この夏はエドゥにとって非常に重要なものとなる
8位でシーズンを終え、アルテタの手腕に注目が集まるのは無理もないことだ。この夏においても、クラブを前に進めるうえで彼が責任者となっている。
だが同時に他に誰がこの夏のビジネスに携わっているのかを考えるのは重要だ。
矢面に立つのは監督になるだろろうし、来季はアルテタにとって正念場となるが、それはテクニカルディレクターにとっても同じだ。
正直に言って、昨夏突然サンジェイがクラブを去った際に、エドゥが残留したのは少々驚きだった。エドゥとサンジェイは非常に近しい関係にあったからだ。
だが、エドゥとアルテタの関係は良好だったようだし、もしかすると、フットボール長とテクニカルディレクター両方を同時に同じ時期に失うのは流石にやりすぎだという判断だったのかもしれない。
報道によるとその後、エドゥは自身が移籍関連の中心人物であるべきだと主張しているそうだが、これはポジティブにとらえることはできる。
彼は責任の所在を明確にしており、移籍市場の成功と失敗において誰が賞賛を、あるいは非難を浴びるべきなのか、外部から見てもわかりやすい。
もちろんクラブの誰かにそこまで強い権力が集まり、然るべきチェックアンドバランスの仕組みが機能していないかもしれないとなると、少しの懸念はあるが、我々はエドゥ率いるチームが成功も失敗もあった昨夏から学んでくれたことを祈ることしかできない。
6/9に移籍市場は開幕するが、フロント陣にリチャード・ガーリックが加わるのは貴重な戦力となってくれるかもしれない。
だが、エドゥが夏に行わなければならないビジネスについて、我々は何に基づいて彼の手腕を評価すべきなのだろうか?
アーセナルが誰を獲得するか
最も分かり易いのは選手獲得だろう。スカッド中が穴だらけで、全ポジション補強が必要だという事も出来るが、特に鍵となるエリアがいくつかある。
最低でも一人のCMFの獲得は必要不可欠だ。現在の段階では何人かMFはいるが、ゲンドゥージとトレイラは戦力外のようだし、ジャカはローマ移籍が近づいている。
彼らを除くと、トーマス・パーティとエルネニーしかいないが、エルネニーは悪くないローテーション要員だがそれ以上ではなく、パーティにはより秀でたパートナーが必要だ。
ジョー・ウィロックやなメイトランド=ナイルズもおり、他にも層の厚さという点では控えはユース上がりの選手たちによってまかなえるかもしれないが、38試合のリーグ戦全体のクオリティを上げるには、投資が絶対に必要だ。
また、クリエイティビティもチームが抱える問題で、だからこそクラブはウーデゴールの完全移籍での獲得に動いているはずだが、この取引はレアルの新監督のプランに彼が含まれるかどうかが焦点となりそうだ。
アーセナルには右サイドバックも必要だし、ティアニーの控えを獲得するのも重要だ。
ただし、この獲得はかなり難しいものになるだろう。怪我さえなければティアニー派絶対的なスタメンになるはずで、そんな中誰に彼の控えを務めさせるべきだろうか?
これは本格的に難しい問題だが、だからこそアーセナルはその問題を解決させるためにフロント陣に莫大な給料を支払っているのだ。
報道の流れを見る限り、アーセナルは右CBも真剣に探しているが、もしそうだとすると、我々が2年前に下したサリバを28m£費やして獲得するという決定に疑問符が付く。
このような大金を2年間一度も試合に出場していない選手に費やすというのはリソース配分のまずいやり方だと言わざるを得ない。
アーセナルは攻撃陣はエキサイティングな若手もいるし、そこまでテコ入れの必要はないと思うが、それも放出次第で、少なくともストライカーの獲得候補は考えておくべきだろう。
誰から選手を獲得するか
代理人との関係というのは時として必要だし、良い面もある。
だが、私個人としてはエドゥのキア・ジューラブシャンとの関係については未だに懸念だと考えている。
彼がかかわったダビド・ルイス、セドリック、ウィリアンといった選手たちの獲得(ルイスに関しては契約延長もだ)は、選手たちと代理人にとってはハッピーなものだったかもしれないが、我々にとってはそこまでよいものだったとは言えない。
ルイスは同僚の間で人気のようだがミスをする傾向にある年齢のいったDFだし、セドリックは最近構想外と言っても良く、直近の11試合で45分しか出場していない。それにもかかわらず、なんとアーセナルの良心的な事か、まだ彼との契約は3年残っている。
そして、ウィリアンに関しては総合的に見て、アーセナル史上最悪の選手獲得にかなり近いと言っていい。
