垂れ込める暗雲

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アーセナルは今季プレミアリーグで17勝を挙げているが、そのうちの16試合で先制している。

セインツ戦の前半で彼らがミスを犯し、マルティネッリのクロスがサカに通ったあの場面が、もしかするとこの試合の分かれ目だったかもしれない。

フォースターのセーブは素晴らしかったし、恐らくサカ自身ももう少しよいシュートが打てたはずだと考えているに違いないが、ボールは少しサカの後ろ側にあり、逆足でのシュートでもあった。

そして、その後ベドナレクがハーフタイム直前に得点を挙げたことで、悪夢は現実のものとなった。

今のアーセナルは得点が非常に少ないだけではなく、アルテタのアーセナルがハーフタイムでビハインドの状況をひっくり返し勝利を収めたのは2月のウルブズ戦たった一度しかないからだ。

後半にアーセナルはサウサンプトンを攻め立てたが、結局得点は出来なかった。

前線の火力不足がこの数週間アーセナルに大きな暗い影を落としている。

個人的にはマルティネッリのワントップ起用が見て見たかったのは事実だが、スタメンが発表された時点ではエンケティアも悪くはないと思った。エディーにとっては大きなチャンスのはずで、彼は契約状況のせいで、自分の活躍を買い手クラブにアピールする状況に置かれているが、目立った活躍は見せられなかった。

今のアーセナルのシステムが抱えているFWに合っていないのだ、と言うファンもいるだろうが、私が思うに、それよりも、単にクオリティ不足が最も大きな問題だ。システム以前に、攻撃において基本的なプレイが最近のアーセナルには欠けている。

動き、タイトなスペースでのボール保持、レイオフの正確さ、などなど。

最近ラカゼットの調子は急降下してしまったし、エンケティアはEFLカップでの下位リーグのチーム相手であれば得点を多く挙げられる選手だが、ここまでのキャリアで同じことをプレミアリーグで成し遂げられるとは示せていない。

これがアルテタとエドゥがバルセロナへとオーバメヤンを放出するのを決めた際に冒したリスクだった。

1月にヴラホヴィッチの獲得を目指していたことから見て、彼らも当然このリスクを把握していたはずだ。

もちろん、数千万£かけてクラブのプロジェクトにフィットしないベテランFWを獲るべきだったとは思わないが、ローンでチームに連れてこられる選手は誰一人としていなかったのだろうか?

振り返ってみれば、アルテタのアーセナルにおけるプロジェクトにおいて、今年の1月が運命の分かれ目だった、ということになってしまうかもしれない。

エドゥとアルテタのギャンブルは、当初はうまくいくかもしれないように見えた。

だが、そこから数週間がたった今、暗雲が垂れ込め始めている。ほんの少し前にはアーセナルファンは明るい未来を思い描き、チャンピオンズリーグ、そしてその出場権がもたらす夏の選手獲得などを想像していた。

しかし、サッカーにおいて物事は短い時間に代わってしまうもので、今やトップ6入りも懸念される事態になっている。

次に控えているのはチェルシー戦とマンチェスター・ユナイテッド戦だが、パレス、ブライトン、サウサンプトン相手に3連敗するチームが彼らから勝ち点を奪える可能性などあるのだろうか?と考えざるを得ない。

もちろん、サッカーにおいて物事が素早く移り変わるというのは上で述べた通りで、もしかすると、一週間後には事態は変わっているかもしれないが、今週の試合を迎えるにあたって現時点でアーセナルファンの自信がほとんどないのは間違いない。

セインツ戦でアーセナルはアイディアを欠いて見えた。しばしば、チームの攻撃の唯一のプランはまるでセドリックにボールを渡してクロスを上げさせることだけのように見えた。

だが、そこまで長身というわけではないFWが相手のCB3人と巨人のようなGKと競り合わなくてはいけないことを考えると、これは良い戦略とは言えない。

昨日の試合は、以前のアーセナルでコラシナツがただひたすらサイドを駆け上がり、カットバックを入れようとするしか方策がなかったころを思い起こさせた。

今のチームは非常に苦戦しており、得点を挙げることが出来る選手が揃っていないように見えてしまう。アーセナルの得点を担うという重責は20歳の若手たちにずっと担わせ続けるには少々重たすぎたのかもしれない。

試合後に、ミケル・アルテタは以下のようにコメントした。

アーセナルは完全に試合を支配していて、チャンスを作り出していた。だが、重要なのは結果で、我々が望む位置につけるためにはシンプルに、結果を残さなくてはならない。サッカーの試合に勝利を収めなくてはならないし、そのためにはもっと得点を挙げる必要がある。これが今の我々が抱える問題だ。

この試合でアーセナルはかつてアーセン・ベンゲルが『不毛な支配』と呼んだ事態に陥っており、コメントの前半部分には議論の余地があるが、後半に関してはまさにその通りだ。

試合で勝つためには得点が必要だ。

この問題にどう対処すればよいのか、私にはわからない。、もしかすると、きっかけとなる一点さえ決まってしまえば、扉が開き、多くの点が決まるのかもしれない。だがあるいはこれは少々楽観的な考えかもしれない。

他のライバルの勝敗のおかげで、セインツ戦でアーセナルに大きなチャンスが訪れた。だがそれをアーセナルは活かせなかった。

2022年のアーセナルの勝利は1点差での勝利が多く、常にアーセナルが綱渡りをしてきたチームであるのは間違いない。そして、それがうまくいかなかった結果が直近の3試合なのだろう。

とはいえ、まだアーセナルには非常に重要な試合がいくつか残っており、アルテタは何とかスタンフォードブリッジでの試合にむけて策を講じなくてはならない。

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Posted by gern3137