アーセナル22/23シーズン中間採点 CB編
選手採点
GK&監督編はこちら!
ウィリアム・サリバ: 9
ここ何年かアーセナルに長期的な将来があるのか、という点さえ疑問視されることも多かったが、今季はついにファーストチームに組み込まれることとなっただけではなく、開幕からスタメンを譲らず圧倒的なパフォーマンスを見せている。まだまだ今後次第ではあるが、今季のチームのシーズンMVP候補の一人だろう。
昨季リーグアンのシーズン最多パス数記録を更新したのは伊達ではなく、今季も90分当たり62.8本というチームトップのパス数を記録、成功率も92.1%とチープトップだ(プレミアリーグ出場分数が非常に少ないホールディング、ロコンガ、エルネニーを除く)。
また、リーグ全体で見ても、886本というパス成功数はプレミアリーグ5位の数字で、サリバを上回っているのはロドリ、カンセロ、ファンダイク、ダイアーの4人のみだが、サリバは彼らの誰よりも高いパス成功率を誇っている。
ただし、むしろそれよりも今季目を引いているのはそのカバーリングの範囲の広さだろう。素早く危機を察知するとその素晴らしいスピードを生かした対応を見せ、何度も相手の攻撃を無効化することに成功しており、今のアーセナルが前でボールを持ち押し込むことができているのはガブリエルとサリバの二人の存在が非常に大きいはずだ。
身長のわりにそこまで空中戦が強いというほどではない点、またオウンゴールもあったりと少し粗削りな部分もある(年齢を考えれば当然ではある)が、それ以外はほぼ完ぺきなパフォーマンスを見せている。加えて、どのような状況でもまだ21歳とは思えない超人的な落ち着きを持ち合わせているのも頼もしい(にもかかわらず、セレブレーション時には得点者よりも派手な勢いで感情をあらわにするのも面白い)。
ガブリエル: 8
現状のアーセナルにおいて、もっとも替えが利かない選手は誰か、とアーセナルファンに尋ねたとしたら、恐らく多く返ってくるのは『トーマス・パーティ』という答えではないかと思うが、アルテタが左CBのポジションに左利きのCBを非常に重視していることを考えると、ガブリエルも明確に代役となれる選手がチームにいない選手の一人だ(最近富安が左サイドバックとして起用されていることを考えると、いずれクラブでも左CBとしてのプレイ機会も増えるかもしれないが)。
実際に、今季ここまでプレミアリーグで全試合フル出場を果たしているのはもちろん、ヨーロッパリーグでも5試合に出場しており、アルテタはスケジュール/コンディション的によほどの無理がない限りガブリエルを出場させている。
そして、ガブリエルは監督からの信頼に見事なパフォーマンスで応えており、相方のサリバの陰に若干隠れがちではあるものの、アーセナル移籍以降最高のシーズンを送っているといいだろう。空中戦、フィジカル、守備範囲の広さを高いレベルで備えているガブリエルとサリバのCBコンビは現時点でプレミアリーグ屈指のクオリティだ。
相変わらず空中戦勝利回数はチームトップを記録しているし、守備だけではなく、昨季はプレミアリーグのCBとしては一位となる得点数を記録したが、今季も攻撃時の脅威となるプレイは健在で、セットプレイだけでなくオープンプレイからも前線に走りこむ機会もあり、90分当たりのxGではサカやマルティネッリに次いでチーム2位を記録、既に2得点も挙げている。
ロブ・ホールディング: 5
特にホールディングのパフォーマンスが想定を下回っている、というわけではないのだが、サリバの台頭により一番影響を受けているのがホールディングといっていいだろう。ホワイトがサイドバックに移り躍動している一夫で、ホールディングの出場機会はかなり減少している。
今季プレミアリーグの出場分数はたったの10分しかなく、主戦場はヨーロッパリーグだ。プレイ機会を得た際には、スタメン奪取もあるか、と思わせるほどではないにせよまずまずのパフォーマンスを見せており、昨季ほどの頻度ではないが、今季も時折抑え投手的に試合終盤に守り切り要因として投入されることもある。
現有戦力の中ではアーセナル在籍歴が長いベテランでもあり、アーセナルがホールディングに期待する役割とを考えると、まさにその期待通り、堅実なローテーション+守備固め要員のCBという仕事は申し分なく果たしてくれているが、そろそろ年齢的にもキャリアのピークを迎えるであろうホールディング自身が今の出場機会の少なさをどう考えているかは少し気になるところだ。
ベン・ホワイト: 8
(ポジション的には今季は実質的に右サイドバックとなっているが、CBとサイドバックの人数バランス的にこちらに含めた)
サリバが今季アーセナルでどれだけ出場機会を得られるかの鍵は昨季はチームにとって絶対的な右CBだったホワイトとのポジション争いの行方が握っていると思われたが、当初は富安の欠場に伴って、右CBにサリバ、右サイドバックとしてホワイト、という形でプレイすると、非常に素晴らしいパフォーマンスを見せたホワイトがそのまま右サイドバックとしてずっと先発を続ける形となった。
今のアーセナルのシステムでの右サイドバックは中に入って3バックのような形になる、あるいは中盤の一角を形成するような形なることも多く、持ち前のドリブルでの持ち上がりや精度の高いロングボールはこのポジションからでも特に問題なく発揮できるし、ウイング上がりのサイドバックほどではないにせよ、もともとそれなりにスピードもあるため、最近はこのポジションに慣れてきたのか深い位置に上がってのプレイを見せる場面もある(クロスの精度に関してはまだもう少し時間が必要かもしれないが)。
そして何より、これは富安にも言えることだが実質的にCBと同等の守備力を持つ選手をこのポジションに起用できることで、ガブリエル、サリバと合わせて3人でサイドの裏のスペースに対応できており、より前に人数をかけやすい体制が整っているといえるだろう。
スタッツで見ても、90分当たりのボールタッチ数はパーティに次いでチーム2位、ファイナルサード侵入パス(合計で100本というのはロドリとデクラン・ライスに次ぐリーグ3位の数字だ)、プログレッシブパスともにチームトップレベルで、アーセナルがボールをつなぎ前に進めるにあたって欠かせない選手となっている。
守備に関しても、ミドルサードでのタックル成功数が非常に多く、高めの位置でボールを奪うことに成功しており、今季は気迫のシュートブロックが記憶に残っている方もいるかもしれないが、ブロック数もチームトップの数字を記録している。
関連記事(広告含む)
Posted by gern3137
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません