メスト・エジルのアーセナルでの時間の悲しい終わり

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アーセナルがヨーロッパリーグのスカッドリストを発表したが、その中にエジルとソクラティスの名はなかった。外国籍選手の数の関係で、アルテタは彼ら二人を外さなくてはならなかったのだ。

そして、プレミアリーグに関しても同様の決断を10/20までに下す必要がある。

今季ここまでの様子を見ていれば、これは特にサプライズとは言えず、彼ら二人はカラバオ杯ですらベンチ入りすらしなかったし、移籍市場終盤にアーセナルはソクラティスを放出しようとしていた。

結果的に話はまとまらなかったが、ソクラティスが監督の中で大きく序列を落としているのは明らかだ。

だが、エジルに関して言えば確かにサプライズではなかったとはいえ、それが重要な問題であり、ストーリーであることに変わりはない。

彼はチームで最高給を得る選手であり、地位的にも他のチームメイトの及ばないナンバーワンのスター選手だ。ステータス的には彼と比較しうるのはオーバメヤンのみで、ちょうどELのメンバー外が発表された日に彼はツイッターのフォロワーが2500万人に達したことを感謝するツイートをしていた。

エジルのキャリアは何がきっかけでこのような事態になってしまったのだろうか?

まず、これが一夜にして起こったわけではないというのは心に留めておくべきだ。我々は非常に長いことこの問題について話しており、エジルの状況は少しずつ悪化していった。

恐らく、元をたどっていくとアーセン・ベンゲルの時代にまでたどり着くだろう。

ベンゲルはエジルを他の選手よりも特別扱いをしていたそうで、サッカーAMでのアーロン・ラムジーのインタビュー動画でも、もちろん100%真剣なトーンではないが、ラムジーは監督のお気に入りはエジルだとコメントしていたのは非常に示唆に富んでいる。

『メストは他の選手より余計に休みが与えられるし、いつもボスの部屋で何かを頼んでいるような気がする、そしてそれが与えられているようだね』

ベンゲルのもとある種エジルが甘やかされていたことに疑いの余地はない。だが、もちろんこれ自体が悪いことだというつもりはない。

どうやら、エジルの力を最大限に引き出すにはこのようなアプローチが必要だったようだ。

どう考えてもエジルは厳格に、選手に活を入れるるような態度でマネージメントするよりも、優しく肩に手を回してやる方がその実力を引き出せるタイプだ。

もちろんそのような特別扱いを特定の選手が受けることへの賛否はあるだろうが、このようなアプローチで、ベンゲル時代にエジルが最も輝いていたのは間違いない。

しかし、この時から既に、最近のエジルの特徴となってしまったアウェイのイングランド北部の試合でミステリアスな理由で試合に欠場する傾向などは見られていた。

チームスポーツでは、チーム全員が一体となる必要がある。エジルがフィジカルな試合を好まなかったのは事実だろう。エメリがエジルに疑問を抱いたのも、それまでの経緯を考えれば無理もないことだ。

エメリは誰にとっても平等な場所にアーセナルを変えようとし、特定の選手を特別扱いしないことを目指した結果、アーセナルに来て数週間でエジルと衝突することになった。

報道によると、ウエストハム戦で先発を外れたことを告げられたエジルは怒りのままに練習場を飛び出し、そこからすべてが悪化していったようだ。

とはいえ、エメリは毅然とした態度でこのような状況に対処できるほどの意志の強さを持ち合わせておらず、チームに攻撃力が必要となった際にエジルの力を再び借りてしまい、結果として立場の弱さを印象付けることとなってしまった。

ユングベリがアーセナルを率いていたのはたったの5試合だが、その短い期間中ですらエジルとの問題を抱えており、アルテタでエジルに疑問を呈した監督は3人目ということになる。

これを見るに、何か共通して彼らのメンバー選考に影響を与える要素をエジルが含んでいるのは明らかだが、具体的にそれが何なのかは今のところ我々には分からない。たくさんの推測はなされているが。

それはエジルがウイグル自治区のムスリムの弾圧に対して声を上げたことなのだろうか?

