アーセナルはスミスロウのゼロトップ起用を試すべきである

分析海外記事

今季常にアルテタを毎週悩ませてきたのが、ストライカーに誰を起用すべきかという問題だ。ラカゼット、オーバメヤン、エンケティアはそれぞれ意見の分かれる存在だが、彼らは3人とも来季までにはクラブから去っている可能性が高い。

したがって、短期的かつ長期的両方の視点から見てアルテタとアーセナルは決断を下さなくてはならないのだ。

ヴラホヴィッチはユベントス行きで決まったようだし、イサク、オシムヘン、カルバート=ルインといった選手たちはクラブ側に差し迫った売却の必要性があるわけではなく、冬に獲得するのは難しいだろう。

現状のファーストチョイスはラカゼットで、確かに彼は良いプレイを見せている。彼はチームの若手アタッカーをうまく結びつけている。

だが、昨日の記事でデイブ・シーガーが指摘した通り、ラカゼットは深い位置に降りるタイプのFWとしては欠けている素質がいくつかある。素早いターンで相手守備ユニットに向かっていく機動力、そして、後ろから前線に上がってカットバックやスルーパスに間に合うように走り込むだけのスピード、そしてシンプルにハイプレスを90分続けるだけのスタミナだ。

一点最初に明確にしておきたいのは、ラカゼットは先発し続けるにせよ、他のオプションとローテーションしながらの出場となるにせよ、今季末まではチームの鍵となるだろうということだ。彼は過小評価される傾向にあるが、自身のキャリアを通して、アーセナルでもフランス時代も、非常にチームへの貢献が大きい選手だ。

上で挙げたデイブの記事でのラカゼットの代役の答えは二コラ・ぺぺだった。

これは非常に興味深い。彼はスピードがあり、走り込みも良い。ボックス内に走り込むことが出来るし、シュート技術は今のチームでもトップレベルだ。

だが、タイトなボールコントロールはどうだろうか。彼がアーセナルのDFやMFからのボールを精確に収め、正確なパスを供給できるかどうかは自信が持てない。

では、ここでその他のオプションをもう少し考えてみよう。

アーセナルの10番、エミール・スミスロウはどうだろう?

直感的には機能する可能性もあるように感じられるが、同時に彼の成長に水を差すべきではない、という点も考慮する必要がある。

ヨーロッパリーグの準決勝はうまくいかなかった。だが、この時のスミスロウはより若く、かつチーム全体のクオリティも足りていなかった。今は彼もより経験を積み、さらなるスキル、知識、そして戦術理解力を身に着けた。アーセナルはよりハイクオリティな6人の選手獲得も行っている。

スミスロウはゼロトップのポジションで輝ける素質を持っているだろうか?

彼はボールタッチが上手く、きちんとボールを収めることが出来る。そして、ハーフターンで相手守備陣に向かっていき、これによりチームメイトへのスペースを生み出すことも出来るだろう。

彼はボール運びが上手いだけではなく、これはそこまで注目を集めていないが、ダイレクトでパスをはたくプレイも非常に得意で、彼の最良の能力の一つだ。

スピードをもってボールをドリブルでも運べるし、知的な走り込み、そしてそれを可能にする短距離のスプリントもできる。

今季彼は9ゴール挙げており、ボックス内に走り込む能力も申し分ない。スミスロウなら深い位置に落ちてビルドアップに加わっても、ボールが彼の下を離れた途端に得点できるポジションに向かって走り込んでくれることは間違いないだろう。

彼は偽9番として機能する多くの素質を備えているように思える。以下の動画を見て、スミスロウにそれが出来ないと考えるのは難しい。

特に2:24~のシーン、スミスロウが相手の守備的MFをかわし、CBもよけながらシュートまでもっていった場面に注目してほしい。スミスロウをゼロトップとして起用すれば、このようなプレイを何度も見せてくれるだろう。

シュート、マルティネッリへのスルーパス、サカがカットインできるような位置へのパス。スミスロウの才能が示されている。

彼はボール保持時のフィジカルの強さもあり、ボールを持っているときもそうでもない時もスピードがあるし、あまりイメージはないが身長もある。

今後の改善点としてはより積極的に空中戦に挑む姿勢と、より試合のテンポをゆっくりにする必要がある場合を判断する力くらいだろうか。

スミスロウはこのポジションで輝ける可能性が大いにある。今季彼はより大人になっており、ポストプレイと裏への走り込みは彼の強みを活かせるだろう。

そして、このコンバート最大のポジティブな点ともいえるかもしれないのが、スミスロウを先発起用しながら、今季機能しているダブルボランチの形をキープできることだ。

今の所、スミスロウとウーデゴールの二人を中盤に起用する形は機能する兆しがないが、スミスロウをゼロトップに置けば、パーティとジャカの中盤の形を維持しながら、サカ、マルティネッリ、ウーデゴール、スミスロウの4人を同時に先発させることが出来る。

勇敢なチャレンジが結果を出すこともしばしばあるものだ。

もちろん、これがアーセナルの最終形にはならないだろうが、ラカゼットが休息を必要とすることがあれば、スミスロウをトップで起用する形を見てみたいものだ。

アーセナルには前線からのゴールがより多く必要で、サカとマルティネッリだけに頼っているわけにはいかない。スミスロウのコンバートが、今季アーセナルの後半戦のゲームチェンジャーとなるかもしれない。

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Posted by gern3137