空気の変化 前編

語ってみたTim Stillman

フルタイムのホイッスルが吹かれ、チェルシー戦の敗北が決定した瞬間、多くの選手たちが地面に倒れこみ、スタジアムの時間が一瞬止まった。敗北の笛がいつも引き起こすように、風船から空気が抜けるように、スタジアムからエネルギーが抜けていくのが感じられた。

普段であれば、敗北、あるいは引き分けでさえもエミレーツスタジアムでは空席の間を縫ってのブーイングで迎えられる。だが、今回は違った。

哀れみというのは正しい言い方ではないだろうが、慰めのような空気がスタジアムを包んだのだ。人々は選手たちのために立ち止まり、拍手をしていた。

結果だけ見れば、確かにいつも通りのアーセナルだった。だが、何かが変わったという認識がそこにはあった。アーセナルは"アーセナルらしさ"を一週間で覆すことはできなかったが、今までのチームには見られたことのないようなエネルギーがそこにはあった。

私は"努力"について話すのはあまり意味がないと思う。なぜなら、アルテタ以前のアーセナルの選手たちが努力していなかったわけではないからだ。明確な方針を欠いていたのは間違いないが、かといって彼らがさぼっていたとは思わない。

アルテタはいかに素早く勝利を挙げることが重要かについて語っていた。

『エネルギーがすべてだと思う。人生でも、スポーツでも、もちろんサッカーでもね。エネルギーがあれば空気は良くなる。ボーンマス戦でのファンの選手たちへの反応はうれしかったし、選手たちがファンにあいさつに行ったのもよかった。つながりを感じられるからね。ゆっくりとだが、これを取り戻していかなければならない。我々にとって非常にパワフルな武器となるだろう。』

多くの人が指摘している通り、アルテタはアーセナルで非常に興味深い戦術的変更をいくつか行った。だが、ファンがアルテタの最初の3試合にここまで好意的に反応したのは、ナイルズが偽サイドバックとしてプレイしたからではなく、ジャカがビルドアップ時に左に落ちてプレイしたからではない。チームがエネルギーを示したからだ。

それこそが、ライバルにギリギリで敗れたチェルシー戦でファンが拍手をした理由だ。公平に言えば、チームのエネルギーとインテンシティに関して、アルテタのハードルはそこまで高くない。アルテタのチームがこれまでの数年間のアーセナルが見せられていなかった何かを見せてくれたからこそファンは評価しているのだ。

それが戦術的なものであろうと精神的なものであろうと、ファンはそこにサポートすべき何かがあれば感じ取ることができる。その逆もまた同じだ。

選手たちが監督のプランに呼応しているのが目に留まったし、ここまで選手たちが一つの目標のために一丸となって戦う姿をずいぶん長いこと目にしていなかった。

逆に言えば、ここまで明らかに、エメリ時代の選手たちが精彩を欠いていたにもかかわらず、サンジェイが重い腰を上げるのにここまでの時間がかかったのはいまだに信じられないくらいだ。

(後編へ続きます)

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Posted by gern3137