アーセナルはダニ・アウヴェスを獲得すべきだ

移籍James Mcnicholas

並外れたキャリアを送っているダニ・アウヴェスにとってでさえも、この数か月は特筆すべきものだった。PSGで二連覇を成し遂げたかと思えば、キャプテンとしてブラジル代表を率い、自身二度目のコパ・アメリカ優勝へとチームを導いたのだ。一度目は12年前のことだった。これにより、彼がキャリアを通して獲得したトロフィーの合計は40となった。40の大台にのせたのは彼が史上初だ。

選手個人としてのパフォーマンスも素晴らしく、なんと今年のコパアメリカのベストプレイヤーに選出された。普通であればそろそろ引退を考える年だが、彼は最も魅力的なフリーエージェントの一人だ。そして、これがアーセナルにとってのポイントだ。

アーセナルの予算の不足については散々語られている。したがって、彼のようなクオリティの選手をフリーで獲得できるという考えは非常に魅力的だ。あまり現実的ではないかもしれないし、そもそもこの獲得が万が一実現したとしてもアーセナルにとって堅実なものだとは言い難い。

だが、一つだけ言えることがある。それは愉快な獲得になるだろうということだ!

まず、ガナーズは右サイドバックを必要としている。ヘクター・ベジェリンは怪我からの復帰途中であり、シーズン開幕には間に合わない。そして、復帰した後も、いきなりフルスロットルで試合をこなさせるというわけにもいかないだろう。

ナイルズが昨季は右サイドバックをこなしたが、今季はラムジーがおらず、中盤の穴を埋める必要がありそうだ。ユースのオセイ=トゥトゥはレンタルに出され、考えられるのはチェンバース、ムスタフィだがどちらもCBが本職だ。

そして、アウヴェスは単なる右サイドバックではない。独力で試合を決めてしまえる稀有な選手の一人だ。彼はモダンサッカー界におけるサイドバックというポジションの役割を一変した存在と言っても過言ではない。90年代には、サイドバックというのは単なるどっちつかずの選手がプレイする場所だった。だが、今や彼らはポジショニングセンスに長けたプレイメイカーともみなされる。

もちろん、年齢面の懸念があるのは事実だ。36歳というのは、近年のアーセナルに加わる選手としては最年長だ。2010年にソル・キャンベルが再加入した時よりも年上だ。

アーセナルはベテランサイドバックを獲得してやけどした経験が既にある。昨季、フリーでユベントスからリヒトシュタイナーを獲得した時のことだ。彼は全盛期が終わっていたことは否めず、ついにプレミアのペースに適応することは出来なかった。

しかし、アウヴェスに関しては事情が違う。彼は未だに世界トップレベルでプレイしている。実際のところ、より若いリヒトシュタイナーを2016/17シーズンのユベントスでベンチに追いやったのがまさにこのアウヴェスなのだ。

アウヴェスは、非常にロマンチックな獲得になるだろう。現代のアーセナルファンは多かれ少なかれ美しい攻撃的サッカーへのあこがれを持っている。アウヴェスほどそれをよく体現している選手もいないだろう。彼はチームに華やかさと攻撃力をもたらしてくれるにちがいない。

ベジェリンが教えを乞うにあたって彼以上の適任がいるだろうか?彼は単なるベジェリンの控えや競争相手ではなく、本当の意味での師匠となれるだろう。

アウヴェス獲得に当たって障害となりそうな要素はいくつかある。まずフリーとはいえ彼は非常に高額の給料を要求するだろう。そして、彼がベジェリンとの競争を受け入れ、しかもCL出場権のないチームにそもそも来てくれるのかという疑問がある。

彼はここまでバルセロナ、ユベントス、PSGでプレイしてきたのだ。アーセナルがワンランク下に思えるのは否めない。

そして、そもそも彼がアーセナルにとって最も必要な獲得というわけでもない。かなりの額の週給をアウヴェスに費やすというのは理性的とは言えないだろう。

しかし、彼は本当のスター選手の力というものをアーセナルにもたらしてくれるだろう。アーセナルのアイデンティティが消えかかっているまさに今、アウヴェスはそれらを取り戻す手助けをしてくれるかもしれない。

恐らくこの獲得は実現しないだろう。だが、万が一実現すれば、アーセナルのシーズンチケット保持者は須らく皆喜ぶに違いない。彼が選ぶ次のクラブのファンは皆、アウヴェスのプレイを目の当たりにできるという名誉に浴することが出来るのだから。

関連記事(広告含む)

Posted by gern3137