バクーでいつも通り難破したアーセナル

海外記事

時間は90分を回り、スコアは4-1。エメリがライン際でチームを急き立てる様子は、悲しくなるものさえあった。彼は、アーセナルを押し流してしまった大潮に一人で立ち向かったが、それがクラブの現在と未来の希望を押し流してしまう様を目撃することとなった。

あまりに衝撃は大きかった。結局のところ、アーセナルの全てはこの試合にかかっていたのだ。選手たちもこの決勝がCL出場権というハッピーエンドをもたらすと信じていた。

彼らは、来年もまたしても、ヨーロッパ大陸のBチームが集まる大会で過ごすこととなる。その代償は非常に大きい。アーセナルが野心的なクラブであるということを示すのに失敗したという意味でステータス面でもダメージは甚大だし、予算面でも移籍市場に大きな影響を与えるだろう。

Embed from Getty Images

ピッチ上の全てが酷かった。チェルシーが自由にプレイし始めるにつれてアーセナルの守備は綻び、オーバメヤンとラカゼット、ELではここまで素晴らしい得点力を発揮してきた二人にも全く得点のにおいはなかった。

コラシナツのパス成功率は酷く、エジルは特に何も影響を与えられずにただピッチを漂った。そして、彼はなんとジョー・ウィロックと交代することとなった。

トレイラはピッチを涙しながら去り、ナイルズは途中まではよく戦ったが、ペナルティエリア内で粗さをみせてしまった。

この試合で引退することを決めていたペトル・チェフは試合後も考え事に沈みながら微動だにせず、コシェルニーが迎えに行きハグをするまでピッチに佇んでいた。彼のお別れのパフォーマンス、引退後最後の夢のような試合になるはずだった一戦は、苦々しいものだった。

エメリもまた、打ちひしがれて見えた。彼の目標はチームの勝負強さを取り戻すことだったはずだが、またしても、重要な場面でそれはアーセナルからすり抜けてしまった。

彼はシーズン中何度かCLへと戻る二つのルートについて口にした。だが、彼のチームはその両方の道で、最後の最後で崩れてしまった。彼らはトップ4フィニッシュに向けて優位な位置につけていたが、3位まで残り勝ち点2というところで涙をのんだ。

そして、バクーでの大一番でのチームの崩壊の様は、アーセナルのプレッシャーへの弱さ、少し物事がうまくいくなったとたんに立て直せなくなるという状態象徴していた。

ベンゲル後のアーセナルで、エメリは何度もアーセナルは発展途上だと口にしてきた。だが、それでも我々はそれを信じるためには、その道すがらのポジティブンサインを必要としているのだ。ヨーロッパリーグのアーセナルは、まるでいつもと同じ失敗を繰り返しているかのようだった。

Embed from Getty Images

さらに、アーセナルはチームの変革を迎える体制が整っているともいえない。アーセナルにはテクニカルディレクターもスカウト長もいない状態で非常に重要な夏の移籍市場に突入することになるのだ。

この夏、多くの選手がアーセナルを去る。チェフとウェルベックに加えてラムジーはユベントスへ移籍するし、エメリはエジルを持て余している。

彼らは予算をトレイラやゲンドゥージ、レノのような選手に割くべきだが、それでも選手売却によって補填するのを除けば、アーセナルの予算はたったの40Mだといわれている。もちろん、『ヨーロッパリーグへようこそ!』と交渉の席で告げるのが魅力的でないのは言うまでもない。

今回の決勝にはアメリカ人オーナーのスタン・クロエンケは来ていなかったが、 息子のジョシュは姿を見せていた。我々が目にしたのと同じアーセナルの欠点を彼も見ただろう。とはいえ、彼らがそれに基づいて行動を起こす準備があるのかどうかについては疑問が残る。

同時にニューカッスルやエヴァートンといったチームが金銭力をつけてきており、彼らはそのすぐ上を肩越しに窺っている。

究極的に言えば、アーセナルはシーズンの終盤を二度も台無しにしてしまい、監督と選手たちは色々と考えることがあるだろう。そして、その多くはポジティブではないはずだ。

より大きな視線で話をすると、アーセナルはこれで、1995,2000,2006,2019と4回連続でヨーロッパ大会の決勝で敗北することとなった。 したがって、今回もいつも通りのこととといえばその通りなのだが、それはショックを和らげる役には立ちそうもない。

(Source:
https://www.theguardian.com/football/blog/2019/may/29/baku-arsenal-unai-emery-chelsea?CMP=share_btn_tw )

広告