【戦術分析】いかにしてエメリは意表を突くバーンリーのハイプレスを回避したか

スタッツ・戦術

バーンリーに勝利することが容易ではないのはよく知られている。ショーン・ダイクの442は規律がとれ、打ち破るのは難しい。そして、彼らはフィジカルに秀で、常にセットプレイでは危険な存在だ。

彼らは喜んでロングボールを蹴り飛ばし、ストライカーに裏を狙わせるし、何シーズンにわたって証明されている通り、それは実際に機能する。

したがって、試合後の記者会見でエメリが『ゲームプランを調整しなければならなかった』とコメントしていたのは興味深かった。何がエメリの予想を裏切ったのだろうか?

バーンリーの予想外の作戦

バーンリーは過去にはきちんとブロックを作り、低く構えて守ることが多かった。そして、攻撃はセットプレイと相手CBにめがけて蹴るロングボールが中心だ。だが、土曜日の試合でバーンリーは時折選手全員がアーセナル陣内に収まるほどにラインを上げ、高い位置からプレスをかけるという作戦をとった。

ショーン・ダイクも『我々のプレスは良かった。この場所で試合を支配するのは簡単ではないが、プレスは機能していたと思う』とコメントしている。

後ろから繋いでいくスタイルを譲る気のなかったアーセナルにとって、このハイプレスはいくつかの問題を創り出した。レノがボールを出した瞬間にバーンリーは動き出し、ボール保持者とその相方のCBにプレスをかけたのだ。

これにより、アーセナルは味方ボックス内を横切るようなパスを強いられ、中盤から降りてきた、ジョー・ウィロックのような選手がこのようなパスを受け取り、勝つ彼自身もマークされていたため、ボールを失わないためには素早く味方にボールをかえさなければならなかった。

バーンリーは多くの選手をアーセナル陣にプレスのために送り込み、例えばオーバメヤンが降りてボールを受け擁した際にはエリック・ピータースがついていきボールを奪おうとしていた。

このようなハイプレスによって、アーセナルはなかなか前にボールを進められず、かつ自陣で何度かリスキーなパスを出すことを余儀なくされた。これは非常にハラハラする眺めで、レノが時折ロングボールを選択した際にはホームファンから歓声が飛んだりもした。

バーンリーのハイプレスとルイス&セバージョスの活躍

バーンリーは前がかりの守備を志向したものの、それでもアーセナルは68.6%のポゼッション率をキープした。必要に駆られてのことか、あるいは指示かはわからないが、アーセナルのMFとウインガーは低い位置まで降り、深い位置からのビルドアップを助けることになった。

バーンリーは積極的な守備で試合の主導権を握ろうとしたが、ダニ・セバージョスの活躍に象徴されるように、華麗なタッチやターンによる回避でアーセナルは応戦した。

42分に彼はスローインを獲得したことでスタンディングオベーションを送られたが、それだけではなく、彼は常に走り続け、ボールをつなぎながらアーセナルが自陣に押し込まれるのを防ぐ役割を果たした。

ヒートマップでは、アーセナルが特に右サイドでほとんどの時間を自陣に押し込められて過ごしたことが表れている。エメリも『多くの時間帯で、我々はプラン通りに試合を運べなかった、何故なら彼らが思った以上に高い位置から押し込んできたからだ。彼らのロングボールとハイプレスに対抗するために、ゲームプランを変更する必要があった。』と説明している。

アーセナルはトランジション時にバーンリーの隙をつき、前線のスピードあふれる選手たちを活用する必要があったが、中盤のプレイメイカーたちがプレスのせいで時間をもってボールを持たせてもらえず、これは難しかった。

既に、なぜアーセナルがルイスを獲得したかが明らかになりつつある。前からプレスをかけるということはその分その裏が空くということで、ルイスが縦パスを狙えそうなときには常にオーバメヤンがサイドで盾を狙っていた。

バックラインにルイスのようなプレイメイカーを配置することで、アーセナルは守備から攻撃に一瞬で移行することが出来る。これとペペ、ラカゼット、オーバメヤンの前線の三人がうまく融合すれば、多くのチームは裏にスペースを残してハイプレスをアーセナルに仕掛けることを躊躇することだろう。

素晴らしい交代策とその能力を示したペペ

守備時には4-4-2のような布陣だったが、バーンリーはボール保持時にはスリーバックのような形で、マット・ロウトンが前目の位置をとることでネルソンを封じていた。ロウトンは実質的には右のWBのようにプレイし、そのおかげでグドムンドソンはその内側でプレイ出来、モンレアルが数的不利に陥らないようにネルソンは下がってカバーする必要があったのだ。

だが、エメリはネルソンとペペをハーフタイムに交代した。そして、これがアーセナルがより高い位置で試合をコントロールするカギとなった。

ペペを右に置いたことでオーバメヤンが左に移り、これにロウトンはついていかざるを得なくなった。そして、このおかげでモンレアルには前に上がるスペースが生まれた。そして、その逆サイドではペペが自由に動き回り、時折中に入ったことでナイルズがオーバーラップするスペースも生まれた。

これらが実ったのがアーセナルの2点目だといえるだろう。前線は両サイドに張ってバーンリーの守備陣を引き延ばし、プレスを助けるためにモンレアルは前に上がって顔を出し、そしてそこにセバージョスがトップ下として加わった。

そして、そこでオーバメヤンが軽く相手をかわすと素晴らしいシュートを炸裂させたのだ。

このゴールはグドムンドソンのミスから生まれたともいえるが、それ以上にエメリの交代策が実った結果だ。他の監督であれば、もう少しペペを投入するまでに時間がかかっていただろう。

常に一歩先を目指して後半の頭からペペを投入したことがアーセナルの得点につながった。もしかすると、他の日であればバーンリーは勝ち点一を獲得できていたかもしれないが、エメリの機敏な動きによってアーセナルのエミレーツでの対バーンリー無敗記録は継続することとなった。

ショーン・ダイクのアーセナル対策はそれなりに効果を発揮したが、エメリの試合途中での週政策が功を奏したと言える。そして、何よりそれを可能にする選手のクオリティが今のアーセナルにはあるのだ。

(Source:
https://www.telegraph.co.uk/football/2019/08/19/unai-emery-adapted-arsenals-gameplan-deal-high-pressing-burnley/ )

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Posted by gern3137