【インタビュー】ミケル・アルテタ 前編

2023-06-26インタビュー

MARCA紙でアルテタがインタビューに答えていましたので、そちらの内容を抜粋して紹介します。

アーセナルにはどのようにして勝者のメンタリティを取り戻したのですか？

全ては3年前に始まったのさ。私は当時シティでペップのアシスタントをしていて、アーセナルとの試合だった。その時私の目の前には魂を失ったクラブが見えたよ。

サッカーを楽しんでいるようには見えなかったし、その時のアーセナルは感情がないように見えた。そして、その少し後に私はクラブからアーセナル側のベンチで指揮を私がとれる可能性があると知らされたんだ。

アーセナルのようなビッグクラブは、まずファンとの繋がりを取り戻さなければならない、と思った。一度ゼロに戻してやり直すのは難しかったが、現状には満足している。

我々には明確なアイデンティティがあり、結束があり、エネルギーに満ちている。クラブの上から下まで、全員が同じ方向に進もうとしている、というのは素晴らしいね。

我々はファンに夢を与え、誇りを与えることが出来ていると思う。次はより多くの勝利を目指す時間だ。

ベンゲル監督の時代は非常い長く、勝利も多くありましたが、欠点も生み出しました。あなたにとって、何が間違っていたのか見つけることは出来ましたか？

明らかだった。私は樹の絵をかき、根っこが問題だと説明したよ。これを全て治す必要があり、それはクラブに携わる人に関しても言えた。それなくして、観客がワクワクするような試合を生み出すことは出来なかった。

昨季に関して言えば、プレミアリーグ優勝が目的であり、2位という結果は満足できないものでしたか？

目標は優勝だった。アーセナルの要求水準は高い。今でも10か月間シティとやりあいながら優勝を逃してしまったことを考えると心が痛む。もちろん、それもスポーツの一部だがね。

ただ、そうはいっても、今のアーセナルのような若いチームが昨季成し遂げたことは賞賛に値すべきだろう。それも私にとっては明確だ。

優勝に足りなかったのは何でしょうか？

多くが足りなかった。リバプール、ウエストハム、サウサンプトン相手の3つの引き分けで多くの勝ち点を落としてしまったし、不運な部分もいくつかあった。

重要な選手に怪我起き、そこから状況は複雑になった。我々にチームの主力が揃っていた時にはずっと安定して結果を残していたと思う。だが、それ以降、我々は優勝に相応しいパフォーマンスを見せられなくなってしまった。

そして、対戦相手は世界最高の監督が率いる世界最高のスカッドを備えるチームだった。我々にはそれを受け入れ、勝者と握手をするしかないね。

あなたにとって、ペップ・グアルディオラは世界最高の監督ですか？

疑いの余地はないね。彼は全てにおいて最高だ。マネージメント、チームに自分のアイディアを信じさせる力、チーム全体を巻き込む力、選手から最高の力を引き出す力、試合前や試合中の判断、そして自らが送ったメッセージがずっと影響を持ち続けるようにする力。彼は天才だよ。

昨年のシティ戦の後、あなたはそこまで温かな挨拶をペップとはかわさなかったようですが、今も彼との関係は良好ですか？

もちろんだ。3日前にも彼と話したばかりだよ。

だが我々は二人とも勝利を求める監督で、試合に集中しているんだ。次の日には電話をかけ、仲直りの抱擁を交わしているがね。この関係性は失われるものじゃない。

シーズン中に、優勝が可能だと思える瞬間は何度かありましたか？

何度もあったよ。ファンとの絆を感じたし、ファンもそれを信じ始めたのもわかった。

だが、怪我によって、これは難ししくなるかもしれないと思い始めた。求められる水準が維持できなくなった。シティ相手にリーグを制すには4-5月に最高のパフォーマンスを見せられなくてはならないが、我々は怪我のせいでそれがならなかった。

若さと経験不足が出たと言えるでしょうか？

今のチームには若手とベテランが両方いるよ。より経験豊富な選手たちは若手のロールモデルとなってくれているし、幸運なことに素晴らしいポテンシャルを持ったユース育ちの選手たちも躍動している。彼らを調和と共にチームに組み込むことが出来たし、彼らはお互いに楽しみながら競い合って、チームを勝利へと導いてくれるね。

その筆頭がサカですが、もし彼が市場に出ていたら移籍金は100m€では足りないですかね？

見当もつかないね。彼は素晴らしく、安定感もある。彼の数字とパフォーマンスは21歳という年齢を考えればクレイジーだ。彼はハングリーで、さらに成長を望んでいる。彼の最高の素質を選ぶとしたら、彼の試合を勝利に導く能力だろうね。これを備えている選手は多くない。

マルティネッリ、ジェズス、ウーデゴールにも同じことが言えるけどね。

あなたは見事にウーデゴールをスター選手へと花開かせましたね？

あれは彼の実力だよ。彼の自分に対するモチベーションはとんでもないし、全てを高速で学んでしまう理解力は素晴らしい。我々は彼をキャプテンに任命することで責任を与え、自信の面で少し手助けしてやったくらいのものだ。

マルティンは物静かだが、彼が口を開く時には誰もがその声に耳を傾ける。私は彼に『キャプテンになれば、より多くのものが要求される。君が内に備えているものをどれだけ外に放てるかが鍵だ。自分らしくあれ。』といったよ。

彼はキャプテンに必要なすべてを備えている。プロフェッショナルに自分の体の面倒を見るし、チームメイトを気にかけ、より改善しようとしてくれる。教養もあり、サッカーが好きで、コミットメントも素晴らしい。

そして、彼は今やよりペナルティエリア近くでプレイする必要があると感じている。ランパードと並ぶプレミアリーグのMFとしての史上最多得点というのは素晴らしいね。まだ彼は24歳だし、今後さらに成長してくれるだろう。

(後編に続きます)

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