前線のジレンマは夏には解決するだろう
近年のアーセナルを批判するうえで、攻撃は良いが守備がダメだ、というのが定型句になっていた。確かに今も、タレント面で言えば前線に偏っているのは間違いない。
その良い例がオーバメヤンとラカゼットだ。二人とも素晴らしい選手だが、戦術的には、彼らを同時起用するのは難しい。
ラカゼットは戦術面での規律と悪くないボールのおさめどころとなるが、きちんとサポートしてやらないと、得点を重ねることは出来ない。
オーバメヤンはその真逆で、独力で得点を重ねられるワンマンゴール工場だが、ビルドアップにチームメイトと連携して貢献したりということは出来ない。
アルテタはこの問題を、オーバメヤンを左の内側寄りのFWとして起用し、このポジションの選手に得点させる構造を作ることで解決してきた。
ブカヨ・サカが左の大外を担当し、その内側の選手はハーフスペースに走りこむことが出来る。
このシステムではラカゼットが起点となり、オーバメヤンが裏に走りこむことが出来る。オーバメヤンが出場停止だった間、得点も含め、マルティネッリがこの役割を果たしていた。
オーバメヤンの出場停止が終わって以降はマルティネッリはそこまでの活躍が見せられていないが、これは、選手のタイプが似通っていることが大きな理由だろう。
彼らは二人ともオフザボールの動きで違いを作るボールタッチが少なめの選手で、前線に二人を同時に起用することは恐らく難しい。
この二人はどちらも右と左を行ったり来たりさせられていたが、ニューカッスル戦ではマルティネッリはベンチで、エヴァートン戦ではメンバーを外れることになった。
バーンリーとオリンピアコス戦では、オーバメヤンとマルティネッリが同時にピッチにいる間はアーセナルは相手を崩すことが出来なかった。
また、アーセナルのフロント4が抱える問題は他にもある。
ニコラ・ペペは目の覚めるようなタレントだが、彼もまた、戦術的構造を保つようなタイプの選手ではない。
彼はハイリスクハイリターン型の選手で、彼のドリブルは時に大チャンスや得点をもたらすが、フラストレーションの溜まるプレイに終わることもある。
日曜日には彼はオーバメヤンのゴールをアシストしたが、一方でリシャルリソンは太平洋ほどのスペースが与えられ、ベジェリンが対処に苦戦していた。
もちろんこれはサイドで違いを作り出せるウイングには支払う価値のある犠牲だが、ペペ、オーバメヤン、マルティネッリと3人並べる前線を機能させるのは難しそうだ。
前線には動き回る選手たちの軸となれるようなタイプが必要で、だからこそアルテタは不調のラカゼットをメンバーから外せなかったのだろう。
直近の二試合ではアルテタはラカゼットではなくエンケティアを起用することを選択したが、これもやはり、オーバメヤンやマルティネッリとは違うタイプの選手を中央には起用する必要があるという考えの表れだろう。
とはいえ、現状ではアーセナルは前線の選手選考のジレンマを抱えてはいるが、恐らく今年の夏にはその必要もなくなるだろう。
オーバメヤンは6月には31歳になるし、アーセナルはCL出場権が得られなければ、キャリアの終盤を迎える選手に高額の新契約をオファーする余裕はないはずだ。
今までアーセナルは契約延長や選手売却を巡りマズい判断を繰り返してきており、そのせいで今の彼らにはオーバメヤンの活躍に値するような週給を支払うような余裕がなくなってしまった。
彼を失うことは大きな痛手だが、アーセナルはどちらにせよ近いうちに彼の後継を考えなくてはいけなかったわけであるし、オーバメヤンの売却益が得られるうちにそれを行うのは理にかなっているように思える。
オーバメヤンはアーセナルがついに見つけた、ファンペルシー以来の素晴らしいストライカーであり、もちろんこれは難しいタスクになるだろうが、それでもクラブはより若手志向に舵をとるべきだろう。
したがって、アーセナルはオーバメヤン売却から得た資金で、ペペやマルティネッリといった選手たちと同時起用することで機能するような選手の獲得を目指すべきだ。
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他人の人生に関する決定を、なぜ無関係な人間がもっともらしく言えるのか。EUとの貿易協定はどうなるのか。それより小学生以下のヘディング禁止がお笑い草だ。脳震盪の大半は頭部同士のぶつかり合いによるもの。多くの国の人々がわかっていることをなぜか英国の人々はわかってない。論じるべきこと論じず、、話すべきでないこと話してる。