アーセナルの夏のオーバーホール
2021年の夏の移籍市場は6/9に公式に始まり、8/31に終わる。アーセナルの課題は盛りだくさんだ。
スカッド刷新の必要性と欧州コンペティションの不在
我々は毎年夏になるたびに『この夏の移籍市場は今までで最も重要になる』と言っている。この数年間のアーセナルの問題はわかりやすい。
3人の監督を据えたが結果は改善しておらず、これは問題は監督だけでなく、スカッドのクオリティにもあるという事を示している。
チームを強化しなければアーセナルが前進することはなく、そういった意味で車輪が回り始めるかもしれないという一筋の希望を抱かせてくれる移籍市場をファンが楽しみにするのももっともだろう。
アーセナルのスカッド刷新が必要だというのはもう何年か前から分かっていたことではあるが、それが実現しなかった背景にはいくつか理由がある。
アルテタの監督就任当初はチームは再びエネルギーが注入されたかに見え、一旦成績は上向いたものの、それも長続きはしなかった。
アーセナルは応急手当的な策を打つことを長く続けすぎており、長期間にわたって競争力のある文化を醸成できていない。
次のシーズンはアーセナルにとって25年ぶりとなる欧州コンペティションの出場権がないシーズンだ。
アーセナルのようなビッグクラブにとって、チャンピオンズリーグ出場権はマストだ。この数年というもの、我々はヨーロッパリーグをCLへの足掛かりだと考えてきたが、試合の日にきちんとしたパフォーマンスを見せなければ、ヨーロッパリーグへの出場権すら失ってしまうという事が示されたわけだ。
だが総合的に見て、欧州コンペティションを戦わなくてよいのはアーセナルとチームの刷新にとってプラスに働く可能性はある。プレミアリーグに集中することが出来るからだ。
層の厚さもそこまで必要ないし、リソースを全て38試合戦えるだけの強力なファーストチームを作ることに割くことが出来る。
とんでもない数の退団可能性のある選手たち
この夏アーセナルはガレージセールを行うだろう。私は元から移籍市場が好きなたちで、いつも注目しているが、信憑性がそれなりにありそうな退団の噂が移籍市場が開いてすらいない段階でここまで多く出るのは今まで見たことがない。
現時点で既に13人の選手の退団が噂されており、彼らそれぞれにそれだけの理由がある。
レノ: 残り契約が2年となっており、選手側に契約延長のつもりがなさそうだ。
ジャカ: 2020年の1月の移籍市場で移籍を希望していたがアルテタが慰留、現時点でASローマへの移籍が近づいているようだ。
エンケティア: 出場機会が最近は限られており、多くのプレミアリーグのクラブが狙っている
マヴロパノス: シュツットガルトで印象的な活躍を見せ、ミスリンタートが高く評価している。サリバが戻ってくるのであれば、ファーストチームに居場所はなさそうだ。
ウィロック: ローン先のニューカッスルのベストプレイヤーだが、アーセナルは彼に出場機会をコンスタントに与えられるだろうか?
ナイルズ: アルテタが3-4-3の採用をやめたのと共にチームに居場所がなくなり、彼もまたプレミアリーグの数クラブが興味を示している。
ラカゼット: 残り契約が一年となっている。ローマとアトレティコからの興味が噂されているが、具体的ではない。だが、最終的には移籍となるのではないだろうか。
ネルソン: ほぼ1年プレミアリーグ先発がない。ウィリアンの獲得という悲劇的な決定のせいで状況は難しくなった。アーセナルは売却を考慮するだろうが、私個人としてはローンに出すべきだと思う。
ゲンドゥージ: アルテタとは目も合わせないだろう。残り契約が一年だが契約延長はありえず、マルセイユ行きが近づいているようだ。
トレイラ: アトレティコにローンに出たがあまり出場機会はなかった。アルテタの中ではトレイラよりエルネニーの方が序列が上なのだ。対談は避けられない。
コラシナツ: ロンドンを去ってドイツに行きたがっており、アーセナルが給与を部分的に負担する形でシャルケにローンに出た。シャルケが残したがっているという噂もあるし、トルコ方面の興味も報じられている。どちらにせよ、退団は間違いないだろう。
ウィリアン: 夏の退団が濃厚だと報じられている。アーセナルが移籍金を得られるかはわからないが、私個人としては退団に何の問題もないと思う。
ベジェリン: 興味を持つクラブが多くあるようで、最近はレアル・ベティス移籍の噂があったが、彼はCLスつ条件があるクラブに移籍するのではないだろうか。昨季アルテタは一年後の移籍を条件に慰留したと報じられており、7年間のベジェリンのアーセナルでのキャリアに終止符が打たれる可能性はかなり高そうだ。
アーセナルが獲得する可能性のある選手は?
