アーセナルがエメリに予算を与えられないのなら、せめて時間は与えるべきである

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この12か月は、アーセナルにとって非常に重大な変革の時だった。アーセン・ベンゲルは去り、CEOとスカウト長もそれに続いてクラブを去った。直近の3つの移籍市場で9人の新しい選手がアーセナルに到着し、今期はエメリの下、サッカー哲学も大きく変わった。

だが、それにもかかわらず、アーセナルの今季終盤の崩壊の様子はなじみ深く感じられる。恐らく今季のアーセナルに関して最も残念なのは、彼らがまさしくアーセナルらしく見える、ということだろう。

ともなれば、現在のアーセナルの問題のうちどれほどがエメリに責任があり、またどれほどが彼以前から続く問題なのかと問うべきなのは当然だろう。アーセナルはエメリの今季の成績を評価し始める時期だろうが、監督自身の問題と、クラブが元から抱える問題を混同するべきではない。 

エメリは、アーセナルが立て続けにホームで勝ち点を落とした際に、『我々には新たなエネルギー、新たな選手がこのパフォーマンスを変えるのには必要だ』と言ってチームへの不満を口にしていた。

もちろん、エメリには全く責任がないといいたいわけではない。トップ4入りを逃す原因となった最近のアーセナルの絶不調の責任は逃れられないだろう。アーセナルとエメリは素晴らしいチャンスをふいにしてしまったのだから。

だが、結局のところ、残念ながらこういった出来事はもうアーセナルにはつきものになってしまった。アーセナルは、15/16シーズンにはレスターが優勝するのを指をくわえてみていたチームなのだ。プレッシャーがかかったとたんに崩壊してしまうのは何も今年から始まったわけではない。

発端ははるかに昔だ。ベンゲル時代から、このような勝負弱さは見られていた。恐らくアーセナルにはこのような強度のプレッシャーに耐えられない選手が多すぎるのだろう。ジャカがブライトン相手に軽率なPKを献上したのがその象徴だ。パレス戦でのムスタフィにも同じことが言えるだろう。 

そして、ピッチ上のリーダーもアーセナルは欠いている。シーズン開始前に、エメリは5人のキャプテンというのを任命した。これは責任を共有するための試みだったが、同時にこれは明確なキャプテンがいないということを認めたも同然だ。マンチェスターシティのコンパニをみれば、彼のような選手がいかに大切かがわかる。

アーセナルで誰か気迫にあふれる選手がチームを勝利に導いた、などといったことが起きたのが最後はいつだったか思い出せるろうか?ブライトン戦でキャプテンマークを付けていたのはメスト・エジルで、彼はインスピレーションを与えるリーダーシップで知られてはいない。

確かにキャプテンというのは単なる象徴的な役割にすぎないかもしれないが、今の状況はアーセナルがチーム全体で気概が欠けていることを象徴している。クラブも恐らくこのことを分かっており、リヒトシュタイナーやソクラティスといった選手を獲得することで対処しようとしたのだろう。だがどうやら、アーセナルのメンタリティを変えるには、もっと多くの変革が必要なようだ。

そして、これはもう一つアーセナルが抱える問題も浮かび上がらせる。補強だ。アーセナルは大幅なメンバーの入れ替えを必要としているが、このようなプランを指揮できる人材がいない。ベンゲル後のアーセナルに関して多くのアーセナルファンに希望を与えたのはミスリンタートだった。彼が2月に去ったおかげでアーセナルの選手獲得プランは混とんとしたものとなり、結果的に一月の終盤には奇妙な動きがいくつか見られた。

元アーセナルのエドゥがテクニカルディレクターに就任するという噂だが、彼は7月まで仕事を始められない。これは、移籍市場が閉まる一か月前だ。経営陣のいざこざとエメリをサポートする適切な体制が整っていないこともまた、彼のチームの不調に大きな影響を与えたことは間違いない。

一月に、アーセナルはホールディング、ベジェリン、ウェルベックという長期離脱者の穴を埋める必要があった。しかし、エメリはレンタル移籍での獲得しかできないと告げられ、これが結果的に謎のデニス・スアレス獲得につながった。彼は、一試合も先発することなくこの夏にアーセナルを去る。

ミスリンタートが退団したせいなのか、それともオーナーから信頼されていないのかはわからないが、エメリは冬にサポートを得られなかった。ここ数週間エメリは酷い仕事をしたが、今季の大方の間、彼は難しい仕事をきちんとこなしていた。

ベンゲルが去った際に、ファンの多くはアーセナルが難しい移行の時期を迎えることを覚悟した。物事が良くなる前にさらに悪くなる可能性もあると知っていたはずだ。ある意味、エメリはアーセナルを新時代へと導く犠牲の子羊として監督に就任したのだ。

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もちろん、クラブの文化を変えるのも監督の仕事の一部ではあり、過去ばかりを責めていても仕方がない。クロップやポチェッティーノがリバプールトッテナムに与えた影響を観ればわかる通り、彼らはアーセナルのように残念なチームだったクラブを素晴らしい挑戦者に変えてしまった。

エメリも彼らと似たような仕事をアーセナルで成し遂げなくてはならない。しかし、そのためには理想的には十分な金銭的な支援と、さらに重要なことに、時間が必要だ。アーセナルは現在潤沢な予算を保証できる立場にない。だが、少なくとも彼がアーセナルの欠点をいくつか克服することが出来るかどうか試すだけの時間をもう少し長く与えることはできるはずだ。

(Source:
https://www.unibet.co.uk/blog/if-arsenal-cannot-offer-emery-considerable-financial-backing-they-must-at-least-give-him-time-1.1179519 )

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