【新加入選手レポート】ダビド・ラヤ

移籍

マット・ターナーが退団となったことで、アーセナルがもう一人GKを獲得することは間違いないと見られていましたが、ダビド・ラヤのアーセナル加入が正式に発表されました!

そのラヤがどのような選手なのかに関してのレポートです。

ラヤのプロフィール

・ポジション: GK
・前所属クラブ: ブレントフォード
・年齢: 27
・身長: 183cm
・利き足: 右
・国籍: スペイン代表
・Transfermarkt算出による市場価値: 26m£
・獲得の契約形態: 3m£での年間ローン+27m£での買取オプション

ラヤのこれまでのキャリア

ダビド・ラヤはスペイン、バルセロナで生まれ育ちながらも17歳の時に母国を出て現在はチャンピオンシップに在籍している英北部の名門ブラックバーンのユースに加わり、地域リーグのストックポートへの短期ローンを経てブラックバーンのトップチームに台頭、英3部や2部でプレイ、というスペイン人GKとしては異例中の異例と言ってもいいキャリアの持ち主です。

その後、ブラックバーンでの活躍が認められ2019年夏にはブレントフォードへと数m£程度の移籍金で移籍となります。ブレントフォードではいきなり49試合に出場、その年のロンドンフットボールアワードで最優秀GK候補に選出、また19/20シーズンのクリーンシート16回という記録はシーズン最多タイのものでした。

そこからはブレントフォードのプレミアリーグ昇格後も怪我での離脱を除けばずっと正GKの座を譲らないまま安定したプレイを続け、この夏アーセナル移籍となりました。

アーセナルのGKコーチであるイニャキ・カナがもともとブレントフォードでGKコーチを務めていたこともあって親交があるようで、アーセナルがラヤ獲得に動いているようだ、という話は何度か出ていましたが、この夏ついにそれが実現したことになります。

移籍金と契約の形

ラヤの獲得について一つ興味深いのは、今回の移籍がローン+買取オプションという形であるという点です。

もちろん、今季終了後に買取オプションを行使すれば実質的には30m£での完全移籍と同じようなものですが、ローン+買取オプションという形態での獲得なので、今季アーセナルが支払う必要のあるのはローン料の3m£のみで、残りの移籍金の支払いの時期を一年遅らせることが出来るというのはアーセナルにとってはかなり嬉しい条件のはずです。

また、万一今季のアーセナルでのパフォーマンスが思わしくなかった場合には買取を行わず、また別のGKを探す、という選択肢も残っている点もアーセナルにとってかなり有利なポイントです。

ラヤは若くしてイングランドでプレイしているため、ホームグロウンの要件も満たしていますし、彼ほどの実績のある選手の移籍金としては30m£もリーズナブルで、ラヤ獲得に関しては、エドゥ率いるアーセナルの補強部門はかなり良い仕事をしたと言えそうです。

ラヤの強みとプレースタイル

様々な強みを持つダビド・ラヤですが、やはり一番目立つのはそのパス能力の高さでしょう。ラヤは技術も高く足元に自信を持ったGKで、昨季5試合以上に出場したプレミアリーグのGKの中ではアリソンを上回って90分当たりのパス企図数が最も多いGKとなっており、積極的にビルドアップに関わってパスを繋いでいく姿勢がうかがえます。

また、その中でも特筆すべきはミドル-ロングパスの精度で、ロングパスの成功数も90分当たり9本以上と、こちらもプレミアリーグナンバーワンの数字を残しています。もちろんロングパスのターゲットとなるイヴァン・トニーがブレントフォードにはおり、アーセナルには長身のストライカーが昨季は在籍していなかったため、単純に比較は出来ませんが、ロングパス成功率も39.3%とリーグ4位、これはラムズデールの25.4%を大きく上回っています。

また、ラヤはパスが上手いだけではなく、セービングやクロス対応、飛び出しなどGKの基本となる守備面の能力も非常に高いです。

プレミアリーグのGKとしてはかなり小柄なラヤですが、特にそれがネックとなっている様子はなく、クロスストップ数や、シュートの質と比べてどれだけ得点を防いだかを示す指標であるPsxG-GA(シュート後得点期待値をどれだけ実得点が上回ったか/下回ったか)も、90分当たり0.13と一試合当たり0.13点ほどの失点を防いでいる計算で、クロスストップ数と共にプレミアリーグトップ5に入る水準の数字を叩き出しています。

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Posted by gern3137