アーセナルの現有戦力で左CMFが務められそうな選手を探そう 前編

分析

クラブの移籍市場での動きを通して、監督の思惑を推測するのは中々に楽しいものだ。アーセナルがどのような選手を獲得しようとしているのかを見れば、アルテタが何を考えているのかも少しずつ見えてくる。

今夏ここまで獲得が公式に発表されている主力の補強はガブリエル・ジェズス、ファビオ・ビエイラ、マット・ターナーの3人だ。

ビエイラ獲得は報道が出てから獲得が決まるのが非常に早く、そういった意味では青天の霹靂だったが、選手のプロフィール的にはそこまで驚くような獲得ではなかった。

むしろ、どちらかというとアーセナルがラフィーニャとリサンドロ・マルティネス獲得に動いたことの方がサプライズだったと言えるかもしれない。

主力の退団が近づいているのだろうか?それともアーセナルはローテーション要員の選手に40-50mを超えるような移籍金を支払う用意があったのだろうか?

もし後者だとすれば、これは非常にアーセナルらしからぬことだと言わざるを得ない。

だが、恐らく今夏最も興味深いのはアーセナルが左の8番のポジションをどうするのかだろう。

昨季はグラニト・ジャカが務めたこのポジションの選手獲得は噂が出ているが、一方で、現在のアーセナルの選手のうちでも、この役割がこなせそうな選手は何人かいる(ヴェルマーレンの守備的MF起用、のような意味ではなく、きちんと本職として、という意味合いだ。)

もちろん、昨季ジャカはこのポジションを問題なく務めていたとは思うが、やはりどうしても6番が8番を務めているという印象はぬぐい切れなかった。

マンチェスター・シティがダビド・シルバとデブライネの2人を同じような位置に起用していたことからもわかるように、もう少し前線で貢献できる選手がここには必要だろう。

今回はもしアーセナルがコンバートを行うのであれば、誰をこのポジションに起用できそうか、見て行こう(ウーデゴールは8番というよりも10番タイプの選手だし、右に流れていくプレイを得意としているので、今回の候補からは除外した)

ブカヨ・サカ

サカは才能あふれるサッカー選手であり、前線、中盤、サイドバックのどこででもプレイできるはずだ。

したがって、彼が左CMFとしてプレイできるのは間違いない。サカはこのポジションの選手に必要とされる能力の多くを備えている。

レアル時代のディ・マリア、あるいはミランのセードルフをイメージすればわかりやすいだろう。タイトなスペースで相手から離れることが出来るスキルは中盤でも生きるはずだ。

だが、一番の問題は、サカを右ウイングよりも低い位置で起用することで、彼がペナルティボックス内で見せるインパクトが減ってしまうのではないか、という点だ。

彼が左CMFとしてプレイできる素質があるからと言って、それがチームにとって最善であるとは限らない。サカは右サイドで素晴らしいプレイを見せるからだ。

とはいえ、ずっと様々なポジションでプレイしていたサカが最終的に右ウイングに落ち着いたのは、サカ自身の決断というよりも、チーム事情も大きかった。ニコラ・ペペが思うような活躍を見せられなかった一方で、左ウイングにはオーバメヤン、スミスロウ、マルティネッリと選手が揃っていたからだ。

恐らく、アルテタがサカを右サイドで起用したのはチームが最も坂を必要としていたポジションがそこであったからだし、例えばもし、今季アーセナルが右ウインガーのラフィーニャを獲得できていたら、サカが違うポジションで起用されていた未来もあったかもしれない。

もしも、今季アーセナルがサカと同じように得点とアシストが出来るような右ウイングを補強することが出来れば、サカの左CMF起用も悪く無いアイディアだろう。

サカ個人の数字という意味では、得点とアシストは少々減少してしまうかもしれないが、ジャカの代わりにサカをこのポジションで起用することが出来るのであれば、総合的にはチームにとってポジティブな点が多いように思われる。

(後編に続きます)

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Posted by gern3137