アーセナルのこの夏移籍市場での三つの方針

移籍Tim Stillman

アーセナルが新たな章を始めるにあたって何人かの過去の遺産と決別しなければならないことは誰もが分かっているし、また同時にそのための予算が足りていないことも公になっている。

価値の高い選手を何人かすでにフリーで失ったのに加え、アーセナルで高給を得ている選手は皆30を越え、売却益は期待できない選手ばかりだ。フレディ・ユングベリが昇格したのを始めとして、クラブは若手でチームの穴を埋める方針を明確にしている。

恐らく読者の皆さんはどのエリアが補強が必要なのか痛いほどわかっているとは思うが、先日のポッドキャストでも触れられていた通り、チームのプレイスタイルが白紙の場合にどのような選手を獲得すべきなのか論じるのは難しい。したがって、今回はより広い視点から、アーセナルがどのような方針で補強を進めるべきなのか考えてみたいと思う。

攻撃陣によりリスクをとれる選手を

Whoscoredによると、アーセナルは昨季枠内数シュート数がリーグ10位だった。そして、一試合当たりのドリブル数ではなんとリーグ12位だ。アーセナルは攻撃陣に、より相手DFにストレスをかけられる人材を必要としている。

ゴールが目に入るや否やミドルシュートを打ちまくるべきだと言いたいわけではないし、1対3の状況でも果敢にドリブル突破を仕掛けるべきだと言いたいわけではない。だが、モダンサッカーの世界では非常に高度な統制のとれた戦術が主流で、その中でドリブルやミドルシュートといった予測を打ち破るプレイの価値は上がっている。

特に、これはハイプレスを仕掛けてくるチーム相手によく言えることで、サンチェスのボールを失いがちなプレイは誰もが好んだわけではなかったかもしれないが、それでも効果はあった。彼は敵DFをパニックに陥れ、ポジション外につり出すことが出来た。・・・時々自分のチームのストライカーもパニックに陥れ、ポジション外につり出してしまうこともあったとはいえ。

新しく獲得するにせよ、ユースから昇格させるにせよ、アーセナルはドリブルあるいは遠くからシュートを打つ姿勢を通して相手チームの守備に負担をかけられる選手が必要だ。ラカゼットとオーバメヤン以外に得点が可能な選手がほとんどいない状況はチームにとって大きなマイナスだ。ガナーズの攻撃はもっと予測不可能になる必よぐあある。

走力・フィジカル面の強化

アーセナルの守備での最も大きな問題の一つは、私の意見では、走力不足だ。そして、これはラムジーの退団により、より顕著になるだろう。相手チームが素早い攻守の切り替えを強い続ける場合に、チームはスペースを塞ぎきれない。これは部分的には守備陣の人員の問題で、コシェルニーがアキレス腱に問題を抱えており、9月には34歳になるのだから当然だ。

モンレアルも33歳であり、未だに優秀なDFではあるものの、彼の走力や俊敏性は衰えてきている。最近ではエメリはこれをカバーするためにモンレアルを3バックの左CBとして起用することが増えた。恐らく彼の前に居るのがコラシナツでなければこれは上手くいっていたことだろう。

コラシナツのパスの正確さは大体電池の切れた時計と同じくらいで、ボールを失うことが多く、それなのにもかかわらず、何故か失ったボールを追いかけたり、後ろ向きに走る際には前に上がっていく時より足が遅くなるようだ。

そして、ムスタフィは彼の身体能力は問題ではないが、残念なことに、頭が問題だ。さらに、守備陣がこのようにいろいろなところでミスが多かったり、スピード不足だったり、という場合にグラニト・ジャカをその前に据えるというのは最も賢い対処法ではない。そして、その前に居るのはメスト・エジルなのだ。ゴホン、まあ、アーセナルがチーム対抗リレーで勝利することは当分はないだろう。

後半は失速したとはいえ、トレイラとゲンドゥージの獲得はアーセナルをリフレッシュするうえで良いスタートだと言えるだろう。だが、アーセナルがよりフィジカル面で優れた選手をさらに加えることは非常に重要だ。金銭的な制約はあるが、少なくとも、チームにそろえる選手のタイプのバランスをとり、組み合わせるとより力を発揮できる選手をそろえるくらいは出来るはずだ。

平均年齢を下げる

現アーセナルのチームはかなり老化が進んでおり、若返りが必要だ。そして、もちろんこれは必然的に上で述べたよりアスティックなチーム作りにもつながる。ユースチーム選手の昇格はこの点でも有用だと言えるだろう。

ファーガソンの黄金世代は確かに素晴らしかったが、あれは一生に一度歩かないかの条件がそろって実現されたものだ。思うに、彼のジョン・オシェアやウェズ・ブラウン、ダレン・フレッチャーといった選手たちの起用法に関してより褒められるべきだ。彼らはワールドクラスとは言えないかったが価値のある、ポジション的に融通の利く選手だった。

この方針は、ユース選手に限定する必要はない。安く買い、高く売るの方針を徹底すればよく、これこそまさにリバプールが成し遂げたことだし、ベンゲルの黄金時代にアーセナルが最も得意としていたことだ。アネルカやプティ、オーフェルマルスといった選手を育てて売却し、さらに若手を購入するための資金に充てていたのだから。

これが現実的なアーセナルの立ち位置であり、この時期のやり方を思い出す必要があるだろう。これに成功すれば、アーセナルの預金残高は潤い始め、かつ市場での評判も回復するだろう。もし若手選手がアーセナルが成長に最適なクラブだと思い始めてくれれば、彼らを獲得するのも容易になる。

そして、育成上手なクラブという評判を確立し、ブランド化さえしてしまえば、選手を売却する際にもより高く売れるようになる。ドルトムントを見てみると良い。このプロセスには少しばかり時間がかかるだろうが、恐らくクラブの上層部はそのために何が必要なのかすでに把握しているに違いない。単に、これを始めるのが最も困難なパートであるというだけだ。

(Source:
https://arseblog.com/2019/06/three-point-plan-2/ )

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Posted by gern3137