エメリがリバプール戦で賭けに出たのは正しい選択だった

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どこか一つを選ぶ必要がある。アーセナルのようなチームがリバプールと対峙する時には、否定しがたい事実があるのだ。リバプールはアーセナルよりも優れたチームで、したがって、ピッチ上の少なくとも一つのエリアをリバプールに支配されることは避けられない。

エメリは賭けに出た。ダイヤモンド型の中盤を起用し、世界一の攻撃力を誇るサイドバックコンビにクロスを上げるスペースを与えたのだ。試合の一番最初から、ロバートソンのクロスからフィルミーノがほとんど得点しかけ、アーセナルが非常に大きなリスクを負っているのは明らかだった。

エメリの決断のおかげで、昨季プレミアリーグで合わせて23アシストを記録した二人は、アーセナル陣内でプレイすることが出来、彼らを封じる役目は若いゲンドゥージとウィロックに託された。また、他の場面では彼らは中に入ってパス交換にすることもあり、これが後半の失点にもつながった。

あくまで結果論だが、サイドを封じる役目には若手二人よりもトレイラのほうが適していただろうし、恐らく、この試合はセバージョスがその能力を発揮できるものではなかった。

もしかすると、彼をスタメンから外し、もう一人DFを増やしてモンレアルとナイルズがより高めの位置で守備できるようにした方が効果的だったかもしれない。

とはいえ、これはあくまで後から振り返ってみればの話だ。セバージョスの輝かしいバーンリーでのデビュー戦の後では、彼を外すべきだという意見はほとんど聞かれなかった。

試合前に立てる作戦という意味では、他にエメリに何が出来ただろうか?4-3-3でオーバメヤンとペペを同時起用する?確かに現状のアーセナルの最強のフォーメーションはこれかもしれないが、その場合は彼ら二人が一試合を通してサイドバックの世話をするために常に走って戻り続けることになるか、あるいは実際の試合展開と同じようにリバプールのサイドバックに自由を与えることになっていただろう。

アーセナルがどのような戦術をとろうと、マネとサラーが疾風のように中に走り込み、フィルミーノが中盤に降りて彼らのためにチャンスを作ろうとするのに対処しなくてはならなかった。これまでのアンフィールドのアーセナル相手の3試合では常にこれは機能し、ユルゲン・クロップは合計12-2というスコアで3勝を収めている。

そういう意味では、今回の試合では、中央とボックス内をコンパクトにし、リバプールが中で仕事をするためには5,6人のあーセルの選手をかわさなくてはいけない状況にする、という作戦は筋は通って入る。

少しの間、この作戦はうまくいっていた。確かに、アーセナルファンはいつ心臓発作を起こしてもおかしくないような試合展開だったかもしれないが、ロバートソンやアンダーソンといったクロスの名手でさえ、ルイス、ソクラティス、レノの間を縫ってフィルミーノとマネの頭をクロスで狙うのには苦労していた。

ジョエル・マティプに最終的にヘディングで点を決められてしまっていたが、それまでにはアーセナルの攻撃の戦術-前線めがけてかっ飛ばせ!-という古典的で親しみやすい戦術-も実を結び、何度か試合展開を変えてもおかしく無いチャンスが訪れていた。

世界中の多くの選手が突破できなかったファン・ダイクをペペは苦戦させていたし、ヘンダーソンのミスを突いて得点するべきだった。彼とオーバメヤンにはサイドバックの後ろのスペースが与えられていた。

そして、ジャカが(何度か良いパスを放ったとはいえ)もう少し素早く、もう少し正確なパスを何本か出せていれば、得点につながっていた可能性が大いにある。

マティプのゴールの前はアーセナルは勢いを増していたし、リバプールはアーセナルのようなトップ6のチームが引きこもるという戦術をとったことに対して混乱し、どのように対処すればよいかわからいように見えた。

クロップでさえも、試合後に『正直なところ、アーセナルがこのような作戦で来るとは予想していなかった。プレシーズンでは一度もこのような戦術を採っていたなかったからね』と認めている。

『ウイングでは多くのスペースが得られたので、唯一の課題は、相手が守備をするのを難しくするように、ボックス内での動きを増やすことだった。アーセナルは空中戦にとても強かったね。我々はセカンドボールを拾い続けて常にプレッシャーをかけ続けたけれど、臨んでいた結果にはつながらなかった。』とその後彼は続けている。

恐らくエメリにとって致命的だったのが、クロップが仕掛けた修正に、彼が対処しきれなかったことだろう。後半、リバプールはクロスを捨てたわけではないものの、そこまでサイドからの攻撃に拘らずプレイするようになり、サイドバックはより中央に寄ってプレイする時間が増え、中を攻略しようという意識が高まっていたようだった。

このエリアからリバプールの二点目は生まれた。アーノルドが中に入り、そのおかげでフィルミーノが試合の前半には難しかったスペースを見つけられるようになった。そのおかげで彼はサラーにボールを渡すことが出来、そしてルイスが愚かなタックルで彼を倒した瞬間試合は終わった。

この試合を踏まえてもう一度試合臨めるとしたら、エメリは違うアプローチを検討するだろうか?もしかすると。

ヨーロッパでもっともすぐれたサイドバックのコンビにスペースを与えるという決断は大きなリスクだっただろうか?間違いない。

だが、今のアーセナルと今のリバプールが戦った場合、リバプールが本調子であれば、彼らがアーセナルを打ち破るだろうという前提は受け入れなくてはならない。

確かに、エメリのゲームプランはリバプールを無力化するつもりはなかったようだ。だが、恐らく彼はそれが不可能だと感じていたのだろう。だからこそ、彼は最もリスクが高いエリアだけでも封じようとしたのだ。

ここ何年かでアーセナルはサラー、フィルミーノ、マネ率いるリバプールにぼこぼこにされてきた。今回は、アーセナルは彼ら3人の代わりにアレクサンダー=アーノルドとロバートソンを招き入れた、ということだ。

“いつも通りの敗戦だ”と揶揄されることも多かったアーセナルだが、少なくとも今回エメリは過去の敗戦から学び、ヨーロッパチャンピオンから勝ち点を奪える可能性を1%でも上げるため、少し過激な手段に打って出たというだけのことなのだ。

(Source:
https://www.football.london/arsenal-fc/news/arsenal-tactical-gamble-unai-emery-16813237 )

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