だが、件のツイートは2019年の12月に行われ、その後もエジルは12試合に出場している。したがって、それは考えづらい。

では、給与カットの拒否が影響したのだろうか?

これが直接の原因となったに違いないという者もいるが、中断後も数試合はエジルはベンチ入りはしていた。さらに、メディアによって報じられたのはエジルだけだった(これは非常にアンフェアなリークだったと個人的には思う)が、実際にはエジル以外にも給与カットを拒否した選手は2人いた。だが彼らは毎週プレイしており、これが直接の原因と考えるのは筋が通らない。

ミケル・アルテタはクラブ上層部から圧力をかけられ、エジルをメンバー外にしているのだろうか?

ラウール・サンジェイがエジルのメンバー外を要求しているのだ、と主張する者もいたが、今やサンジェイはいないが、それでもエジルはメンバー外だ。

エジルとクラブの間で何らかの緊張があるのは間違いないが、だからと言ってアルテタが経営陣がエジルを外せというからという理由でサッカー上の理由よりも優先してメンバー選考を行うとは個人的には思えない。

アルテタであれば、政治的な駆け引きと関係なく、自身が試合に出したい選手を選ぶのではないだろうか。

究極的には、恐らくこのうちのどれか一つが理由、ということではないのだろう。問題と状況が複雑に絡み合って今の事態に発展したのではないだろうか。

衰え始めた選手と、ステータスや給与に関係なく選手に全く妥協するつもりのない監督。それが才能ある(そのことはともにプレイしたアルテタが一番よく知っているはずだ)元チームメイトをメンバー外にするという結果になったとしても。

当然ながら、現在の結果も大事だが、アルテタの仕事の一部は将来に備えたチームを作ることでもある。残り契約が9か月の31歳の選手にチームの居場所がなくなるのも当然といえば当然かもしれない。

とはいえ、私はアルテタが出来ることなら昨季の終盤、そして今季でさえも、試合によってはエジルの経験に時折頼りたかったはずだ、と思う。

だが、時にはチームの総合的な利益のために難しい決断を下さなくてはならないこともある。自身のアイディアをチームに浸透させ、監督としての地位を固めるためにはある程度の犠牲も必要なのだろう。

では、アーセナルとエジルの今後は?

苛烈な批判にさらされているが、エジルに契約をオファーしたのはアーセナルだ。エジルにはその全額の給与を受け取る権利がある。

私やあなたが契約通りの給与を受け取る権利があるのと同じで、それはサッカー選手でも変わりはない。こうなった以上はアーセナルがエジルに給与の全額を支払わなければならないのは揺らがない。

だが、もしエジルが今後ELでプレイせず、プレミアリーグのメンバーも外れるのであれば、何らかの解決策を講じるタイミングだろう。

このままエジルとアーセナルが毒々しい関係性をサッカー界中に注目されながら契約の残りを過ごすのは、クラブにとってもエジルにとっても健全なものだとは言えない。

今の状態が来年の6月まで続くことを望む人間は誰もいないはずだ。

エジルがメンバーを外れたとしても、練習に参加しているだけでいつ何らかの衝突に発展しないとも限らず、エジルのように有能なメディアチームを持つ選手ならなおさらだ。

給与の全額を支払っての契約解除にどれくらい実現の可能性があるのかわからないが、人づだけ言えるのは、本当に残念でならないということだ。2013年にあそこまでの興奮を持って迎えられた選手のアーセナルでの時間がこのような形で終わらなければならないということが。

既に恥ずべき事態にまで発展しているが、状況がこれ以上怨嗟に満ちたものとなってしまう前に、何らかの友好的な終わり方を見つけ出す必要がある。

Source(該当サイトの許可を得て翻訳しています):

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Posted by gern3137