arseblog氏によるマンチェスター・シティ戦振り返り
最後にサッカーの試合がここまで精神的に堪えたのがいつだったかもう覚えていない。もしかすると、2016年のオールドトラフォードでの3-2の敗戦、タイトル獲得の可能性がなくなり、アーセン・ヴェンゲル時代はもう終わるのだろうと感じられた試合以来かもしれない。
土曜日の試合も同じように感じられた。いくつか勘案すべき事情はあるとはいえ、すべてが間違っていた。
メンバー選考
怪我や不在の選手が居たのは理解しているが、昨日の守備陣はこの何年かのアーセナルでも最悪の出来だった。
確かにパブロ・マリのここまでのパフォーマンスは良いものだとは言えないが、なぜコラシナツが起用されたのか、理解に苦しむ。
彼は昨季クラブと監督から全く評価されておらず、アーセナルには控えの左サイドバックが居ないにもかかわらず、それでもローンに出された選手だ。
にもかかわらず、シティ戦でスリーバックの一角として先発することとなった。
報道では、この一週間ずっと彼はフェネルバフチェへのフリー移籍のために契約解除の交渉をしていたそうだ。なぜ我々は彼を起用しているのだ?
マリですらもそうだが、30m£で獲得したCBがフランスで活躍を見せる一方でクラブはコラシナツをCBとして起用しなくてはならないという状況に追い込まれるようなプロジェクトをどうやったら信じられるというのだろう?
今のアーセナルの若手志向のチーム変革にサリバはぴったりの選手だ。もちろんまだまだ粗削りな面もあるだろうが、彼がCBとしてコラシナツより劣っているというはずがない。
既にアーセナルが右サイドバックを必要としているのは明らかだが、ミスが目立ち、良いプレイを見せられない選手に一体何度チャンスは与えられるのだろう?
セドリックのプレイはひどいもので、理想的には彼はもうBチームに降格されるべきだ。そして、中盤が非常にアンバランスだったのは言うまでもなく、当初のプランは8分しか続かなかった。
とはいえ、仮に失点がなかったとしても、シティは中盤で優位に立っていただろう。
失点
1-0
ひどい守備だった。クロスを止めるプレッシャーはなく、マンチェスター・シティの低身長のアタッカーたちが空中戦に勝ち続けたのはありえない。
レノは出ていくべきかとどまるべきか迷ってしまいうまく対処できなかった。チェンバースがギュンドアンに競り負けるとは。
何年か前に右サイドバックで先発し、スウォンジー戦でモンテーロにやられてしまい、この試合はチェンバースのキャリアに傷をつけるものとなったが、今回の試合はそれよりもさらに悪かった。
2-0
まず明確にしておきたいのは、別にアーセナルの選手たちのために言い訳を用意したいわけではないし、どちらにしろシティは勝利を収めていただろう、という点だ。
だが、この得点は取り消されるべきだった。
チェンバースは顔面を叩かれ、地面に倒れていた。男らしくプレイを続けるべきだったという意見には賛同できない。VARが存在している時代なのだから、このように明らかにファウルの場合は、選手はそれを示すべきだ。
映像では一つ、これが明らかに相手選手のパンチだったとわかる角度があった。その後コラシナツがイエローカードをもらった場面を考えると、やりきれない気持ちになる。
これに関しては、選手監督に対して同情の余地はある。単純に誤審だったのだから。
とはいえ、ここに至るまでのアーセナルの守備は言い訳できない。シティのフリーキックに対してアーセナルは棒立ちで、セドリックは奇妙な踊りを見せてボールを相手選手の目の前に弾いてしまった。
3-0
この時点で数的不利に陥っていたが、チェンバースはあまりにも簡単にグリーリッシュにやられてしまい、コラシナツもホールディングも、ガブリエル・ジェズスの位置を全く把握できていなかった。
ロブ・ホールディングは自身の目の前の事象に対しての対応は悪くないのだが、ボックス内での相手の動きに全く気付けず、これはCBにとっては大きな問題だ。
4-0
シティの素晴らしいプレイだったことは間違いないが、チェルシー戦と同じく、セドリックがラインを揃えられず、彼らをオンサイドにしてしまった。コラシナツはシュートブロックに行く代わりにシティの選手の後ろに隠れており、ゴールが決まった。
5-0
クロスからのヘディング。誰もきちんと対応することが出来ていなかった。我々がCB獲得にこの夏乗り出す必要があった理由は明らかだが、そもそもベン・ホワイトが空中戦でどれほどの助けになってくれるのか、まだわからない。
退場
なぜこのファウルは議論の余地があると主張する人がいるのか正直わからない。これは明らかにレッドカードだった。ボールにいっていたかどうかは関係ない(ルールを読んでみて欲しい)。
