若手活用の二つのメリット

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ユングベリのトップチームコーチへの昇格は、彼がユースチームの指揮を非常にうまくこなしたことへの褒章であることは間違いないが、同時に、ファーストチームとユースアカデミーの架け橋となる存在になっていることも期待されているに違いない。

先日のサンジェイとヴィナイのロングインタビューでもユースチームの活用の重要性は強調されていた。

『金銭的な意味でそれが重要なのはもちろんだが、同時に、ファーストチームにアーセナルで育ち、アーセナルを代表するということの意味を知る選手が在籍しているというのは大事なことだ。』

確かに筋が通っている。巨額の予算がないチームはお金を賢く使わなくてはならない。だが、それでも全ポジションを埋めるには足りないかもしれない。そういう場合には、まだ花開いていないタレントに投資し、それと内部からの昇格を組み合わせるのだ。

.アーセナルが来季もヨーロッパリーグを戦わなくてはならないというのは理想的ではないが、グループステージでは若手の育成を行うことが出来るだろう。

実際の試合ほど選手の素質を試すのに最適の場はない。もちろん練習場でもある程度はわかるだろうが、60000人の前でプレイする(オーケー、実際には我々がナントカ共和国のFCナントカカントカとプレイするのを見に来るだけの情熱がある29312人かもしれないが)のは全く別次元の経験だ。

真剣勝負の試合というのはトレーニングでは再現できないし、そういった意味ではヨーロッパリーグは有望な若手を試す最高の舞台だ。

さて、だがここで少し現実的になる時間だ。我々がユース選手の活躍に胸が高鳴るのは当然で、彼らがファーストチームで存在感を発揮するだろうと夢想してしまうのも無理はないが、現実的に考えて、そこまで多くの選手がトップチームで活躍する可能性というのは低い。

近年のアーセナルユースは有望株ぞろいなのはわかっているが、それでもこの現実は変わらないとみるべきだろう。

だが、重要なのは、アーセナルのファーストチームに定着しない選手にとっても、ファーストチームでの機会を与えることは意味があるということだ。

なぜなら、アカデミーの役割は、ファーストチームの選手を輩出するというだけではなく、クラブのために利益をもたらすということでもあるからだ。

冷酷に聞こえるかもしれないが、これがサッカーのビジネスの世界というものだ。そして、我々はここ数年、これに関してうまくやってきたとはいえない。多くの有望選手がトップチームで出番を得られず、市場価格を吊り上げる機会を与えられなかった。

昨日のポッドキャストで、ルイスが興味深い例を挙げた。ジェフ・ルネ=アデレードだ。彼はケガで我々の前ではそのポテンシャルを発揮できず、夏にはエメリから戦力外の宣告を受けた。

彼はアンガースに2M以下とみられる移籍金で移籍し、今や10M以上の移籍金での移籍がうわさされているが、アンガースは20-25M以下での売却を受け入れるつもりはないと主張している。

このような急激な値上がりの理由は明快で、プレイ時間だ。

似たようなケースで、2017年の夏にベナセールはアーセナルを去りエンポリに移籍した。具体的な移籍金はわからないが、トランスファーマルクトによると、1M程度だそうだ。

彼はアンガースを昇格に導いたのちもレギュラーとしてセリエAでプレイを続け、今やナポリが狙っているのだという。噂ではアーセナルは買い戻し条項を保持しているらしいが、これもまた、ファーストチームで機会を得ることがどれほど選手の成長にとって重要なのかを示している。

もちろん、彼らがアーセナルに残留していたら大した貢献を残せていただろうかという問いはフェアなものだ。さらに、彼らとは違い、アーセナルを去りずいぶん下のレベルでプレイを始めた選手たちも多くいる。

だが、自己完結型の経営モデルで運営されているサッカークラブとしては、一円でも多く生み出す必要があり、若手選手を将来のトップチーム選手としてだけではなく、資産価値のある財産としても見なければならないのだ。

来季のヨーロッパリーグ、リーグカップ、そして組み合わせ次第ではFA杯の序盤でもし何人かの若手にチャンスを与えれば、運が良ければそのうちの何人かは次世代のアーセナルを担うポテンシャルを見せるだろう。

あるいはそのうちの何人かは少し及ばない、ということになるかもしれないが、ファーストチームでの出場が10-15試合ある選手のほうが、0の選手よりも高く売ることが出来る。

今のところ、私は個人的にヨーロッパリーグへの情熱を見出すことが出来ない。先日の決勝での非常に残念なパフォーマンスにはいまだに落胆している。

とはいえ、上に書いたように、ヨーロッパリーグに若手主体のチームで臨むというのは興味深い案に思える。レギュラーの選手たちはプレミアリーグと決勝トーナメントにとっておき、アカデミーの選手たちと若手のみでヨーロッパを戦うのだ。

選手の育成と売却、両方の面で有用な大会となることだろう。また、アーセナルは若手に限った話ではないが、売却をもっと上手に行う必要がある。戦力外の選手をより効率的に売却し、アカデミーの選手たちへの投資を回収できるように気を配るべきなのだ。

(Source:
https://arseblog.com/2019/06/the-academy-can-produce-players-but-also-generate-more-revenue/ )

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