エメリはアーセナルのトランジションチーム化を進めるだけでなく、よりポゼッションとのバランスをとらなくてはならない。

スタッツ・戦術

数字だけ見れば、アウェイでリーグ最下位のチーム相手に2-0でリードし、チームにオーバメヤン、ぺぺ、エジル、セバージョスがいるというのはどんな監督にとっても夢のような展開に思える。あとはボールを保持し、相手の勢いをそぎつつカウンターを狙えばいいだけなのだから。

エメリ体制でのアーセナルの大きな特徴として、リードを奪うと深く構え、相手を抑え込もうとする、というものがある。アーセナルが2ゴール以上の差をつけて勝利を収めた試合は非常に少ない。フラム(4-1, 5-1)とボーンマス(ホームで5-1)相手に3試合あるくらいだ。だがこの3つの試合すべてでハーフタイムの時点ではガナーズは大きなリードを奪ってはいなかった。

アウェイでのフラム戦ではハーフタイム時には同点で、後半に4点を決めた。2月のボーンマス戦ではハーフタイムで2-1だったが、後半に3点を決めた。1月のフラム戦ではハーフタイムこそ2-0だったものの、フラムに2-1に差を縮められ、その後最後の11分間で2点を決めた。

今季、アーセナルの試合はすべてバスケットボールのようになってしまった。中盤がほとんど存在せず、ピッチの両端での殴り合いが繰り返されるばかりだ。スパーズ相手に2-0で負けていたが2-2に追いついた。ワトフォードではその逆で2-0のリードから追いつかれてしまった。そして、直近のヴィラ戦でも10人の状態で2度追いつき、そして最終的に逆転に成功した。

公平な見方をすれば、確かにガナーズのトランジション時の破壊力は上がっている。オーバメヤンが決めたニューカッスル、バーンリー、ワトフォードでの一点目の3つのゴールはすべて、アーセナルが高い位置でボールを奪い速攻を仕掛けた結果だ。これ自体は戦術的に問題があるとは言えない。

だが、問題は、アーセナルがこの戦術を追求するあまり、ポゼッションと試合のコントロールを手放しすぎていることだ。これを象徴していたのがアストン・ヴィラ戦でのチェンバースだった。彼の技術面でのミスに端を発したトランジションからアストン・ヴィラに2点目を決められてしまった。だが、その後、チェンバース自身が同点ゴールを決めた。

恐らくペペの獲得が、監督にこのようなスタイルをとることの主要な要因となったのだろう。確かに、ペペとオーバメヤンがチームにいるのでトランジションを増やすという戦略は筋は通っている。それはエメリの交代選手の采配にも見てとれる。ワトフォードで投入したネルソン、ウィロック、トレイラという3選手は皆ボールを運べるトランジションプレイヤーたちだった。

同じように、ヴィラ戦でもエメリはエジルをベンチに残したまま、混沌とした戦場にウィロックとトレイラを投入した。今季エメリはトレイラを高めの位置で使うことが増え、これは得点に直結するような高い位置でボールを奪い取ってくれることを期待してのことだろう。

しかし、アーセナルをトランジション主体のチームに作り替えようとする過程で、アーセナルはバランスを失い、ボール保持と相手に押し上げさせることを許しすぎているように思える。アーセナルはボールを保持して試合を落ち着かせる、ということが出来なくなり、試合展開はいつも目まぐるしく、パブで二人の酔っぱらいがノーガードで撃ち合っているかのようになってしまった。

この戦術のおかげで、確かにアーセナルは不利な状態から追いついたり逆転することも出来るかもしれないが、流石に綱渡りが過ぎる。アーセナルの守備陣に懸かるプレッシャーを少し減らせるように戦術を少し調整し、もう少しポゼッションを優先できるようにすべきだ。日曜日にアーセナルは中盤のコントロールを失った結果、7枚のイエローカードを出されたことからもそれは明らかだろう。

また、アーセナルはゴールキックからつないでいくのにも苦戦していることもコントロールを失うのに拍車をかけている。この理由の一部は、アーセナルノバックラインの技術が足りていないことだ。コラシナツはテクニックがあるとはいえず、タイトなスペースではボールを預けられない。このおかげで、GKのオプションは一つ減っている。

トランジション重視のチームになるというのは理論上は悪いアイディアではないが、より試合をコントロールすることも出来るように、エメリはチームの技術面のバランスを整えなくてはならない。

(Source:
https://www.unibet.co.uk/blog/football/premier-league/under-emery-arsenal-games-are-like-basketball-matches-endless-transitions-no-control-1.1262003 )

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Posted by gern3137