ダビド・ルイスの話

分析

『ルイスはキャリアを通して意見が分かれるタイプの選手であり、我々は、彼が素晴らしいプレイととんでもない悲劇の間を行ったり来たりしているという点で意見は一致している。』と昨年八月に私は書いた。

これは全く新鮮な意見などではなく、大体誰もが共通して持っていた意見だった。ルイスは色々なことが出来るが、毎週一貫して70点のパフォーマンスを見せることだけは出来ない。

この数週間、しきりにルイスの将来が騒がれている。ルイスがサインしたのが2年契約ではなく1+1という形態の契約であったことが明らかになったからだ。

クラブか選手、あるいはその両方が延長オプションに関して、結婚式に不人気の相方を連れていくか悩むゲストのようにためらっているようだ。

この後どのような決断が下されるとしても、何らかの形で彼の将来は決着することとなる。

アーセナルは短い期間だったが、既にダビド・ルイスのフルコースを満喫したといえる.

彼は八月に青天の霹靂のようにコシェルニーの代役としてアーセナルにやってきた。彼は実は2016年にチェルシーに復帰した際も同じように突然移籍が決まった。

チェルシーは夏中クリバリを追っていたが、その試みに失敗し、"緊急ダビド・ルイスボタン"を移籍市場最終日に押したのだ。

ルイスの代理人であるキア・ジューラブシャンはオスカルやラミレス、ウィリアンやパトの代理人でもあり、チェルシーとは強固な関係を持っていたのも一役買った。

それはチェルシーにとって簡単で便利な取引だったが、今回のアーセナルにとっても同じだった。キア・ジューラブシャンはエドゥとラウール・サンジェイと非常に近い関係にあったからだ。

また、この10か月間ですでに彼は北ロンドンでルイスらしさを存分に発揮している。

ルイスは監督に応じて全く異なる関係性を築いてきた。ベンフィカでジョルジュ・ヘズスを賞賛し、チェルシーのサッリともうまく行っていた。

コンテとも最初はよくやっていたが、その後険悪になった。同じことをランパードとも繰り返している。新契約を結んでたった数ヶ月で監督との関係性をそのように悪化させ、かつそのことが世間を驚かせない選手というのはあまり多くはない。

代表レベルではスコラーリとはうまくやったが、その後継のドゥンガには干された。監督が代われば、絶対的なスタメンから招集外に、これがルイスのスタイルだ。

彼のピッチ上でのパフォーマンスが示す通り、彼は感情の制御があまり得意ではなく、それはアーセナルでも表れていた。

ルイスだけではなかったとはいえ、ウナイ・エメリ時代のアーセナルでのルイスは酷いものだった。エメリの最後の試合はルイスを中盤に置くというオプションをフランクフルト戦で試したが、"ルイスの中盤起用"はいつも監督がパニックに陥っているサインだ。

ルイスは締め切りギリギリのパニックバイで移籍することが多く、監督が選手の使い方があまりよくわからないのもある種当然のことではあるが。

もちろん、ラカゼットのサウサンプトン戦の同点弾の様子を見ればわかる通り、11月には既にエメリは信頼を完全に失っており、これはルイスだけの問題ではなかった。

ルイスはアルテタに関しては非常に好意的に語っており、楽観主義に満ちていた。

『ミケルは大きなものを作り上げようとしていて、僕は彼の哲学を信じているよ。今年、そして将来には大きなことを成し遂げられるはずだ。やり方が明確で本当にハッピーさ。

これが難しい道かって?イエス。達成するのは難しいか?イエス。だけど達成は不可能か?ノーだ。』

『選手が監督を賞賛する』というのは普通の選手であればニュースになどならないものだが、ルイスは普通の選手ではない。

ルイスは基本的に非常にネガティブあるいは非常にポジティブなことを口にすることが多く、お世辞などはなく、そのコメントには気持ちがこもっている。したがって、褒めたたえているのであれば、本当にそう思っているはずだ。(その逆もまた事実だが。)

そして、このあとアルテタのもとアーセナルが少し難しい時期を迎えた際も、ルイスのパフォーマンスはは非常に素晴らしく、チームのリーダーとなった。

一月にアルテタは
『私は彼にそのクオリティ、人格、経験をチームのために活かしてほしいと思った。そして、彼はその通りにしてくれたよ。本当に満足している』
とコメントした。

ここまでのキャリアが示している通り、アルテタも普通の監督ではないという点ではルイスと共通している。

ルイスはアルテタのもとビッグゲームを全て先発しているが、もしルイスのレベルが要求水準に達していないと思えば、アルテタは彼をチームから外すことをためらったりはしないだろう。

3月のFA杯でルイスはキャプテンも務めた。

しかし、ルイスが水曜日のシティ戦の先発を外れたということは、この数週間で何かが変わったということなのだろう。

『この数週間でいくつかのことが起こった。』とアルテタは試合前に意味深げに語っていた。

マリの怪我のおかげで結局ルイスは出場することになったが、その結果、ルイス劇場の中でも最悪の部類のものを我々は見せられることになった。

試合後、ルイスはカメラの前で『この二か月の間に違う決断を下すべきだった。でもそれをなかったんだ。契約のせいで、14日後にここにまだいるかどうかが決まっていない。もっと早く将来について決断するべきだったとは思う。』

個人的には、ルイスが自分のミスで試合に負けた直後にカメラに向かって、全てが契約に関することであるかのように発言するのには苛立ちを覚えた。

アルテタがアーセナルで指揮をとった期間という非常に短い間のうちに、既に我々はルイスの全側面を目にしている。信頼された副官から問題児に一晩で姿を変え、もしかすると、このままサプライズでクラブを去る、という展開すらもあり得るかもしれない。

この10か月でアーセナルは本来であれば3年程度かかるはずのルイスのサイクルをフルで経験した。サプライズでの獲得、波の激しいパフォーマンス、不人気な監督解任に一役買う、新監督の信頼を得て汚名返上、そしてそこからの凋落と(もしかすると)突然の移籍。

サッカーを取り巻く状況ががどれほど変わっても変わらないものがあるということだ。

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Posted by gern3137