ヌノ・タヴァレスはカオスをもたらす。だがアーセナルには彼が必要だ。

分析arseblog,海外記事

マンチェスター・ユナイテッド戦でのベンチカメラの映像が公開されていたが、その中で7:28あたりにアルテタとタヴァレスのやり取りの場面があった。監督がタヴァレスに指示やアドバイスを飛ばし、気合を入れるかのように彼のユニフォームのエンブレムあたりをたたき、それに応えてタヴァレスがアルテタの背中を『大丈夫です、わかっていますよ』と言わんばかりに軽くたたいて返したシーンだ。

最近の彼のパフォーマンスを見る限り、なぜアルテタが彼を起用するのを不安視していたかを理解するのは簡単だ。彼は良い人物のようだが、彼のプレイは少し宝くじのようなところがある。

マンチェスター・ユナイテッド戦で得点を挙げ、スタンフォードブリッジではエディーのゴールの起点となったことからもわかる通り、彼はチームへのポジティブな貢献もあるが、守備面でまだまだ学ぶことは多い。

マンチェスター・ユナイテッド戦で与えたPKは議論の余地がないものだったし、もう一つPKになっていてもおかしくなかった場面はあった。

そして、それ以外にも時折タヴァレスを見ていると『彼は一体ここで何をやっているんだ!?』と感じさせるプレイを見せる時がある。

例えばユナイテッド戦の83分、彼はまるでストライカーのようなポジションから(ストライカーの)エディー・エンケティアを更に追い越して前へと走り込んだ。

このプレイは単体で見れば、実際の所良い走り込みで、ウーデゴールのパスはカットされてしまったが、ヴァランがボールに寄って行っているため空いたスペースを見てタヴァレスは走り込んだのだろう。

とはいえ、リードしている試合の終盤で左サイドバックがこのような位置に走りこむことを目にすることはほとんどない。良くも悪くも、これは非常にタヴァレスらしいプレイだと言える。

後半タヴァレスは不安定なプレイが目立つ所が続く場面があった。この時間帯ほとんどすべてがうまくいかず、ボールを前に運ぼうとすれば奪われ、パスは通らなかった。

結果的にはアーセナルの3-1の勝利となったが、2-1の段階では試合はどちらに転んでもおかしくなく、フェルナンデスがPKを外していなければまた違った結果になっていたかもしれない。

リアルタイムでこの試合を観ていた際には、アルテタはタヴァレスを交代させる必要があるのではないかと思った。観客からもそれを求める声が上がっており、TV越しにも聞き取れるほどだった。特に彼がイエローカードをもらったあとでは、アルテタは彼を交代させることを余儀なくされるのではないかと思ったが、監督はそれをしなかった。

もちろんその数分後にアーセナルが得点を挙げリードに余裕が出たことも関係して入るだろうが、それ以上のものがあるようにも思われる。

彼は今季ノッティンガム・フォレスト戦ではハーフタイム前に、ブライトン戦ではハーフタイムにベンチへと下げられており、ここに加えてユナイテッド戦でもベンチに下がるとなれば、彼のメンタル面へはかなりの悪影響だったに違いない。

試合展開自体が非常に緊迫したものだったが、タヴァレスはこの緊張感を更に高めてしまっていた。もちろんファンの反応を予測することは難しいが、(もしタヴァレスがここで交代となっていれば)代わりに選手が登場する際にファンから歓声が上がるのを見るのは良い気分になるものではないだろう。

ここで重要になってくるのは、ティアニーが離脱しており、アーセナルは今季残りの5試合でタヴァレスを必要としているという点だ。

そして、この試合ではアルテタはタヴァレスをより守るようなシステムの変更を行った。

試合後監督はタヴァレスについて以下のように語っている。

我々は彼をサポートしてやらなくてはならない。彼は今日の試合に、素晴らしい瞬間が一気にどん底へと変わってしまう可能性があるということを経験する必要がある。若手を起用しなければ彼らはこういったことを経験することはできない。ミスを犯すことを経て彼らは成長していくんだからね。ここでミスを責めるのは簡単だが、彼らはピッチに立っているんだ。彼らをサポートしてやって欲しい。若手にはそれが必要だ。

もしかすると、冨安健洋の復帰はタヴァレスにとって非常にタイミングの良いものとなってくれるかもしれない。彼が居れば、タヴァレスはもう少し前に上がっていく余裕が生まれるはずだ。

セドリックは中に入って守備的なプレイをするのは難しいが、冨安はそれが非常に得意だ。もちろんそれがタヴァレスの守備力に影響するというわけではないだろうが、チーム全体としてみればよりバランスが取れるに違いない。

ヌノ自身のアーセナルでのキャリアに関して言うと、これは彼がどれだけ素早くミスから学べるか次第だろう。彼は今季いくつか大きなミスがあり、これが監督の中で疑念となっているのは間違いない。ブライトン戦でジャカが左サイドバック起用されたのを見ればそれは明らかだ。

アルテタはジャカが中盤でどれほど重要な存在か知っているはずで、それでも彼を中盤から外し、左サイドバックとして起用することを決めたのだから。

今季残りの試合に関しては、ヌノ・タヴァレスが自陣ではなく、出来る限り相手陣内でカオスを巻き起こしてくれることを願おう。

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Posted by gern3137