

リバプールがもしかして無敗優勝を達成するのではないか、と話題ですが、今回はアーセナル・コラム登場頻度ナンバーワンのTim Stillman氏が優勝を達成したシーズンの次のシーズンのミドルズブラ戦に焦点を当て、インビンシブルズを振り返る記事を訳してみました。

2004年の8月2日、アーセナルはハイバリーでミドルズブラと対戦した。この試合で負けなければ、アーセナルはノッティンガムフォレストが保持していた、イングランドのトップリーグでの最長記録となる42試合無敗を達成することになっていた。

当時この試合を見ていたほとんど全員、ミドルズブラのファンでさえも、恐らくアーセナルが簡単にミドルズブラをいなし、この記録を達成してしまうのだろうと予期していた。サングラスが必要なほど太陽がまぶしい、夏の素晴らしい午後のことだった。

この試合のことは私の記憶に本当に強く残っており、自分が何を着ていたかまではっきり覚えている。(たまたま私が自分の姿をTVで見つけることが出来たから、というのもあるが)

私は当時二十歳で、大学の最後の一年が始まる直前、人生を楽しんでいた。

太陽は輝き、学業からつかの間の休息を得て、アーセナルは無敗優勝を成し遂げたばかりだった。大人の楽しみを得られたが、大人の責任の多くはまだ負わなくてよい、そんな年齢だった。

キックオフの前に、この時怪我をしていたキャプテンのヴィエラにプレミアリーグのトロフィーが授与され、それは8月の日差しにきらめいていた。

私はこの日、特に対戦相手について気にすることさえもなかった。誰が相手だろうがたいして問題ではないような気がしていたからだ。ヴィエラがトロフィーを観客席に見せた時に、ボロファンが礼儀正しく拍手をしていたことを覚えている。

だが、私にとってアウェイファンは単なる劇場のおまけのようなものにすぎず、当然ながら主役はインビンシブルズだった。

ヴィエラの怪我でさえもアーセナルファンの興奮を削ぐことはなく、代わりに17歳のセスク・ファブレガスがスタメンに名を連ねた。

そして、アーセナルはいつものように、レイエスからの斜めのパスをティエリ・アンリが沈め、ミドルズブラ相手にリードを奪った。

25分で1-0。いつものペースだ。その後もアーセナルはボロをほんろうし続け、アンリはFKをクロスバーに当て、レイエスもポストにシュートを放った。ホームチームは自由にやりたい放題出来ているようだった。

だが、ハーフタイムの直前にジョゼフ=デジレ・ジョブがラッキーなバウンドがあったこともあり、ボロの同点弾を決める。

ハーフタイムで1-1の同点というのは少し予期していないことではあったが、アーセナルはいつでも点を決められそうだ、別に焦るようなことではない、という空気が流れていた。

だが、後半始まってすぐに、ハッセルバインクがネットを破る勢いの弾丸シュートでミドルズブラにリードをもたらした

おっと!ちょっとこれは予想外だったな!でも大丈夫、問題はないさ。

だがその後、フランク・キュードリューがイェンス・レーマンがゴールから離れているのを目聡く見つけ出し、ロングシュートでボロの3点目を決めて見せた。

ついにハイバリーの空気が変わった。もしかして、という雰囲気が流れ始め、皆が『シXト!まさか本当にこんな風に台無しにするつもりか?』と考え始めた。

だが、選手たちはすぐにこのショックを払しょくして見せた。ベルカンプがアーセナルの失敗を防ぐために未来から送られてきたサイボーグのように相手ゴールに向かって走り出し、ペナルティエリアの角からボールをゴールに叩き込んだのだ。

ベルカンプはボールをネットから取り出そうと走り出しかけたが、既にティエリ・アンリがそのメッセージを受け取っていた。ベルカンプの頬は膨らみ、顔は怒りに燃えていた。ミドルズブラはまずいと思ったにちがいない。

ここからアーセナルが同点弾を決めるまでに11分しかかからなかった。アーセナルでこれまでにも何度も見せていたように、ピレスが相手のオフサイドトラップをかわし、アンリからの低いクロスを決めて見せた。

このころ、私のシーズンチケットはクロックエンドのブロック19に位置しており、アウェイファンとの境のすぐ近くだったのだが、この試合では珍しく、アーセナルは後半クロックエンドに向けて攻撃していた。これは、普段はあまりないことだった。

ついに記録を達成するのに必要な同点弾が決まったことで選手たちは少しはしゃいでいた。だが、カメラには映っていなかったが、ブロック19の我々にはアンリがその喜びの輪に加わっていないのが見えた。

先ほどの得点に続いて、またしてもアンリはネットから素早くボールを取り出し、我々の隣にいたミドルズブラファンの前を駆け抜けながら、彼らに横柄に指を向けながら(誓ってもいいが、これは私の幻聴ではない、確かにアンリがこういうのを聞いたのだ)、『まだ終わりじゃないぞ!』と彼特有の芝居がかった口調で叫んで見せた。

チームに劇的な効果を引き起こすのにアンリ以上に長けていた選手はいなかった。私は今でも彼が少し喜び浮かれるチームメイトを少し軽蔑したように見ていた表情を覚えている。

同点弾では十分ではないのだ。眠れる獅子が目を覚ました。

正直に言って、この時私はキックオフの瞬間を見逃していた。いったように、この時私はまだ20歳だったし、アウェイファンのすぐ隣の席だったため、彼らとのちょっとしたやり取りに気をとられていたのだ。

(後半に続きます。
Source: https://arseblog.com/2020/02/invincible/)

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Posted by gern3137