報道ではアーセナルはレノの代役を探しており、アヤックスのアンドレ・オナナを注視しているようだ。さらに、オーストラリアのFOXスポーツのインタビューでライアンはアーセナルへの残留希望を語っており、第二GKは来季もライアンが務める可能性は高そうだ。
GKに関してはまだまだ不透明な場面も多く、オナナの薬物検査の処遇などもアーセナルのプランに影響を与えそうだ。
CB候補で最も信憑性がありそうな噂がありそうなのはエドモンド・タプソバで、アーセナルはダビド・ルイスの代役となるCB獲得を狙っていると報じられている。アスレチックによると、アダラバイヨも候補に入っているようだ。
中盤は何人かの退団が可能性があり、アーセナルは複数MFを獲得するかもしれない。アンカーとボックストゥボックスの両方がこなせるのがビスマで、彼のインスタグラムと彼の代理人が流している噂を見る限り、アーセナルが動けば獲得できる可能性は高そうだ。
攻撃的MFは第一優先はウーデゴール、代役にブエンディアのようだが、カルロ・アンチェロッティの監督就任により、ウーデゴールも心変わりしてレアル残留を決める可能性はあるだろうが?
ブエンディアはスマートなオプションかもしれないが、決して安くはないだろう。
さらに、ベジェリンの代役となる右サイドバックとティアニーの控えを務められる左サイドバックも必要だろう。さらに、退団次第で左ウイング、あるいはストライカー獲得の可能性もあると思うが、現時点で具体的な候補の情報はほとんどない。
移籍市場が始まればよりクリアになるだろうか、アーセナルは6つほどのポジションで補強を行う可能性がある。
アーセナルは夏に投資を行うか?
ファン全員が考えているのは『アーセナルは投資をするか?』だと思うが、読者の皆さんがお前はクロエンケの回し者か、と批判する前にまず私はクロエンケアウト派だという事は明確にしておきたいと思う。
彼は恥知らずのオーナーで、クラブの衰退に一役買っている。
だが、この移籍市場に関して言えば、私はアーセナルはそれなりの資金をつぎ込むのではないかとかなり楽観的に見ている。
①アルテタは会見で『我々が持つリソース』についての話をしており、オーナーに投資の意志があることを示唆した。
②報道に合った通り、アーセナルは社内会議で投資プランの話をしたらしい
③AFCBellもKSEの上層部が夏に例外的なアクションを起こすと語った、と報じていた
④ジョシュ・クロエンケはASTとのミーティングで、4月第一週に既にエドゥとアルテタが夏の獲得プランを提出していると語っていた。
⑤デイビッド・オーンスティンが欧州コンペティションの不在によりアーセナルが資金を使えなくなるわけではないと示唆した。
⑥アルテタとの関係性が深いグアルディオラがインタビューでアーセナルは夏に投資を行うだろうと語っていた
もちろん、これらは全てアーセナルのイメージ戦略に過ぎず、実際には分からないという声もあるかもしれないが、アーセナルが夏に何らかの投資を行うだろうという事を示す材料は非常に多い。
それがどれくらいの額になるかは誰も知らないが、火のない所に煙は立たぬ、という。
オーナーから、あるいは銀行からの借り入れによるファイナンシングに加えて、ついにアーセナルの選手給与は良い程度に抑えられつつある。
最近のアーセナルは疑問の余地がある契約がいくつかあり、それにより金銭的に制限されてきたが、新しく加わるリチャード・ガーリックが今後の契約管理については担当するだろう。
今年の初めにエジル、ムスタフィ、ソクラティスといった選手が放出され、コラシナツもローンに出された。夏にルイスの契約も切れることを考えると、今年アーセナルは年間で45m£程度の給与削減に成功しているはずだ。そして、上の13人に退団の可能性が出ていることを考慮するとさらに減るはずだ。
これらの削減額と移籍から得られる額、そして外部からの何らかの融資を合わせて考えると、この夏は興味深いものになるはずだ。
この夏アーセナルが賢い立ち回りを見せられれば、トップ4を狙えるような強いスカッドが揃えられるに違いない。
時間が立てば、クロエンケ、アルテタ、エドゥ、そしてこれに関わる人物たちがこの希望を現実に帰ることが出来るかが明らかになるだろう。
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