アーセナル 23/24 シーズンプレビュー CB編
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ベン・ホワイト
『これまで下位リーグでのプレイが多かったCBにこの移籍金は高すぎる』『パスは上手いが守れない』など、懐疑的な目線に晒されながらアーセナルにやってきたと思うと見事ガブリエルとの素晴らしいパートナーシップを確立し、翌年は満を持してローンから復帰したサリバが正右CBの座をものにしたが右サイドバックとして今度は絶対的な立場をものにし、そして今季はパーティが偽右サイドバック起用となったためCBに戻り、ガブリエルがベンチとなったがホワイトはその座をキープ、と色々波乱万丈なポジションの変更を経ながらもアーセナルでは絶対的な先発メンバーの一員という地位をずっと崩していない。
ここまでの起用法を見る限り、パーティが中に入ることも多いので、時折はオーバーラップなど、サイドバックらしいプレイも見せる、ちょうどCBとサイドバックのハイブリッド的な形でプレイすることが多くなりそうだ。
怪我も少なく(というよりもむしろ、ホールディングがインタビューで話した所によると、ホワイトは怪我を抱えていても何故か平然とプレイできる、とのことだったが)、安定感抜群のパフォーマンスで今季もチームを引っ張って欲しい。
ウィリアム・サリバ
今季は開幕からガブリエルがずっとベンチを温めるというこれまでの2シーズンからすると想像もつかなかった事態となっているが、サリバは先発をキープしている。
特に右サイドバックにパーティが起用される場合は3-1-6のような形で、サリバの両脇にはホワイトと冨安やキヴィオルといった、CB-サイドバックのハイブリッドスタイルでプレイするタイプの選手が起用されることが多く、守備を専門とし、攻撃の最終局面には参加しないDFはサリバ一人となっていると言ってもいい。
ここまでのパフォーマンスを見る限り昨季終盤の怪我の影響特に感じられないし、アーセナルの若き守備の要の今季の活躍にも期待だ。
ウィリアム・サリバがまだ22歳とCBとしては非常に若いながらも昨昨季はリーグアンのベストイレブン、昨季はプレミアリーグのベストレイブンと2年連続欧州5大リーグベストイレブンの偉業を達成。今季もベストイレブン入りは果たせるでしょうか。 https://t.co/iiSKBDjN5a
— 山中拓磨(Takuma Yamanaka) (@gern3137) August 30, 2023
ガブリエル
往々にしてサッカー選手のチーム内での立ち位置というのうつろいやすいものではるが、今季最大のサプライズと言ってもいいのがここまでガブリエルが先発を外れていることだろう。監督が交代したというわけでもないのに、これまで移籍直後からほぼ常に絶対的な左CBとして君臨し続けてきたガブリエルがベンチスタートが続くことになるとは誰も想像していなかったに違いない。
アルテタはこれを戦術的な理由と説明しているが、プレシーズンではほぼずっとガブリエルが起用されており、それに代わる形を試している様子もなかったことを考えると、突然リーグ開幕と共に先発外となったのは少々不可解ではある(ティンバーの怪我に伴ってシステムの変更が行われた、というのもあるかもしれないが、そもそもガブリエルはティンバーが先発した開幕戦でもベンチだった)。
絶対的な立ち位置だった選手が突然ベンチとなったことで当然と言えば当然だが、サウジアラビア方面からの興味と移籍も噂されている。
まだこれからCLも控えており、週2で試合をこなしていく必要もあり、流石に残り2日の間にガブリエルがアーセナルを去る、というのは考えづらいとは思うが、かつてはエジル、オーバメヤン、ティアニーといった選手たちが一見チームの中心と思われながらもアルテタの構想から外れていったのと似たような道を歩んでしまうのか、それとも、ここから再び評価を高め返り咲くのか、ガブリエルにとってはアーセナル移籍後の転機となるシーズンとなりそうだ。
ヤクブ・キヴィオル
昨季後半から少しずつプレミアに慣れつつあり、監督からの評価を高めつつあるようだ。先週末の試合では冨安の出場停止とジンチェンコのベンチスタートに伴って左サイドバック/3バックの左CBとして先発も果たした。
現状左利きのCBがガブリエル以外にはキヴィオルしかいないため、今季は昨季と比べるとかなり出場機会は増えることになるだろう。活躍次第では飛翔の一年となるかもしれない。
まだ若いが、既にセリエAやポーランドA代表でも経験を積んでおり、フラム戦でのパフォーマンスを見る限りでもそこまで心配の必要はないように思う。
天性のフィジカルを持つガブリエルと比較すると、敏捷性やスピード、空中戦では分が悪いが、やはり左足のキックの精度は非常に高く、これがアルテタから評価されているポイントなのだろう。
短期的にいきなりフィジカル面を改善するとは流石に難しいと思うので、より試合展開を読む能力などを磨いていって、フィジカルではなくサッカーIQと戦術眼で守備でも勝負できるCBと成長するのがトップレベルで花開ける可能性が高そうな道となるだろうか。
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