ニコラ・ペペに関して 後編

分析Tim Stillman

(この記事は前編の続きとなっています。)

また、同じように、エジルもラグジュアリー・プレイヤーだ。だが、ラグジュアリー・プレイヤーの起用を正当化するには、彼らは一貫して数字に残る結果を残し、他の部分でチームに負担をかけることや、時折のミスを我慢する価値があると示さなければばならない。

ペペがドリブルにおいて特筆すべき才能を持っているのは明らかで、彼はまるで一人だけスローモーションで世界が見えているかのように、蛇使いが蛇を操るかの如く相手を動かし、突破することが出来る。

ペペはここまでそれなりによくやっているし、ペペの適応プロセスは年明けからまた新しく始まったといってよい。彼の評価が決まるのは、今後の数か月でどれほどアシストと得点数を伸ばせるかを見てからだろう。

ただ、ペペはそれと同時に少し厄介だが同時に重要なタスクを監督から課せられている。アーセナルはアルテタ体制で、左に人を集めて攻撃を作ろうとしている。ジャカが偽CBのように機能し、左サイドバックがストライカーをサポートするように上がっていく。

初期のころはコラシナツとオーバメヤンがこの関係性にあったが今はマルティネッリとサカがそれを担うことが多い。彼らは素晴らしい連携を見せている。

この戦術の肝は、右で攻撃を作り、素早く左サイドにボールを動かすことで相手の隙をつくことだ。したがって、右サイドバックを務めるナイルズとベジェリンは左サイドバックと比べて低めの位置をとるか、中に入ることになる。

エイドリアン・クラークが指摘している通り、アーセナルは攻撃時に左サイドバック、左ウイング、ストライカー、トップ下、右ウイングの5人が横並びになることが多い。

この時、右サイドバックは中にはいってカウンターに備えることになる。これが意味することは、ペペには外側からオーバーラップしてサポートしてくれる選手が誰もいないということだ。

確かに、チーム1ドリブルが上手い選手をこの位置に配置するというアルテタの選択は筋が通って入る。サイドバックへのパスに逃げることなしに、相手に囲まれても突破できる可能性が一番高いのはペペだからだ。

外側を走ってくれるサイドバックがいない以上、今後のペペにとってのカギは、内側に位置するエジルあるいはウィロックといかに良い連携を築けるかだろう。例えば中の選手とのワンツーで相手の守備を乱せば、それだけドリブル突破は容易になるし、相手がペペのドリブルを警戒するだけで、いろいろなプレイがやりやすくなるはずだ。

アーセナルの現在の攻撃では、右ウイングが一番難しい役目を担うことになっている。また、その点では中央のストライカーの役目も負担が大きい。なぜなら、左サイドのFWが走りこむスペースを作り出す動きが求められるからだ。

そういった意味では、アルテタが中央にベテランを配置し、より活躍しやすい場所にマルティネッリとサカという若手二人を配置しているのは頷ける。

ペペとラカゼットの方には重い責任がのしかかり、時折一人ぼっちでチームが相手を攻略するための歯車とならざるを得ない。

とはいえ、それでもやはりペペにはもう少し得点とアシストを求めたいところだ。ピレスやサンチェスはラグジュアリー・プレイヤーだったが結果を残し、チームでの起用を正当化した。

一方で、アルシャビンとポドルスキは結果を残せずチームから外れていったラグジュアリー・プレイヤーだ。時が経てば、ペペがどちらのカテゴリニーに属するのか、明らかになるだろう。

(Source: https://arseblog.com/2020/01/the-nic-of-time/ )

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Posted by gern3137