賛否両論の冬の移籍市場でアルテタとエドゥが下した決断

分析海外記事

アーセナルはこの冬の移籍市場で誰も獲得を行わず、この数日間、SNS上ではアーセナルファンのメルトダウンが起きている。熱狂的なアーセナルファンとして、客観的な判断を下すのは難しいが、少し冷静になって今の状況を考えてみよう。

冬の移籍市場を終えて不安な点

FW

オーバメヤンのフリー移籍(実際にはアーセナルがいくらか支払う必要があったわけだが)とバログンのローンにより、アーセナルにはストライカーが、どちらも6月にクラブを去る可能性が高いラカゼットとエンケティアの二人しかいなくなった。

今季のエンケティアは好調とはいえず、もしラカゼットに怪我があったりすれば、悲劇的なシーズンになってしまう可能性がある。

右サイドバック

ナイルズとチェンバース(アーセナルはチェンバースとの契約を1年延長するオプションを行使しなかった)を放出したため、冨安の控えが務まるのはセドリックのみとなった。

彼は冨安とは全くスタイルが異なり、かつ冨安がアーセナルのシステムに必要不可欠な存在であることを考えると、チェンバースの方がセドリックより優れた控えだったように思われる。

CB

チェンバースとマリを放出したことで、ガブリエルとホワイトの控えが務められるCBがホールディング一人となってしまった。ホールディングにリスペクトを欠きたくはないが、彼はガブリエル、ホワイトどちらともタイプが異なり、かつボール配給能力で一歩劣る。

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プランBの欠如

多くのファンの間で指摘されていたが、ヴラホヴィッチとアルトゥールの獲得が不可能だということが分かった際に、エドゥが第二候補、プランBを用意していなかったのは少し不可解だった。

これらに対する反論

放出はローテーション要員のみ

上に挙げた放出選手のうち、安定して出場機会を得ていた選手は一人もいない。もちろん、彼らをもっと起用すべきだったかどうかは議論の余地はあるものの、ファーストチョイスの11人と多く出場機会を得ていた交代要員は全員チームに留まっているし、今の所怪我による離脱などもない。

中盤の補強はそもそも必要なかった?

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今季の中盤の短期的な補強の必要はそもそもAFCONによる離脱と出場停止によるもので、そもそもジャカとパーティの出場停止がなければそこまで困った事態にはなっていなかったはずだ。既に彼ら二人は出場している。

最近のアーセナルの不調は彼ら不在時のもので、一方今季の年末年始までの好調は彼ら2人を起用していた際のものだ。

サンビ・ロコンガ

ジャカとパーティの不在によってサンビ・ロコンガに経験を積ませることが出来た。この期間中彼のパフォーマンスはを個まで悪くなかったし、むしろ問題点はロコンガのプレイというよりも、彼が信頼できるパートナーがいなかったことに感じられた。

マルティネッリ

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アルテタには、スミスロウを左に起用しマルティネッリをストライカーとして起用するという選択肢がある。また、ラカゼットに活躍してもらう必要があるのは当然だが、加えてここまで人手不足になればアルテタは再びニコラ・ペペをチームに戻す可能性もある。

結論

アーセナルのフロント陣とKSEは巨大なリスクを抱えて大きな賭けに出た、というあまり喜ばしくない結論に達さざるを得ない。

だが、問題はそれが何故なのか、という点と、そしてこれは成功する見込みが高そうか、という点だろう。

当然ながらその理由の一つは近年CL出場権を得ていないにもかかわらず膨れ上がっていた給与を削減するためで、これにより、夏の大型補強が可能になるだろう。今アルテタとエドゥがチームに築いている若い核に3人ほどスター選手を加えられるかもしれない。

もちろん、このシナリオの問題は、新戦力に高給を支払う金銭面での余裕は生み出せたかもしれないが、大型補強には欧州コンペティションの出場権が必要だろうという点だ。高額の給与、ロンドンでの生活、将来有望な若手監督の下でのプレイは選手にとって魅力的だろうが、ここから欧州コンペティションの出場権を取り去ると、そこまで魅力的ではなくなってしまうかもしれない。

ファンの目には、せっかくトップ4入りを果たしてCL出場権を得られるチャンスなのに補強を行わず、多くの放出を行い選手層を薄くするのはギャンブルだと感じられるかもしれない。

だが、もしかすると、クラブ目線では6位以内に入り、EL出場権を得られれば、夏にエリート選手を補強するのには十分だと考えているのかもしれない。

今季の残りは、出場停止を減らし、怪我で幸運に見舞われ、かつアルテタがいくらかの戦術的柔軟性を発揮できれば、クラブのコアとなる部分は変えずに済み、欧州コンペティションの出場権は得られるだろう。

もちろん、17試合を終えてみないことには、今回のギャンブルが計算されたリスクに基づくものだったのか、それとも少々無茶なものだったかはわからないわけだが。

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Posted by gern3137