アーセナルの不穏な契約と選手獲得、そして都合の良い代理人

フロントarseblog,海外記事

少し契約延長と選手獲得の話をしよう。

昨夜の12:00が、プレミアリーグが設定された、今季終了までに契約を延長する場合の期限だった。アーセナルはこのままではルイス、マリ、セドリック、セバージョスの四人が契約切れとなるため、昨日までに何らかの結論を出す必要があった。

昨夜の19:20の時点でアルテタはこの件について聞かれ、彼らを留めたいと述べた。そして、『法的な問題なども絡んでくるため、複雑な問題だが、クラブはあと数時間以内に問題を解決するため全力を尽くしている。』とコメントした。

まず我々が疑問に思わなくてはいけないのは、これらの選手に関する決断を下すのは何日も前に出来ることだったのに、なぜ締め切りギリギリになって今更行っているのか、という点だ。

怪我の影響などもあるとはいえ、課題をぎりぎりまで先延ばしにするのは賢いやり方とは言えない。

アーセナルは多くの契約の問題を抱えているのにもかかわらず、昨年の9月にジョー・ウィロックが新契約を結んでいこう、誰とも契約延長を行えていない。

契約担当のハス・ファーミーは毎日何をしているのか、と思わざるを得ない。

もちろん、ごく最近は彼は忙しくしていたはずで、結果的にアーセナルは

・ルイスを獲得した際に2年契約にすることを拒んだにもかかわらず、今回契約延長を決め
・セドリック・ソアレスを完全移籍で4年契約で獲得し
・マリもまた完全移籍で4年契約で獲得

した。

ダビド・ルイス

正直なところ、どれほど現アーセナルフロントの仕事のポジティブな点を見出そうとしても、全く見出すことが出来ない。

セドリックとパブロ・マリはともかくとしても、特にダビド・ルイスの破格の週給をアーセナルがもう一年分支払うつもりでいることが信じられない。

シーズン末までの短期延長ならわかるが、既に衰えが始まっているDFをもう一年高額でチームに留めることの利点が全くわからない。

サッカー界中が混乱している今こそ、チームの刷新に乗り出し、ベテランたちを放出するのに完璧なタイミングだったはずだ。

また、ファンの心理という点からいっても、フロントは完全に読み間違えている。

セドリック・ソアレス

アーセナルにはバックアップの右サイドバックが必要で、既にクラブで6か月を過ごした彼はロンドンの勝手を知っている。

とはいえ、28歳でサウサンプトンを放出されるような選手に4年契約というのは少しやりすぎのように感じられなくもない。

サンジェイによると契約が残り二年となった時点で放出か延長を決めなくてはならないそうなので(最近はそれもあまり守られていないが)3年契約だと来年決断を下さなくてはならないから、という理屈もわかるが、それでも4年契約は、セドリックは喜んでいることだろう。

パブロ・マリ

精度の高い左足を備えたCBというのはアーセナルが望む選手像にマッチしている。ただ、彼のここまでのキャリア的にトップレベルでどれだけ通用するかが測ることが出来ず、また、アーセナルでも怪我のせいでその機会が得られなかったのが気になるところである。

だが、この3人の中では一番理解が出来る獲得ではある。ここまでヨーロッパで活躍していないということはプレミアリーグに相応しい選手なのか疑問が残るが、単なる遅咲きの選手であることを祈ろう。

まとめ

したがって、まとめると、我々はまず、あまり良いパフォーマンスを見せられていないが、非常に高くついた33歳のCBの契約延長を行った。

ルイスの獲得に24m£かかったという報道を代理人は否定しているし、もちろん、それは代理人の自由だが、もし私が薄暗い過去を持つサッカーの代理人と、過去にその精確性に関しては疑う余地のないサッカージャーナリストのどちらを信じるかと言われれば、私は後者を選ぶ。

そして、我々は、同じ人物が代理人を務める右サイドバックをサウサンプトンから怪我しているにもかかわらずレンタルで獲得し、彼に再び4年契約をオファーした。

もちろん、これが一番取引をまとめるのには簡単な移籍だったはずで、その利点は理解できなくはない。

だが、よーく考えてみてほしい。もしこれが、アーセナルではなくどこか他のクラブでの出来事であれば、我々はこれをどのように受け止めるだろうか?

9年間も○○FCの忠実に使えてきたキャプテンが何か月物話し合いの末に、もうこのクラブにはいられないと練習を欠席してまで移籍を強行。それを受けた、○○FCのテクニカルディレクターと代理人を同じくするベテランCBが1年間で最大24m£にも達するともいわれる莫大な給与と莫大な仲介手数料と共にクラブにやってきた。

その代理人は、○○FCのフロント専用ボックスに招かれてテクニカルディレクターやフットボールディレクターと共に○○FCの試合を観戦し、そしてその代理人の顧客である2人目の選手の○○FC加入も決まった。

その選手はケガを抱えていてすぐにはプレイできない状況だったにもかかわらず、○○FCは彼のローン契約に5m£を支払った。

少し時間を巻き戻して、長くクラブに仕えた名監督が去った後に、サプライズで安全牌だがあまりエキサイティングではない監督が新監督に就任した。

この監督は○○FCのフットボールディレクターと非常に近しい代理人を持ち、新監督は英語があまり話せなかった。だが、○○FCのフットボールディレクターは新監督と同じスペイン語をしゃべることが出来る。では、新監督の決定に誰の意見がものを言ったのだろうか?

また現在に戻って、上述の新監督の代理人と同じ代理人がブラジルでプレイしていて、キャリアを通して欧州トップリーグでのプレイ経験がないスペイン人CBを売り込んできた。一月に○○FCはその選手のレンタルでの獲得を決めた。と思ったら彼はブラジルに帰っていた。いや待て、やっぱり獲得だ。お金の問題は解決した。

このようなクラブについて、どう思うだろうか?

