アーセナルのセットプレイでの脆さに関して

分析

アルテタが監督に就任して以降、アーセナルの守備が改善したのは間違いない。ここまでのところアーセナルは一試合平均0.8失点しかしておらず、これでもまだそこまで良いとは言えないが、エメリ時代の1.45と比べれば大分ましだ。

だが、現状のアーセナルの鎧のひびともいえるのが、セットプレイだ。最近でも、シェフィールド戦の失点はストークのようなロングスローにアーセナル守備陣が全く対処できなかったため生まれた。

最近は非常にソリッドなプレイを見せていたロブ・ホールディングだが、この場面ではふわりとしたボールに対してロブ・ホールディングは川からは跳ね上がるサーモンのように飛び上がり、そして、完全にヘディングを空振りした。

そして、セヤド・コラシナツはムスタフィに向かってボールをクリアしてしまい、シェフィールドにそれを拾われ失点した。

その前には、ブライトン戦でショートコーナーからルイス・ダンクに得点を決められているし、さらにさかのぼれば、オリンピアコスが我々をEL敗退に追いやったのもセットプレイからの得点だった。

これ以外にもアルテタのチームがセットプレイから失点した場面はまだいくつかあるが、これだけでも懸念を抱かせるのに十分だろう。

だが、期待が持てるのは、アルテタがこの弱みを排除するために全力を尽くしているよう見える点だ。

先日のArsecastで指摘されていた通り、今のアーセナルは特に長身なチームだとは言えず、そのおかげで我々は空中戦の脅威に対処できないのかもしれない。

もしケガがなければ、恐らくブライトン戦ではパブロ・マリがプレイしていただろう。彼は190cm以上の新ちょぐああり、ロングボール戦術に対処できていただろうからだ。さらに、ここにサリバも加わるため、アーセナルの守備陣の平均身長はずいぶん高くなる。

また、最近セットプレイからの失点が多いのは、アルテタが守備時にゾーンディフェンスを採用していることとも関係があるように思われる。

エメリ時代のマンマークではなく、グアルディオラやベンゲルが好んだゾーン型の守備をチームに植え付けようとしているようだ。

もちろんエメリではなくベンゲルとグアルディオラの後をたどろうとするのは至極まともなことではあるが、変革には少し時間がかかる。

既にベンゲル時代でのプレイ経験が多い選手は減ってきており、多くの選手はエメリのマンツーマンスタイルに慣れている。

もちろんそれは可能ではあるが、マンツーマンからゾーンディフェンスへの移行は少しトリッキーなものだ。

現状で、アーセナルのセットプレイ時の守備が懸念のもとであることは間違いない。だが、時間をかけ、忍耐を持って見守れば改善してくれることだろう。

新たな選手たちと、戦術の理解が進めばおのずと解決されるはずだ。

アルテタは非常に自己批判的な人物のように見受けられるし、それは非常に良いことだ。問題意識がなければその問題を解決することは出来ないのだから。

アルテタはここまで少しずつチームを正しい方向に進めているように見える。同じように、彼がセットプレイの課題も解決し、アーセナルがより強固に相手のセットプレイを守備できるようになることを祈ろうではないか。

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Posted by gern3137