この中で、アーセナルがさらにジューラブシャンが代理人を務める選手を獲得すれば、かなりイメージが悪いものになるに違いない。クラブと彼の関係性は非常に不健康だという見方はさらに強まるだろう。アーセナルはジューラブシャンのクライアントの選手を放出する必要があるのであって、これ以上加える必要はない。
エドゥは誰を売却することが出来るか
これに関しては、少し同情の余地はある。なぜなら、この夏の市場の状況は非常に難しいものになるのは間違いないからだ。
アーセナルが放出したい選手たちを獲得しようと多くのクラブが待ち構えている、というのは幻想だし、我々は当初の想定よりもかなり低い額での売却を受け入れなくてはならないケースもあるだろう。
これは選手獲得にも当てはまる話のはずで、選手を買う際には今の市場の状況を最大限利用すべきだとは思うが、我々の選手売却に関して、他クラブは同じことを考えているだろう。
この夏はローン移籍が恐らくかなり増えるだろうが、他の投資に回すために、我々は出来る限り完全移籍での売却を進めなくてはならない。
もちろんオーナーから、あるいは銀行からの借り入れで夏の資金に少しの余裕が出来る可能性はあるものの、勘違いしてはいけないのは、それはKSEからのプレゼントではないということだ。
それらは借金で、いずれは返済しなくてはならない。
したがって、非常に難しい仕事なのは間違いないが、この夏のエドゥの大きな仕事は、放出する選手たちから得られる資金を最大化することだ。
エドゥは賢い立ち回りを見せられるか
変革を恐れる人々もいる。チームの再建を叫びながら、今のアーセナルの停滞と衰退の一部となっている選手をチームに残すべきだと主張する人もいる。
クラブ全体として、アーセナルは決断力を欠いたことが何度もあり、特に契約管理は現在進行形の課題で、改善しなくてはならない。
アレクサンドル・ラカゼットを例にとってみよう。彼はもうすぐ30歳で、契約は残り1年だ。
もし彼と契約延長を行わないのであれば(そして、私が思うにアーセナルがラカゼットと契約延長を行うべきだという理由は見つからない)、我々は彼を売却しなくてはならない。
高額の移籍金を支払って獲得した選手をまたしてもフリーで放出するのは愚かなことだ。先ほどの放出選手から出来るだけの移籍金を捻出する、という点にも繋がる。
エンケティア、チェンバース、エルネニーも残り契約が1年となっており、延長にせよ放出にせよ、決断を下さなくてはならない。
残り契約が2年となっている選手も多く、彼らの将来に関しても既に注意深く考え始めなくてはならない。
契約延長か、それとも最も高額な移籍金が得られそうな段階で売却するべきか?
簡単ではないが、それがエドゥの仕事だ。
アーセナルには来季欧州コンペティションがないので、来季はスカッドの人数が減っても問題ない。2022/23シーズンに欧州にも対応できるようなスカッドを作り上げればよい。
もちろん22/23シーズンの欧州コンペティション出場権を当たり前の物だととらえてはならないが、だがこれが達成できないとしたら、とんでもない大失態だ。
監督はピッチ上で起きる事象に関しての責任がある。だが、テクニカルディレクターのエドゥはアルテタがどんな選手をピッチに送り出せるか、という選択肢を与えるうえで果たさなくてはならない重要な役割がある。
当然ながら彼ら二人は協力してこの課題に取り組むことになるだろうが、もしどちらかが失敗すれば、2人ともアーセナルから去ることになるだろう。
今の状態を見るに、今回のプロジェクトが失敗した場合、アルテタとエドゥのうちどちらかが一方から距離をとることが出来るとは思えない。
もちろん、状況がそこまで悪いものにならないのであれば、アルテタの立場の方がエドゥよりも安泰だと思うが、そもそもこの夏にどのような取引が行われるかがアルテタの去就にも関わってくるだろう。
ウーデゴールをシーズン途中で獲得したのは素晴らしいもので、正しい方向への第一歩だった。報道によると、エドゥはバロガンとの契約延長に成功し、フリー移籍を防ぐうえで中心的な役割を果たした層だ。
1月の選手放出に関しては、そこまで難しい仕事ではなかった(単にアーセナルが残りの給与を支払っただけなのだから)だろうが、それでもいずれ行われなくてはならなかったことだ。
とはいえ、まだまだ今後次第だ。アーセナルとサッカー界の課題は見えているが、エドゥにとってこの夏が非常に重要になるだろう。あまりミスの余地はない。
私は、エドゥが良い仕事をしてくれることを願っている。なぜなら、エドゥの成功はアーセナルの利益になるからだ。今から移籍市場閉幕までのエドゥの手腕にアーセナルファンが注目しているだろう。
source(当該サイトの許可を得て翻訳しています):
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません