復活のローラン・コシェルニー

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ローラン・コシェルニーがアトレティコ戦でワンダ・メトロポリターノのピッチに崩れ落ち、涙をこらえながらピッチを拳で叩いた衝撃的な日から、もうすぐ一年が経とうとしている。

コシェルニーは0-10でいうとその痛みは11くらいだったと表現している。この瞬間に彼はW杯でプレーするという望みが潰えたこともわかっただろうし、もう一度ピッチに帰ってくるまでには長期のリハビリを必要とすることを覚悟したはずだ。

昨季コシェルニーが引退を危ぶまれるほどの大怪我を負ったのはヨーロッパリーグの準決勝でのことだった。それから一年が経った今、アーセナルは再びヨーロッパリーグのベスト4に進出し、それを先頭で率いているのがコシェルニーだ。

コシェルニーがピッチに立っている間にアーセナルがゴールを許したのはもう一か月以上前だ。ここまで彼が先発した5試合では5試合ともクリーンシートを達成している。コシェルニーがアーセナルにやってきて以来最高のパフォーマンスを見せていると言ってもいいくらいだ。

エメリがコシェルニーが過密日程に耐えられるかわからないという不安を口にしていたのはそこまで昔のことでなはい。もちろん、この懸念は当然で、来季34になる選手に関してこのような疑問を抱くのは当然だ。だが、コシェルニーは彼の姿勢と肉体に関しての回答を明快に示してみせた。

この7日間で、コシェルニーはアーセナルにとって非常に重要な3試合すべてに先発しただけではなく、その全てで圧倒的なパフォーマンスを見せた。ナポリはコシェルニー率いるアーセナル守備陣を攻略することに失敗し、またワトフォード戦でもコシェルニーの活躍がアーセナル勝利の鍵となった。

少し前からこの傾向は継続している。ヨーロッパリーグレンヌ戦の3-0での勝利は守備的にはほとんど非の打ち所がなかった。そして、その前のユナイテッド戦での2-0の勝利でコシェルニーは10cm近くある切り傷を負いながらも試合を続行している。アーセナルフィジオによれば、通常の選手であれば後退を余儀なくされているとのことだ。

アーセナルがこのことを発表することには意味があった。コシェルニーの逆境を跳ね返す力、タフさ、そして力強さを伝える必要があったからだ。コシェルニーの心と体はアキレス腱の怪我によって壊されてしまったわけではないというメッセージを発信したのだ。

先日のナポリ戦が今季のアーセナルのハイライトであることは言うまでもないが、その中でもコシェルニーは際立った活躍を見せた。今季のアーセナルのアウェイでの苦戦はすさまじいものがあったが、ナポリ相手にチームは良く統率され、落ち着き払っていた。その中心にコシェルニーがおり、エメリのスリーバックの中心で質実剛健なプレイを見せ続けた。

このポジションは2019年のコシェルニーに適していると言える。かつてのスピードをコシェルニーは失っているが、右にソクラティス、左にモンレアルがいるおかげでコシェルニーはサイドに出ていく必要があまりないし、一対一に持ち込まれることも少ない。

横で彼を助けてくれる選手たちのおかげで、かれはDFの基本に注することが出来、逆にこれがアーセナルのより創造的な選手たちを輝かせることに繋がるのだ。

多くの点で、最近のコシェルニーのプレイは典型的なイギリス人CBのようだといえる。空中戦に強く、タックルは素晴らしく、果敢なブロックを見せる。このような特徴は通常33歳の選手が持ち合わせるものではないが、試合を重ねるごとにコシェルニーはこのような選手になっているようだ。

見た目に反して敏捷なソクラティスがアーセナルにやってきたのはコシェルニーが3バックの中央に居場所を見つける大きな助けになった。また、これに関してエメリも褒められるべきだろう。このポジションを見つけ出したのは彼なのだから。

昨季まではコシェルニーはサイドよりのCBとしてプレイしており、ベンゲルが3バックを採用する際にはムスタフィが中央を務めることが多かった。このおかげでコシェルニーはサイドの選手と対峙する機会が増え、組み立てへの参加も気にしなくてはならなかった。

エメリ体制になってからはコシェルニーのこれらの負担は少し減り、逆に守備を完璧にこなすことに集中できるようになっている。

怪我の性質を考えると、コシェルニーの復活は本当に特筆すべき出来事だ。このような環境では、少しずつ監督のプランから外れていってしまう可能性も十分にあった。だが、代わりに彼はエメリが最も信頼するDFとなり、彼の率いる守備陣は今季初めて、強固になりつつある。

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