ロブ・ホールディングを売却するのは大きな過ちである

分析海外記事

ロブ・ホールディングがアーセナルの将来を担うと称えられていたのはそこまで昔のことではない。

同時に、選手が怪我で不在の間にその選手の評判がうなぎのぼりになり、その後復帰した後にそれが幻想に過ぎなかったと判明するのもよくあることだ。

しかし、まだ24歳のホールディングにこれが当てはまると決まったわけではない。2018/19シーズン終盤にはホールディング返ってきてくれとアーセナルファンは泣き叫んでいた。彼こそが守備陣に落ち着きをもたらす存在で、ここまでで最高の活躍を見せ、エメリのチームを何度か救った。

昨季ホールディングが出場した試合はチームは負けなしで、先発15回を10勝4分け、14失点で終えた。この期間中レッドカードはなくイエローカードを一枚もらったのみだ。ホールディングが出場していない43試合ではアーセナルは57失点している。

fbrefのデータによれば、ホールディングは失点につながるミスを一度も犯しておらず、彼より高いパス成功率を誇るのはソクラティスのみだ。そして、他のどのCBよりもファウルが少ない。彼がピッチ上に居る時の被xGは他のCBと比べて最小だ。

唯一他のDFよりも数が少ないのがタックル数で90分当たり0.89回という数字だが、これもスマートなプレイで彼はタックルをする必要がなかったとみることが出来る。

先日エメリがラムジーの怪我がなければアーセナルの18/19シーズンは違ったものになっていただろうと不満を漏らしていたが、ホールディングがフル稼働できていればこれもまた、違ったシーズンになっていただろう。

エメリはホールディングに関して、将来のアーセナルのキャプテンになれる器だと語ったりもしていた。ホールディングはEFLカップでの復帰戦でキャプテンマークを巻き、ジャカがキャプテンを剥奪された直後のヴィットーリア戦でもチームを率いた。

ホールディング自身もフォレスト戦後に『もしキャプテンになれたら素晴らしいよ。アーセナルのキャプテンならさらに信じられないね。将来のことはわからないけれど、もしキャプテンに指名されるようなことがあればとても名誉なことだよ』と語っている。

そこから8か月がたち、アーセナルがホールディングを売却する可能性があるという報道が現れ、彼の将来が不透明になっている。

まだ明確な方針は決まっていないようだが、情報筋によれば、もし誰かがホールディング獲得に興味を示すのであれば、上層部はそれを考慮するそうだ。

もちろん、ホールディングだけが放出の対象というわけではない。ムスタフィやソクラティスにも売却の可能性がある。だが、ここまでのところ、ホールディングがアルテタのプランにエメリ時代ほど食い込めていないのは間違いない。

彼は監督交代後まだ1試合しか先発していない。その唯一の試合でも、アルテタはホールディングにいら立っていたようだった。

もちろん情的酌量の余地はある。ACL断裂から復帰後、ホールディングはケガが増え、10か月のリハビリを経て復帰したのちにまたしても2か月怪我をして過ごすことになってしまった。そして、アーセナルはケガ明けの選手の調子を取り戻すための出場機会をゆっくりと与えられるような状況にはなかった。

もちろんアルテタもそのことは認識しているだろう。パブロ・マリの移籍が決定する前に、彼はホールディングのレンタル移籍をブロックすることさえしたのだ。

『当然ながら、これほどの長期離脱の後ではリズムと試合勘を書くのは当然だ。我々はホールディングを助けてやらなくてはならない。その能力の片りんは見せているし、彼は我々にとって重要な選手になるだろう』とコメントしている。

2020/21シーズンにホールディングの調子を取り戻すためにレンタル移籍が必要なのであれば、それは考慮する価値があるだろう。

今年の移籍市場の動きは硬直することが予想されるが、それでも、比較的安い給与の25歳の英国人CBはプレミアリーグの中堅クラブが欲しがるはずだ。

今のところホールディングはアルテタの序列を滑り落ちてしまったかもしれないが、アーセナル上層部はアルテタが本当のホールディングの実力を見定められるように注意を払わなくてはならない。

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Posted by gern3137