アーセナルの次のステージ

語ってみたTim Stillman,海外記事

アーセナルは5-0でマンチェスター・シティに敗れて以来、ここまで負けなしを継続している。もうすぐアンフィールドでのリバプール戦を控えているので、これが長続きするかどうかはわからないが。

とはいえ、シティ戦での大敗というのはどのクラブにも起こり得るものだ。アーセナルファンが懸念したのは、結果自体というよりも、その生気のない試合内容だった。選手たちは監督を信頼していない、あるいは、指示が理解できていないかのように見えたからだ。

だがそこから8週間で、アーセナルはリーグで獲得可能な24の勝ち点のうち20を手にし、カラバオ杯では準々決勝に進出している。

では、この2か月で一体何が変わったのだろうか?

まず第一に、そもそもメンバーがかなり変わっている。トーマス・パーティはプレミアリーグ開幕から3試合不在だったし、オーバメヤンも1.5試合ほどいなかった。

ウーデゴールも2試合は欠場しており、冨安とラムズデールは8月下旬に獲得された。ガブリエルとベン・ホワイトもこの時期までプレイできておらず、チェルシー戦で敗北した際のアーセナルの最終ラインはレノ、セドリック、ホールディング、マリ、ティアニーという構成だった。

先日のワトフォード戦では先発はラムズデール、冨安、ホワイト、ガブリエル、タヴァレスなので、5人とも入れ代わっていたことになる(もちろん、彼らのうちでティアニーだけは怪我の影響もあり、不在理由のカテゴリーは違うが)

アルテタは自身が選んだ選手たちとそうでない選手のラインを明確に引いたように感じられる。これは昨季にも行われたことではあったが、チェンバースやエルネニー、マリやレノを外すという決断はゲンドゥージとエジルほどの話題は呼ばなかった。

本来であれば、レノをメンバーから外すのはもっと議論を呼んでもおかしくなかったが、ラムズデールは即座にファンのお気に入りになり、話題をさらってしまった。

ついにアルテタには自身が信頼できるチームの基盤が揃ったことになる。ガブリエル、冨安、ラムズデール、タヴァレスは皆アルテタが獲得した選手たちで、ティアニーとも契約延長を行った(セドリックとマリも獲得し、ホールディングと契約延長も行ってはいるが)。

これにより今季のアーセナルはより攻撃に力を割けるようになったが、一方で、余裕があるときには引いて構えて相手のプレッシャーを受け止めることもいとわないようになった。

アーセナルはより長身でフィジカルに秀でたDFたちが揃っているだけではなく(ブレントフォード戦とバーンリー戦を比べてみて欲しい。冨安、ホワイト、ガブリエル、ラムズデールはバーンリーのアプローチをものともしなかった)、同時に彼らはアルテタが望むビルドアップに貢献する力も備えた選手たちだ。

最近のプレミアリーグではパス回しだけではなく、よりダイレクトなプレイに注目が集まっている。ラムズデールとホワイトは斜めのロングパスが出せ、ラインブレイキングパスで一発で相手のプレスを突破できる選手だし、パーティのパスもビルドアップ時に非常に有効だ。

最近の何試合かでベン・ホワイトはいかにして彼が相手のプレスをドリブルで突破しより危険なゾーンにボールを運べるかを示しているし、ノリッジ戦のスミスロウのゴールも彼のインターセプトからだった。

ホワイトはパスコースがなくとも自分でボールをもって上がっていくことができ、これにより相手をつり出したり、ファウルを誘うことが出来る。

ラカゼットだけは例外といってもいいかもしれないが、最近のアーセナルの好調の主役は若くハングリーで、今後さらに成長を遂げるだろう選手たちだ。

もちろん、無敗が継続しているもう一つの重要な要因は、そこまで難しい試合がなかったという点だ。ノリッジ、スパーズ、クリスタル・パレス、ヴィラとワトフォード相手のホーム戦、バーンリー、ブライトン、レスター相手のアウェイ戦というスケジュールは簡単ではないが、今後の数試合の方がより難しいものになるだろう。

この後アーセナルがリバプール、エヴァートン、マンチェスター・ユナイテッドとのアウェイ戦でどれだけの成績を収められるかが、アーセナルがどこまで成長したかを示す良い試金石になるだろう。

もちろん落胆するような結果もあるだろうが、それに対するリアクションも重要だ。また、単に引いて守ることと、カウンターとのバランスをどうするかも見てみたい。

今のアーセナルは、時折爆発的なプレイを見せられるレベルに来ているが、今後は攻撃で相手を圧倒できないような試合でも、ある程度試合をコントロールできるようになる必要がある。

今の4-4-2のフォーメーションはまだ新しく、今後相手が対策を売ってくることも増えるだろう。アルテタと選手たちがここまでアーセナルを立て直したことは称賛に値する。だが、これからアーセナルの次のステージが始まるのだ。

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Posted by gern3137