今の時代には両足を地面から話して飛び込んでいくようなタックルでレッドカードをもらわずに済むだろうと考えるのは間違いだ。
もし相手選手の誰かがアーセナルの選手に対してあのようなタックルを見せれば、我々はレッドカードだと全力で叫んでいることだろう。
もちろんそれが実際にカードが出るかどうかはまた別の話だが、だからと言ってそれが何かを変えるわけではない。
もちろん、確かにこのようなタイプのレッドカードはホームチームの選手と比べてアウェイの選手に出やすいものだということはできる。そして、確かにジャカのこれまでの評判が今回の退場に繋がったという意見もあるだろう。
もしかするとそれは事実かもしれないが、それはジャカがこれまでにカードをもらうようなプレイを見せてきたということでもあるし、ジャカ自身がそれをよくわかっているはずで、そのことが言い訳になるとは思えない。
シンプルに相手にこのような形でジャンプして飛び込んでいくべきではないのだ。地面にとどまるべきだ。
ファンは選手の気迫あふれるプレイを見たいものだが、彼が土曜日に見せたのは単なる愚かな行為だ。
フラストレーションに試合されてしまい、このような行為に出てしまったのかもしれないが、シティ相手の試合というのは11人でも対戦なのに、本来チームの"リーダー"であるべき選手の一人であるジャカはそれをよくわかっていたはずで、彼の試合で難しい試合はさらに難しくなった。
ただし、10人になったからと言って必ずしも試合終了というわけではない。
逆の立場でアーセナルは何度も数的有利を活かせない試合はあった。アーセナルとシティのクオリティの差は明らかだったとはいえ、退場者が出たからと言って、完全に受け身になり、シティにとって状況をあそこまでイージーなものにしてやる必要はなかった。
ミケル・アルテタ
いよいよ監督にかかるプレッシャーは非常に大きくなっている。
アーセナルの監督として、開幕から3連敗、得点0に得失点差-9という成績は受け入れられないものだ(というよりもむしろ、どのクラブにとってもこれはいえるだろう)。彼自身も自身の立場が危うくなっているのを感じているに違いない。
クラブは長期的なプロジェクトに投資しているという姿勢を明確にしており、監督の望む選手に130m£を費やしている以上流石に今すぐに解任ということにはならないだろう(特に3試合のうち2試合が国内トップの2チームだったことも考えれば)が、九月はアルテタにとってすべてを決めるものになるだろう。
彼は結果を出し始めなくてはならない。9月の3試合では、最終戦はノースロンドンだーびだが、勝ち点9を狙うべきだ。
そうでなければ、クラブに選択肢はないだろう。現状もうすでに、ほとんどこのような状況からチームを立て直した例はない、というような状況に陥っている。
アルテタを信じるかどうかは人に寄るだろうが、ここから巻き返すにはある種のミラクルが必要だ。
もちろんここからアルテタは何試合かで勝利も収めるだろうが、このプロジェクトを進めるにあたって適任であることを示すためには、何らかの一貫したスタイル、そして前進している証をアルテタは示す必要がある。
ここまでのアルテタの試合をみて、アルテタが何を目指しているのかがわからない。確かに不在の選手が多かったのも事実だが、パーティとベン・ホワイトとガブリエルがいればチームは一変するだろうか?
私にはそこまでの自身が持てない。もちろん、彼らは土曜日にプレイ示唆た選手たちよりも優れた選手であり、チームは良くはなるだろう。だが、彼らが居ればすべてがうまくはまり、機能するのだろうか。
ここがアーセナルのどん底でなくてはならない。(グアルディオラがアーセナルをやすやすと打ち破っておいて、アルテタがいかに優れた監督であるかほめたたえるのを聞くのはもううんざりだ)
内容、試合に向けた準備、メンタル面、そして当然ながら結果を改善しなくてはならない。
いくつかの不運も重なり、私が見た中でアルテタはいまだかつてないほどアンラッキーな監督なのではないかという気もするが、不運と経験不足、そして間違った決断が、攻守両面で、すべてを描いているチームを作り出してしまっている。
アルテタの仕事に対する姿勢は疑う余地がないし、長く続く文化面での問題を彼が認識しているのも事実だろう。
私はアルテタが、ここまでのアーセナルの衰退の原因の一つとなっている文化・メンタリティを変えてくれるのではないかという期待もしていた。
だが今の時点で、彼に監督として、アーセナルレベルのクラブで結果が出せるだけの力量を備えているのか、疑わずにいることは難しい。
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