代理人の暗躍

ちなみに上の出来事を、全てアーセナル目線で見るとこうなる。

フットボールディレクター: ラウール・サンジェイ
テクニカルディレクター: エドゥ(キア・ジューラブシャンが代理人)
クラブのベテランCB: ダビド・ルイス(キア・ジューラブシャンが代理人)
怪我をした状態でやってきた右サイドバック: セドリック(キア・ジューラブシャンが代理人)
スペイン人CB: パブロ・マリ(アルトゥーロ・カナレスが代理人。カナレスはサンジェイの親しい友人で、ウナイ・エメリの代理人でもある。)

もちろん、これらが違法だというつもりはない。お金の流れに怪しい点はあるが、恐らくこれらはすべて法律にのっとって行われているのだろう。

私が問いたいのは、本当にアーセナルがチームのニーズに合った選手を獲得しているのか?という点だ。

それとも、アーセナルはフロント陣と仲の良い代理人に都合の良い選手たちを獲得しているのだろうか?

我々は、アーセナルボードがレジェンドであるデイビッド・オレアリーをアーセナルのサッカー面での運営を監督する役職として任命した際に、サンジェイが反対し、ストップをかけたことを思い出すべきだろう。

また、もう一つ気になるのは、ローン後の完全移籍となった場合に、二回分の仲介手数料が発生するのではないか?という点だ。

なぜアーセナルはパブロ・マリを一月に完全移籍で獲得しなかったのだ?もし今その金銭的余裕があるのであれば、1月にもあったはずだ。

また、なぜアーセナルはセドリックの獲得を夏まで待たなかったのか?その場合は実際にフリーであったわけだし、怪我をしている選手に高額のレンタル料と給与を支払う必要はなかった。

アーセナルの右サイドバック事情はケガをした選手を獲得して乗り切らなければならないほど切迫していたわけではなかった。

アーセナルの今後の課題とこれらが与える影響

アーセナルの守備陣は多くの改善が必要で、刷新する必要がある。もしその中心となるべきCBが風のように気まぐれで、パフォーマンスが安定しなければ、それは基礎が腐っているといわざるを得ない。

マンチェスター・シティでは契約のことが頭を離れずルイスは集中できなかったらしい。もし次ルイスがプレイするときに何か他のことに気をとられていたらどうなるのだ?またしてもレッドカードか?PK?それともその両方か?(彼は今季2枚のレッドカードをもらい、4のPKを与えている。)

サンジェイ自身が、アーセナルは"市場でうまく立ち回らなくてはならない"と語っている。そして、当時のリクルート長だったスヴェン・ミスリンタートは以下のように語っていた。

我々には強力でシステマチックな移籍へのアプローチがある。ハイクオリティのデータとビデオ分析と、実際に生で観戦するのを組み合わせたやり方だ。

アーセナルは自らのデータ会社を持ってすらいるのだ。このおかげで、どこかほかの会社の力を借りずとも分析を行えるし、選手を分析するための必要なデータはすべて手に入る。

だが、こう言っていたミスリンタートはサンジェイとの権力闘争に敗れ、クラブを去っていった。その彼が、今のアーセナルの体制は

代理人のネットワークをあたり、彼らからオファーされた選手を獲得する、という方式に強く偏り始めている。

とコメントしている。

さてさて、ではこの2つのアプローチのうち、どちらがより『市場でうまく立ち回る』の適しているだろうか?

草の根型のスカウティングとデータ分析を組み合わせたアプローチか、それともフットボールディレクターの飲み友達の代理人が紹介してくれる選手を(仲介手数料を払って)獲得する方法か?

アーセナルはどれくらいセドリックやマリのスカウティングを行ったのだろうか?ダビド・ルイスを徹底的に分析し、現チームにフィットする可能性を熟慮して獲得したのか?(私は大した分析を行ったとは思わないが、もし万が一きちんと分析した結果の獲得なのであれば、担当の分析官は仕事を変えた方が良い、彼らは分析に向いていない。)

サンジェイはサッカー界の裏も表もを知るディールを締結させる達人という触れ込みだったが、その割には彼は交渉をまとめるのに代理人の多くの助けが必要なようだ。(なんとアーセナルはペペを獲得するのに何故か選手の代理人でもなんでもない人物に高額の仲介手数料を支払っている。)

もちろんこれをもって、ミスリンタートの獲得はすべて成功で、サンジェイの獲得はすべて失敗だというつもりはない。

だが、我々を心配させるのに十分なパターンの振る舞いを今のアーセナルフロントは見せている。

今のアーセナルのやり方がモダンで効率的なサッカークラブの運営方法であるとは思えない。これに特に不満を抱かない人々もいるだろうが、個人的には非常に心配だ。

QPRファンに、マーク・ヒューズと彼の代理人であったキア・ジューラブシャンがクラブを牛耳っていた時QPRが上手く行っていたかどうか聞いてみると良いのではないだろうか。

そして、今回発表された契約延長選手の中に、ブカヨ・サカは含まれていなかった。彼の残り契約は12か月だが、ロックダウン中に何か月も交渉する時間はあったはずなのに、何も合意に至っていない。

そして、キャプテン勝つ得点王でもあるエースも残り契約が12か月となっている。我々は市場でうまく立ち回っているのだろうか?

とはいえ、○○FC、ではなかった、アーセナルFCが寄せ集められた奇妙なパーツからきちんとしたチームを作り上げられることを祈ろう。

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Posted by gern3137