モハメド・エルネニーの話

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今日は少しモハメド・エルネニーの話をしよう。今季の始めの時点で私は彼にあまり出場機会が訪れないのではないか、と予想していた。

だが、あとから振り返ってみれば、エルネニーがユナイテッド戦で先発したのは驚きではなく、筋が通っている。

彼を中盤の他のオプションであるダニ・セバージョスやグラニト・ジャカと比較してみると、彼はより機敏で、よりエネルギーがあり、そして最も重要なことに、技術面で安心をもたらす。

セバージョスの方がよりクリエイティブだし、ジャカの方がパスレンジには優れているだろう。だが、エルネニーはほとんどボールロストがない選手だ。

タイトなエリアでも彼にボールを渡すとボールを奪われてしまうのでは、などといった心配はいらない。一方で上の二人は時折ボール保持時に相手につかまってしまうことがある。

また、エルネニーは技術に秀で、一貫性があり常に100%全力であるという点において、アルテタ自身を彷彿とさせるところが少しある。

エルネニーはある週は90点だが次は40点、というタイプの選手ではなく、常に安定して70点をたたき出せるタイプだ。これは見方によっては非常に有用で、特にアルテタのような構造的なサッカーを志向する上では役に立つ。

今回のエルネニーの復活は非常に劇的な逆転劇だといえる。ムスタフィとひとくくりにされてしまったため、人々はあまりはっきりと覚えていないが、エメリは2019年の夏にエルネニーに関しても、新しいクラブを探すべきだとコメントしていた。

思うに、彼ら(ムスタフィとエルネニーのこと)は他の場所で、自らが主人公となれるチームを見つけ新たなチャレンジをするべきだ。昨年ムスタフィとモウはプレイ機会が少なくハッピーではなかった。彼らとはプレシーズンでも話をしたよ。

ハッピーに彼らのキャリアを続けられる場所を探すのが、彼らにとってはポジティブなことだと思う。

あなたが彼らについてどのような評価を下していようとも、このように監督から戦力外通告をされるのは屈辱的なものだ。ムスタフィはそれでもチームに残ることを選んだが、エルネニーはベジクタシュにローンに出る道を選び、そこでなかなかの活躍を見せた。

エルネニーについて同年にアーセン・ベンゲルは以下のようにコメントしている。

彼はモダンなスタイルの選手で、常にチームのために全てを捧げる。エルネニーは戦術面で非常に有用だ。彼はピッチ上でとてもアクティブで、彼がいかにチームを守るかは印象的だ。

そして、これとアルテタのユナイテッド戦後のエルネニーに関するコメントをあわせて考えると、彼を先発起用するという決断がいかに理に適ったものであったかというのが見えてくる。

私はエゴがない選手が好きだよ。彼らは試合開始直後でも、終了間際でも、チームに貢献したいという気持ちが変わらない。エルネニーは常にポジティブで、クラブの文化に貢献している。

92分の時点でユナイテッドをボールロストに追い込んだプレスをかけた場面は、エルネニーのような選手を監督がなぜ信頼できるかをまさに示している。

時々、選手は周囲を囲む選手のクオリティによってレベルアップするということはあることで、まだ結論を下すのは早いだろうが、パーティとコンビを組んだエルネニーがアーセナルで史上最高のパフォーマンスを見せたというのは興味深い。

まだ我々は彼のことを4試合しか見ていないが、トーマス・パーティはクオリティという点で言えば、アーセナルの中盤の他の選手と比べて、明らかにワンランク上の選手で、これはサンティ・カソルラ以来のことだ。

もちろん彼らは全く違うタイプの選手であり、スタイルは比べられないが、パーティが近年アーセナルに在籍している/していたMFの誰と比べてもアップグレードであるのは間違いない。

このような選手とプレイすることで、エルネニーは成長を遂げることになるだろうか?

まだもう少し様子を見る必要があるが、エルネニーは今後に非常に期待が持てるパフォーマンスを見せた。

そして最後に付け加えると、アルテタのエゴに関するコメントも非常に興味深い。何故なら彼は選手個人よりもチームを優先することを何より求めるタイプの監督だからだ。

過去の監督と比較するのは難しいものだが、少し1986年にジョージ・グレアムが監督に就任した時を彷彿とさせるものがある。彼はスーパースターの名声などは全く気にかけず、誰に対しても常に100%を発揮することを要求した。

当時もまた何人かのビッグネームたちが監督、そしてチームのために尽くすことのできる選手に取って代わられ、その結果チームは競争力を取り戻し、最終的に成功を収めたのだった。

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Posted by gern3137