【アーセナル移籍決定!】ヌノ・タヴァレスとは?

考察海外記事

アーセナルは夏のチーム再建に乗り出しているが、優先順位が高く、冬の移籍市場からの継続課題の一つが新たな左サイドバックを獲得することだった。

結果的にアーセナルが白羽の矢を立てたのはベンフィカのヌノ・タヴァレスで、彼の獲得がついに公式発表された。

リスボンの街には2つの主要サッカークラブがあり、ベンフィカとスポルティングの2チームがずっとポルトガルリーグのトップの座を争い続けてきた。

彼らはユース選手の育成と若手を外部から獲得し育て上げることを誇りを持ってくクラブの方針としているが、ベンフィカとスポルティングはライバル関係にある。

その点では、タヴァレスはユースキャリアをスポルティングで始め、その後ベンフィカアカデミーに加わったというユニークな経歴の持ち主だ。

彼はユースから台頭すると、2019/20シーズンに怪我をした右サイドバックアルメイダの代わりとしてトップチームデビューを果たすとその翌シーズンは14試合に出場した。

スタイル的には、タヴァレスは攻撃的なサイドバックで前線に駆け上がっていく場面を何度も見せた。ベンフィカは4-4-2を用いて、サイドの選手は二人のストライカーをサポートするという役割を担っていたため、理論上はサイドバックは保守的な選手を起用してもおかしくなかった。

だが、実際はベンフィカのファーストチョイスのオプションであるグリマルドも攻撃的な選手で、9アシストというチームトップの数字を記録した。

このようなシステムはタヴァレスに適しており、グリマルドの代役として、システムを変えることなくチームはプレイすることが出来た。チームがボール保持時の彼の初期配置は非常に高く、ボールを持てばまず彼は前に上がり、相手のサイドバックに1対1を仕掛けようとする。

身長も180cmあり、現代のサイドバックとしては背が高い方だが、彼は高い推進力がある。90分当たりの成功ドリブル数は1.5とこれはポルトガルでプレイする左サイドバックとしてはリーグ4位の数字だ。

彼の走り方はアルフォンソ・デイビスやマルコス・アロンソと似ていて、長いストライドを活かして体を前に傾けながら走るタイプだ。彼が中に向かって入っていくのを止めるのは非常に難しい。

またタヴァレスはファイナルサードで脅威となるだけの選手ではなく、プログレッシブキャリーやプログレッシブパスの数字もサイドバックとしては多く、自陣やミドルサードからのボール前進へも貢献できる。彼はトランジション時に相手にとって危険になれる。

サンプルとなる試合数が少ないのは事実だが(昨季90分換算で9.8試合分にしか出場していない)、彼のような長距離を走れて、相手守備陣にプレッシャーをかけられる選手はアーセナルにとって貴重だろう。

彼の最大の強みがクロスであることは間違いない。キーラン・ティアニーがアーセナルで目立った点の一つ(他にも多くあるが)ファイナルサードで中のチームメイトにボールを通すことのできる能力だが、タヴァレスも技術が高く、バリエーション豊かなクロスを入れることが出来る。

カーブをかけて誰かが触れば何かが起こるようなスペースに入れるようなクロス、ライン際から折り返すようなクロスや、ファーへの浮き球など。しかもこれらのボールを出すまでにかかる時間が少なく、相手のDFを苦戦させるはずだ。

ただし、守備面では彼は安定しているとは言い難い。かなり二面性のある選手で、ギリギリのところで相手の得点を阻むようなカットを見せたかと思うと、次の瞬間には晩御飯のことを考えているのではないかと思わせるようなプレイを見せたりもする。

彼は秀でたフィジカルを持ち、デュエルに強い。タックルも上手く、トリッキーなウイングに対しても対応できるだけのスピードもある。

だが、ポジショニング面で不安があり、スキを突かれてマーカーを追うのに失敗してしまう場面もよくある。

これが単に若さによるもので、今後アーセナルがこの傾向をタヴァレスから取り除けることを願っているが、ここまでの彼のプレイを見る限り、守備は二の次、という印象だ。

昨年10月にベンフィカの監督は『タヴァレスはベンフィカとポルトガル代表の将来を支える左サイドバックになるだろう、間違いないよ。まだまだ多くを学ぶ必要はあるが、彼の攻撃力と前を向いてプレイしようとする姿勢は素晴らしい』とコメントしていた。

だが、ベンフィカで存在感を増していたにもかかわらず、ピッチ外での騒ぎに彼は巻き込まれてしまった。SNS上でタヴァレスの美容師がチームメイトのグリマルドを罵倒する動画が流出し、さらにライバルのスポルティングのシンボルであるライオンのタトゥーを入れていることが明らかになり、ベンフィカファンからの非難を集める存在となってしまった。

また、彼は自信過剰に陥っているのではないかという指摘もあり、パフォーマンスに見合わない大口を叩いているという懸念もあった。

アルテタが規律面をかなり重視するタイプの監督であることを考えると、こういった経歴のある選手はクラブがあまり望んでいない存在のようにも思える。ただし、既にこれらの点について話し合い行われており、クラブや監督が納得の上で連れてくるのであれば、環境の変化はポジティブに働くかもしれない。

ピッチ上でのプレイだけを見れば、この獲得は非常に理に適っている。高額のベテランの控え左サイドバックを獲得するのではなく、ティアニーの控えとなれる、あるいはティアニーからスタメンの座を奪い取れる、それがかなわなくとも獲得時と比べて市場価値を下げずに売却が可能である、という3つのうちどれかは達成できそうな若手を獲得したわけだ。

まだトップレベルでの出場経験が少ないため、実際のポテンシャルを測るのは難しいが、将来有望な選手が8m€程度の額で獲得できたことになる。

アーセナルは左サイドバックを必要として、この獲得を最低限の予算で行った。タヴァレスがプレミアリーグで獲得出来る素質を備えているのは間違いない。ただし、それを実現させるかどうかは今後に懸かっている。

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Posted by gern3137