アーセナルU-23 夏の動きレポート
英国の移籍市場も締まり、今季のアーセナルのU-23で誰がプレイするかも定まったようだ。
10人の選手がローンで武者修行に出たが、恐らくもっと多くの選手をアーセナルはローンで出すべきだったようにも思われる。
ローンに出た選手たち
昨季アーセナルがローンに出した選手は15人で、これには冬にローンに出た選手も含まれていることを考えると、この夏のローン移籍の選手が10人というのは特に異例な数ではない。
ただし、アーセナルにはヨーロッパリーグ出場権がなく、試合数が少ないことを考えると、もう少し多くの選手が放出されるのではないかと思ったが、移籍市場の難しい動向も影響したのかもしれない。
ダニエル・バラードはミルウォールへ、ジョン=ジュールズはブラックプールへとローン移籍し、昨季彼らが英三部でプレイしたことを考えると、今季はチャンピオンシップなのでステップアップを果たしている、
そして、ハリー・クラークは昨季は英4部でプレイしたが、今季はスコットランド一部のロス・カウンティへとステップアップしている。
オセイ=トゥトゥは昨季かーでいぃふにローンに出ていたが、2年連続となるチャンピオンシップへのローンとなり、今季はノッティンガム・フォレストでプレイすることになった。怪我の影響でカーディフではあまりプレイできなかったため、もう一度同じレベルで修業を積むというのは理にかなっている。
マット・スミスは去年と同じく英三部のドンカスター・ローヴァーズへと移籍となり、今季の課題は一貫して出場機会を得ることになるだろう。
興味深いのはニコライ・モラーの独3部、ヴィクトリア・ケルンへの移籍だ。全体的にアーセナルの選手たちは英国内の下部リーグ、あるいは他国のトップリーグへのローンを好む傾向があったが、モラーがドイツでどのようなプレイを見せるか見てみよう。
トム・スミスはセミプロクラブであるウェリング・ユナイテッドへのローン移籍となった。
イリエフは来夏契約切れとなっているがこの夏ローンに出たので、実質的にアーセナルでの時間は終わったとみていいだろう。
そして、ミゲル・アズィーズとジョナサン・ディンゼイはそれぞれポーツマスとカーライル・ユナイテッドで初めてトップチームでのプレイを経験することになる。
また、アーセナルユース卒の選手で言うと、リース・ネルソンのフェイエノールト移籍とベジェリンのレアル・ベティス移籍も発表されている。
ここまでの所の彼らの活躍は?
ここまで最も活躍しているのは恐らくハリー・クラークで、ロス・カウンティの8月の月間最優秀選手賞を受賞している。また、ダニエル・バラードとジョン=ジュールズも既にチャンピオンシップでスタメンで来ており、チームでの立場を固め始めている。
マット・スミスはコロナによる欠場もあり、ドンカスター・ローヴァーズは絶不調に陥っているが少なくとも先発出場は果たしている。
オセイ=トゥトゥとトム・スミスはシーズン序盤から怪我をしており、そこまで長期離脱にはならないはずだが、理想的なローンのスタートとは言えない。ニコライ・モラーもメンバーを外れているが、それがなぜなのかは明らかになっていない。
アズィーズとディンゼイはローン移籍が決まったのが移籍市場の終盤だったこともあり、まだデビューを果たしていない。
アーセナルに残った選手たち
移籍市場の序盤にアーセナルは各クラブに向けてローン放出の対象となっているU-23選手たちのリストを公開したが、その中で実際にローンにこぎつけた選手はあまり多くない。
アレビオスはサンダーランドへのローンに近づいていたが破談になったのに加え、ベン・コトレル、ジョージ・ルイス、ティム・アキノラ、ザック・スワンソンらは移籍先を見つけることが出来なかった。
ルイスに関しては怪我の影響もあり、コトレルも手術を受けたばかりだったのが影響したのだろう。ただし、彼ら以外のアレビオス、スワンソンとアキノラに関してはローン移籍が実現できなかったのは残念だ。
彼らは既にユースレベルを超える水準にある一方で、まだファーストチームでの出番は与えられそうにはない。
怪我で離脱中だったジェームズ・オラインカも怪我がなければローンリスト入りしていたかもしれない。
もちろん彼らが時折ファーストチームの練習に帯同しながら数か月間U-23で過ごすというのはそこまで悪いことではないが、恐らく1月の移籍市場で再び移籍先を探すことになるのではないだろうか。
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